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今週もナナメに考えた 鈴木貴博

ポケモンGO配信開始で広告業界に激震が走る理由

鈴木貴博 [百年コンサルティング代表]
【第25回】 2016年7月25日
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 7月22日、いよいよ待ちに待ったポケモンGOの日本での配信が始まった。先行する米国では大ブームが巻き起こり「スマホユーザーの行動が変わる」とまで報道される過熱ぶり。任天堂の株価もポケモンGOのニュースに伴い高騰しているのだが、ポケモンGOで何が変わるのだろうか?

任天堂は「ぱっとしない企業」から
一気に「急成長企業」へ大逆転

Photo:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

 ポケモンGOは任天堂のスマホゲームなのだが、特徴は3つある。ひとつはこれが任天堂の初めてといっていい大型のソーシャルネットワークゲームであるということ。2番目に実際に街中に出かけてそこでポケモンをゲットするというゲームの仕組み。3番目にそのための「ポケストップ(ポケモンをゲットする場所)」と「ジム(自分が所属してそこでポケモンを育てたり対戦したりする場所)」が街中に設置されているというビジネスモデル。

 この3つのキーワードを分析すると、任天堂という企業の価値がポケモンGOで激変する可能性がある。それはどういう意味なのだろうか?

 そもそも任天堂が落ち込んだ理由は何だったのかを整理してみよう。任天堂の株価はこの10年間ぱっとしなかった。リーマンショック直前につけた7万円台をピークに下降をつづけ、アベノミクスでの日本株上昇からも取り残され、ここ1年では1万円台と2万円台の間をいったりきたりという低迷状況だった。

 理由は任天堂のビジネスモデルである、ゲーム機を普及させ、それをベースにそこで販売されるサードパーティを含めたゲームのライセンス収入で儲けるやり方が、スマホの普及で時代遅れになったことだ。

 いつの間にか世の中はわざわざ専用のゲーム機をつかわなくてもスマホでゲームができる時代になった。任天堂に都合が悪いことに、スマホは初期設定ですべてネットワークにつながっているから、ゲームの主流はオンライン上で仲間と共闘したり戦ったりつながったりできるソーシャルゲームに移って行った。

 この流れから取り残されたということで、任天堂は「世の中から取り残された企業だ」というレッテルを貼られてしまったのだ。

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鈴木貴博 [百年コンサルティング代表]

30年のキャリアを誇る経営戦略コンサルタント。情報分析や業界分析に強く、未来予測やイノベーション分野が得意領域。一方で雑学にも強く、経済エンタテナーとして各方面に寄稿。経済クイズ本『戦略思考トレーニング』シリーズは20万部を超えるベストセラー。マスコミ関係者の地下クイズ集団『夜会』のメンバーとしても活躍。


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経済誌をにぎわすニュースや日常的な経済への疑問。そのときどきのトピックスについて経済の専門知識を縦軸に、社会常識を横軸において、ナナメにその意味を考えてみる。

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