歩く、歩く。モンスターを求めて、ひたすら歩く。読者のなかにも、そんな週末を過ごした方も多かったのではないだろうか。とにもかくにも「ポケモンGO」である。

ポケモンGOの致命的弱点と「任天堂復活」とは言えないワケ

 世界中での爆発的な大ヒットを受け、日本でも「いつ、サービス開始だ?」と期待が高まるなか、先週の金曜日(22日)の午前10時にいきなり配信開始。各ニュースサイトは速報でその事実を伝えた。僕もさっそくダウンロード。この日の仕事を終えた夜、ログインして試してみようと思ったが、サラリーマンの帰宅時間帯ということもあってか、サーバー混雑でユーザー登録ができない。

 あきらめて会食に向かい、その後23時くらいに帰宅。再び登録を試みるが、依然としてサーバー混雑で登録ができない。これは当分ゲームができないなぁと絶望的な気分になっていたら、妻から「Googleアカウントならすぐに登録できるよ」との情報を得る。すぐにやってみたところ、たしかにGoogleアカウントならあっさりと登録できた。このあたりになにか意図的なものを感じたが、それについては後述するとして、とにかく登録できたので娘を加えて親子3人で近所をぶらつくことにした。

繁華街には意外と少ない
ポケモンGOプレーヤー

 まずは、ピカチュウゲットをめざす。ゲーム開始時にゲットできる裏技を実践してみたが、そう簡単にはうまくいかない。5分ほどウロウロしてようやくピカチュウ出現。ゲットできた。ちなみに僕の自宅は、都心から少し離れた静かな住宅街にある。普段は夜中になるとほとんど人も歩いていないところなのだが、この夜はスマホ片手の若者がウロウロ。あきらかにみんなポケモンGOに興じている。

 その後、近所のポケストップ(さまざまなアイテムがゲットできる場所)に桜吹雪が舞っているのを発見。桜が舞っていると30分間、モンスターの出現率がグンとアップするのだ。当然、それを目当てに人が集まる。早速僕らも行ってみたら、普段はほとんど誰もいない閑散とした場所に人だかりが。若いカップル、帰宅途中とおぼしきOL、一旦帰宅して着替えてきたような若い男子など、大学生から30代前半と思われる男女がたむろっていた。

 ひととおりモンスターをゲットした後は、最寄り駅まで移動。こちらもポケストップになっていて、しかも桜吹雪が舞っていた。商店街を歩いていた人、駅から出てきた人たちが次々と駅前で立ち止まり、やはりポケモンGO。僕も何匹がゲットして次のストップに移動しようとすると、近くにいた学生っぽいグループから、「お疲れさま~」と声をかけられた。見知らぬプレイヤー同士の仲間意識みたいなのものが生まれていたようだ。

 翌土曜日は、フィールド調査のために中野に。サブカルの聖地・中野ブロードウェイあたりがどうなっているのか気になって行ってみたのだが、意外とプレイヤーらしき人間が見当たらない。そこで近くの公園に行ってみたら、こちらはプレイヤーだらけ。親子連れ、犬の散歩途中の若い女性、オタクっぽい男子2人組など。さまざまな人たちがゲームに没頭していた。

 日曜日は渋谷、銀座に行ってみたが、こちらも意外とプレイヤーが少ない。渋谷はそれでも多少は見かけたが、銀座は日曜日の夕方という時間帯もあったせいか、ほとんどプレイヤーが見当たらなかった。僕が見た限りでは、どうやらポケモンGOプレイヤーは、繁華街より公園や住宅街のほうが多いようだ。そちらのほうがゆっくりとゲームが楽しめるということと、そもそも繁華街は買い物など目的があるのでゲームしている暇がないという理由もあるだろうが、意外と日本人の公共心の高さからくる現象なのかもしれない。