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大企業の“お家騒動”が今も昔も絶えない理由

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第436回】 2016年7月12日
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ロッテホールディングスは6日に東京で臨時株主総会を開き、ロッテ創業者長男の宏之氏が提出した創業者次男の昭夫氏ら現経営陣の解任と、宏之氏取締役選任の案件を否決した。ロッテグループの兄弟間の経営権争いは、今回の昭夫氏の株主総会の勝利をきっかけに、事実上終息へ向かった。写真は宏之氏が6日午前、東京新宿で行われる臨時株主総会に出席するために入場している様子 Photo:Yonhap/AFLO

相次ぐ大企業の“お家騒動”
そがれる企業の発展エネルギー

 最近、ロッテや大塚家具など、大企業の創業者一族間の“お家騒動”が世間を騒がせている。親族間での深刻な意見対立は昔も今も変わらない。問題は、“お家騒動”によって、公器である企業の発展エネルギーがそがれることだ。

 大塚家具の例では、一旦は親族間の争いが収まったかに見えた。しかし、その後の業績の推移を見ると、お家騒動の後遺症が残っていることがわかる。そのマイナスは大きい。ロッテの場合、兄弟同士の非難の応酬が収束する兆しは見えない。親族間の争いの根は深く、混乱は続きそうだ。

 一般的に、人間には自己主張の意識や、権力を手にしたいという欲求がある。それが、意見の対立や、人間関係の悪化につながることは多い。特に、経営に関与する一族郎党の間で仲たがいが起きると、対処は容易ではない。血のつながりがある故に、骨肉の争いに発展することが多い。

 多かれ少なかれ、わたしたちは自分の行いに何らかのプライドや自負を持っている。特に創業者の場合、自らの才覚、努力でゼロから事業を起こし、一大企業にまで成長させたという強い自負があるはずだ。そのため、親族の経営を見ていると「手ぬるい」、「おかしい」と感じることも多々あるだろう。それが、過剰な経営への干渉と対立を生む。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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