民主党代表選は菅直人氏が勝利し、当面の首相続投が決まった。
その長い政治人生において、初めて首相の座に挑んだ小沢一郎氏は、結局「敗北」を喫した。
実は、国政選挙にしろ、都知事選にしろ、小沢一郎氏は、言われているほど選挙に強くない。その「不敗神話」がまさしく「神話」にすぎないことが、今回の結果からも明らかになった。この「神話」にみられるように、小沢一郎という政治家の実像は、案外知られてこなかったのである。
その点で、今回の敗北は、マスメディアの作った小沢一郎の「神話」が溶解し始めるよいきっかけになるかもしれない。
それにしてもこの2週間、記者クラブメディアによる感情的な「小沢バッシング」は異常という他なかった。
たとえば、保守を任ずる「産経新聞」ですらその例外ではない。
その政権発足直後は〈辛光洙(シンガンス)の嘆願声明に署名した北朝鮮の回し者、菅直人〉、〈仙谷由人は赤い官房長官〉、〈革命左翼勢力に協力した枝野幹事長〉などと書いていたのが、小沢氏が出馬を決めた途端、自らの主張をかなぐり捨て、菅政権を擁護し始める始末である。「敵の敵は味方」ということだろうが、そこには保守の「矜持」も、「正論」も何もあったものではない。
とはいえ、皮肉なことに、このような記者クラブメディアの出鱈目ぶりが、かえってこれまでの自らの不埒を白日の下に晒すことになってしまった。
きょう、ジャーナリストの田中龍作氏が次のようなコラムを自身のウェブに寄せた。それは、昨日の民主党代表選の投開票直前に起きた「事件」をテーマにしたものである。