「10年の前に、まず3年」を頑張った人にしか
見えないもの

 経験した時間は、「その人の歴史」です。
 経験した時間は、「その人の評価」です。
 経験した時間は、「その人の武器」です。

 私自身のキャリアを振り返ってみても、プロとしての入り口に立つためには、「10年の経験」という時間が必要だったと思います。

 CA(客室乗務員)として、12年間勤務していましたが、楽しいことばかりだったわけではありません。

「もう嫌だ、もうダメだ、もう限界、辛い、辞めよう」と何度思ったことか(笑)。

 けれど、途中で辞めなくて、本当によかった。

 途中で投げ出していたら、「今の私」はなかったはずです。

 私が「会社を辞めたい」と友だちに相談をしたとき、友だちは、こんなアドバイスをくれました。

「本当に本気で辞めたいと思ったら、辞めようかどうしようか迷っている間もなく、上司のところに勝手に足が向くから、それまでは大丈夫。続けるべきだよ」

 私が講師としてお招きいただけるのは、「CAの現場で、12年間、辞めずに続けてきた」という実績を評価していただいているからです。

マナー講師としてのキャリアは10年に満たなくても、「CA時代の12年」があったからこそ、「今」があります。

 以前、リクルートの『タウンワーク』(求人情報)が「その経験は味方だ。」というテレビCMを放映していたのを覚えていますが、私も、「経験は味方になる」と思います。

 マナー講師としてはまだまだ半人前で、今も、なお、勉強の毎日です。
 それでも、人前でお話することができるのは、「CAとしての12年間」で身につけた経験と、自信が拠り所になっているからです。

 知識や技術は、個人の努力によっては、短期間で身につけることができるかもしれません。

 でも、「経験」だけは、一人前になるのに「10年」という時間がかかります。

 それでも腐らずに、小さな努力を続けていくことが大切なのですね。

「10年もかかるのか!」と思うかもしれませんが、ひとつのことをやり続けて10年を過ぎたとき、きっとその意味が、体感覚的に理解できるはずです。

 最近では、「『石の上にも3年』は無用」という論調も見受けられますが、どんな仕事にも、「年数を重ねないと見えないこと」があるのかもしれません。

 10年の前に、まず3年。

 3年間、その会社で頑張った先には、あなたを輝かせる未来がきっとあるはずです。

「まずは3年を目標」に一緒に頑張ってみませんか?