東京都品川区のKさんは、ロータスのスポーツ車を所有する独身男性。通勤の利便性を考えて都心で1LDKの賃貸暮らしをしているが、借りている立体駐車場は月額2万4000円(税別)で、マンションから徒歩10分あまりの場所にある。ビル内の駐車場なので保管場所としては安心なのだが、さすがに遠くて普段の外出は電車やタクシーになりがちだ。

 たまにロータスに乗るときには、バッテリーが上がっている可能性を考えて、自宅で充電したリチウムイオンの小型バッテリーを持ち運んでいるのだという。

屋内ガレージ付きで、クルマやバイクの愛好家から大人気の物件だ

 このようなクルマやオートバイの愛好家にとって、“愛車”とひとつ屋根の下で暮らし、思う存分に整備やチューニングができる家は理想の住まいだ。しかしこれまで、「屋内ガレージ付き」といえば一戸建ての注文住宅くらいしか選択肢がなく、彼のような単身者や若い夫婦にとっては住みたくても物件がない状態が続いていた。

 そうした背景から、ガレージ付きの賃貸住宅が今、大きな注目を集めている。首都圏発のトレンドが京阪神や名古屋圏にまず飛び火して、さらに全国各地に広がりつつあるのだ。

 実際の物件はどうなのだろうかと、愛知県知立市の太陽ハウジングリース社に取材してみた。案内してもらったのは、同社が「G-Style Club」というブランドで展開する物件のモデルルーム。間取りは下図にある通りで、郊外によくある賃貸メゾネットの1階部分を、まるまるガレージにしたようなつくりだ。単身者向け1LDKタイプの賃貸ガレージハウスとしては典型的なスタイルになるのだという。

ベッドルームがロフトになっており、単身者向けとしての広さは十分。何より、クルマやバイクを思う存分、自宅で整備できる喜びがある

 とにかく驚いたのは、ガレージの広さだ。

 奥行きが7メートル、間口が4.6メートルあり、写真のようにクルマ1台とバイク+αを収容し、さらに壁面に机や棚を並べてもまだまだ余裕があって、整備に窮屈さを感じることはない。また、メゾネットらしく家屋前面にアスファルト駐車場もあるので、クルマがもう1台あってもそこに駐めることができる。

 筆者がとりわけ感心したのは、ガレージ奥の庭だ。写真のように人目を気にせず使える外部空間になっていて、仲間たちとバーベキューなどをしてもいいし、ガレージをさらに広々と感じさせてもくれる。また、上階の居室部分も見させてもらったが、ベッドルームの上がロフトになっていることもあって単身者には充分すぎるほどの広さと上質感がある。率直にいって、パンフレットから想像していたものを数段上回る好印象だった。