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気になるあの本を読んでみた!ベストセラー目のつけどころ
【第20回】 2016年7月11日
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山本奈緒子

なぜ、日本では「自立したエリート」が育ちにくいのか

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米国流「自立する子」の育て方とは

『一流の育て方』という本をご存じだろうか。私が本書に惹かれたのは、メインタイトルもさることながら、サブタイトルに“勉強だけではなくどんな分野でも活躍できる子を育てる”という、グローバルな視点の一言があったからだ。

 個人的な事だが私の姉はアメリカ人と結婚しており、私にはアメリカで暮らす11歳と6歳の甥がいる。そのため私は11年前から、毎年何度もアメリカに渡り、1~2週間と長期滞在し、甥たちと過ごすようになった。そうして24時間子供たちと彼らを取り巻く環境に触れていると、時に日本とは180度違うこともあるアメリカの子育て観に非常に興味を抱くようになった。

 たとえば日本では当たり前の「いい子にしないと○○あげないよ」といった一言。まず最初に、「それは取引になるから言わないでくれ」と要望された。

 また「遅くまで起きてるとオバケがくるよ」といった一言。これも「ウソは言わないでくれ」と言われたのだ。

 なるほど、取引やウソであると言われれば一理ある。「では子供が言うことをきかないときどうするのか?」と聞くと、なぜそれをしなければならないか説明するのだと言う。当然、小さな子供に、大人へ語るように説明したところで、ふざけてまともには聞かない。それでもアメリカの親は子どもたちを対等な存在とみなし、忍耐強く滾々と理由と説き続けるのだ。

 またアメリカでは、1歳ぐらいから子どもを別の部屋で寝かせることが当たり前だ。これは子どもの自立を促すため。実際、親と引き離された子どもは最初の三晩ぐらいは大泣きを続けるが、そこを過ぎるとそれもピタッと止み、一人でさっさと寝室に行きスッと寝るようになるという。

 私が見ているに、彼らの子育ては“子どもを対等な存在とみなし、自立を促す”。この一軸に大変重きを置いているように思う。その子育て法が生む結果にはもちろん一長一短あるだろう。とりあえず一短は置いておくが、一長として大きく感じたのは、何度もアメリカを訪れ多くのアメリカの一般的な家庭を見ていて、「子どもが大きくなったときの親子関係がアメリカのほうが圧倒的に良いな」ということだ。彼らは思春期になっても、日本のようないわゆる反抗期はないという。また大人になっても常にファミリーで集まり、頻繁に電話やスカイプでコミュニケーションを取るなど、ファミリーの時間を最重要事項として捻出している。私は甥のことが大好きであるし、自分には子どもがいないため、彼らのことを息子のように思う気持ちもある。だから彼らとずっと良い関係を築いていきたい。そのためには日本だけの価値観から抜け出し、グローバルな子育て観を知る必要がある――。そう痛感しているときに目にし、「これなら!」と手に取ったのが『一流の育て方』だったのである。

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