ポケモンGOが、7月22日に日本でも配信となった。海外では7月7日から先行配信されており、社会現象化しているニュースが流れていた中で、満を持しての配信である。私が勤務している芝浦工業大学でも、学生がポケモンを求めてキャンパス内を歩き回るなど、大ヒットとなっている。ポケモンGOの大人気とともに1万5000円程度で推移していた任天堂の株価も一時期は3万円を超えるなど、経済面でも大きな影響を与えている。
社会現象にまでなったポケモンGO
任天堂の故・岩田社長が記者会見を行い、DeNAと提携してスマートフォンゲームへの参入を発表したのは2015年3月17日である。それからちょうど1年後の2016年3月17日にコミュニケーションアプリであるMiitomo(ミートモ)が配信されたが、純粋なゲームとしてはポケモンGOが初めてとなる。
ポケモンGOはグーグルの社内ベンチャーに端を発するナイアンティック社(Niantic,Inc)との共同開発で生まれたものであり、発売もナイアンティック社からである(任天堂で検索してポケモンGOが見つからずに慌てたユーザーもいたようだ)。ナイアンティックは位置情報を用いたAR(Augumented Reality:拡張現実)ゲームであるイングレス(Ingress)を開発した会社として知られている。
イングレスは単純に言えば、プレイヤーがエンライテンド(Enlightend:ゲーム中では緑色)とレジスタンス(Resisitance:ゲーム中では青色)のいずれかのエージェントに分かれて戦うものだ。「ポータル」と呼ばれる拠点を自勢力とし、「コントロールフィールド」を作成して得点の合計値を競う。ポータルは世界各地に存在しており、コントロールフィールドはポータル同士をリンクして三角形を描いて作成する。そのため、プレイヤーはポータルを獲得してリンクさせるために各地を歩き回る。
ポケモンGOは、イングレスで培われたノウハウをポケモンに適用したもので、プレイヤーはポケモン探しやジムを目指して歩き回ることになる。芝浦工大の小山研究室でも、学生同士が「○○にジムがある」「××にポケモンが出た」と言いあいながらワイワイとプレイしている様子が見られた。家庭用ゲームのポケモンでも、プレイヤー間のネットを介さないリアルな交流が面白さの一部だったように、ポケモンGOでもプレイヤー同士のリアルな交流が展開されていくことだろう。