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糖質制限より取り組みやすい!?「糖質スローオン」が静かなブームに

大来 俊
2016年7月28日
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極端な糖質制限をすることで
肌荒れや筋肉量低下が起きることも

 近年話題の糖質制限ダイエット。私事で恐縮だが、実は筆者の食卓にも余波が及んでいる。筆者の40代前半の妻が、ほとんどご飯を口にしないのだ。夕食は、おかずだけ食べて済ませることもある。理由は「炭水化物(糖質)を摂ると太るから」。筆者と小学校低学年の長男がご飯を頬張る中、1人で自己流の糖質制限を決め込んでいる。

 世の中には、「糖質オフ」や「糖質ゼロ」の飲食物が溢れている。極めつけは食卓から糖質をできる限り締め出す「糖質制限ダイエット」。糖質はすっかり嫌われ者のレッテルを貼られてしまっている。しかし、ここで改めて考えたいのが、糖質を極端に制限してしまって、体に害はないのかという極めて根源的な問題だ。

メタボ対策で脚光を浴びた糖質制限だが、行き過ぎるとさまざまな健康被害も報告されている

 クルマが走るのに燃料が必要なように、人間も身体を動かす、頭で考えるなど様々な活動を行うためには燃料が必要だ。

 そのエネルギー源となるのが、言わずと知れた、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素だ。

 このうち、真っ先にエネルギーとして使われるのが、糖質=炭水化物である。ご飯やパン、麺類などの炭水化物を食べると、胃で消化されて小腸から吸収され、ブドウ糖として血液に入り、体の隅々の細胞に運ばれて活動に使われる。吸収されてすぐにエネルギーとして使えるので、効率的だ。

 さらに、脳に限って言えば、そのエネルギー源のほとんどが糖質である。疲れている時にチョコレートや飴などで糖質を摂ると、頭がすっきりして集中力が戻るのはこのためだ。その他、筋肉を動かしたり、心臓や他の臓器を動かしたりするなど、身体のエネルギー源にもなり、筋肉の合成を促したりもする。糖質は人間が生きていくために、最重要かつ不可欠な“燃料”であることが理解できるだろう。

 では、極端に糖質制限することによって、身体が糖質不足に陥るとどうなるか。その場合、2番手のエネルギー源として、体内に蓄積された「脂質」を分解して利用することになる。だが、問題は脂質を多く燃やすためには糖質が必要であることだ。体内にある程度“火付け役”としての糖質がないと、脂質をうまくエネルギーに変換できないので、結局はエネルギーが不足してしまう。

 糖質や脂質でエネルギーをまかない切れない場合、身体は三番手として体内の「たんぱく質」を分解してエネルギーとして使う。ただし、たんぱく質は筋肉や肌、髪、爪、さらには内蔵などを構成している成分であり、それらを分解するということは、文字通り「身を削って」燃料を生み出していることに他ならない。たんぱく質を燃料にすれば筋肉は落ち、肌が荒れ、髪のツヤもなくなる可能性がある。

 糖質制限はリバウンドしやすいとも言われている。過剰な糖質制限で補給されるエネルギーが減ると、人間はその少ないエネルギーでも生命が維持できるように身体を適応させてしまうからだ。クルマにたとえれば、エンジンが小さくなるイメージだ。

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