ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

ポケモンGOはビジネスとして社会的責任を果たせるか

小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]
2016年7月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
日本でも配信開始、またたく間に社会現象と化した Photo:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

 ポケモンGOが、7月22日に日本でも配信となった。海外では7月7日から先行配信されており、社会現象化しているニュースが流れていた中で、満を持しての配信である。私が勤務している芝浦工業大学でも、学生がポケモンを求めてキャンパス内を歩き回るなど、大ヒットとなっている。ポケモンGOの大人気とともに1万5000円程度で推移していた任天堂の株価も一時期は3万円を超えるなど、経済面でも大きな影響を与えている。

社会現象にまでなったポケモンGO

 任天堂の故・岩田社長が記者会見を行い、DeNAと提携してスマートフォンゲームへの参入を発表したのは2015年3月17日である。それからちょうど1年後の2016年3月17日にコミュニケーションアプリであるMiitomo(ミートモ)が配信されたが、純粋なゲームとしてはポケモンGOが初めてとなる。

 ポケモンGOはグーグルの社内ベンチャーに端を発するナイアンティック社(Niantic,Inc)との共同開発で生まれたものであり、発売もナイアンティック社からである(任天堂で検索してポケモンGOが見つからずに慌てたユーザーもいたようだ)。ナイアンティックは位置情報を用いたAR(Augumented Reality:拡張現実)ゲームであるイングレス(Ingress)を開発した会社として知られている。

 イングレスは単純に言えば、プレイヤーがエンライテンド(Enlightend:ゲーム中では緑色)とレジスタンス(Resisitance:ゲーム中では青色)のいずれかのエージェントに分かれて戦うものだ。「ポータル」と呼ばれる拠点を自勢力とし、「コントロールフィールド」を作成して得点の合計値を競う。ポータルは世界各地に存在しており、コントロールフィールドはポータル同士をリンクして三角形を描いて作成する。そのため、プレイヤーはポータルを獲得してリンクさせるために各地を歩き回る。

 ポケモンGOは、イングレスで培われたノウハウをポケモンに適用したもので、プレイヤーはポケモン探しやジムを目指して歩き回ることになる。芝浦工大の小山研究室でも、学生同士が「○○にジムがある」「××にポケモンが出た」と言いあいながらワイワイとプレイしている様子が見られた。家庭用ゲームのポケモンでも、プレイヤー間のネットを介さないリアルな交流が面白さの一部だったように、ポケモンGOでもプレイヤー同士のリアルな交流が展開されていくことだろう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]

1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部教授。2002年京都大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、そこで学んだコンピュータサイエンスの知識を生かしてゲーム産業研究を行なう。専門はゲーム産業を中心としたコンテンツ産業論と社会情報学。2016年6月末に『日本デジタルゲーム産業史』 (人文書院)を刊行。

 


ニュース3面鏡

インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。

「ニュース3面鏡」

⇒バックナンバー一覧