ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
トンデモ人事部が会社を壊す

同僚の「肉食度・草食度」を見極めてマネジメントに活かせ

山口 博
【第50回】 2016年8月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

約500人のビジネスパーソンの肉食度、草食度を測定したところ、顕著な結果が出た。草食度の高い組織に肉食度の高い自分が入ったら、やりにくいことは目に見えている。相手の肉食度、草食度に合わせたコミュニケーションも必要だ。

サラリーマンの習性にも
「肉食系」と「草食系」がある

 管理職向けのマネジメント研修や営業職向けのセールス研修で、相手のモチベーションエリアを見極めて、それに応じたマネジメントやセールスの手法、話法を組み立てる演習を実施している。モチベーションエリアとは、人それぞれのやる気が上がりやすい領域のことで、私は現在、「目標達成」、「自律裁量」、「地位権限」、「他者協力」、「安定保障」、「公私調和」の6つのエリアに分けて捉えている。

一口にモチベーションと言うが、何にヤル気を感じるかは、実に人さまざま。そこを無視して働きかけてもマネジメントは失敗するだけだ

 たとえば、挑戦することでやる気が上がりやすい人のモチベーションエリアは「目標達成」だ。仕事を任されたいと思う人は「自律裁量」、より大きな仕事をすることに意欲を掻き立てられる人は「地位権限」というようになる。

 一方で、周囲の人と協調していくことが心地よい人は「他者協力」、安定しているかどうかに敏感な人は「安定保障」、公私のバランスがとれていることを何よりも優先する人は「公私調和」にモチベーションエリアがある。

 これら6つのエリアのうち、「目標達成」、「自律裁量」、「地位権限」の3つを「牽引志向」と名付け、肉食系と呼んでいる。

 一方、「他者協調」、「安定保障」、「公私調和」の3つには「調和志向」と名付けて、草食系と呼んでいる。

 私は、肉食か、草食かの違いは、良し悪しではないと考えている。

 組織の置かれている状況によっては、求められる志向が異なるし、環境変化によっても変わるからだ。

 これまでの演習経験をふまえると、同じモチベーションエリアや志向の人とは、コミュニケーションがしやすいようだ。何でモチベーションが上がるか、自分と相手が似ているから、そのエリアや志向に沿った手法や話法を、お互いに繰り出しやすいのだ。逆に言えば、明らかに異なるエリアや志向の集団の中に入ったら苦労することになる。

 そして、企業によって、肉食度の高いメンバーが集まったり、逆に草食度の高いメンバーが大勢を占めていたりする。たとえば草食の集団の中で、自分だけが肉食だったり、その逆だったりしたら、自分も周囲も苦労することが容易に想像できる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

「トンデモ人事部が会社を壊す」

⇒バックナンバー一覧