ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

新型NSXに象徴される「ホンダ魂」復活への気合

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第36回】 2016年8月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
Photo:HONDA

ホンダ反転攻勢への狼煙となる!?
名車NSXの復活投入

 お盆休み明けの8月25日、ホンダが新型「NSX」発表会を開催し、いよいよ日本市場に投入する。NSXは日本で1990年に初代モデルを発売したスポーツカーだ。初代モデルは流麗なデザインに加え、パワフルな大排気量エンジンを運転席後方に配置し、後輪を駆動するミッドシップリアエンジン・リアドライブとオールアルミボディを採用した和製スポーツカーと評判を呼んだ。

 だが、この初代NSXは2005年末で生産を中止、2006年に販売を打ち切っていた。それから10年、2代目NSXはスーパースポーツモデルとして復活する。すでに今年2月25日から世界に先駆けてアメリカで先行受注を開始。追って世界各国に展開、日本では8月25日の発表となるのだ。

 ホンダは、このところ「元気のないホンダ」や「ホンダがヘンだ」といった見方をされていた。確かに、主力車フィット・ハイブリッド車の度重なるリコール問題による打撃やタカタのエアバッグ問題が加わり、品質対応に苦慮して商品投入の遅れや品質費用の負担で業績も低迷した。前期決算までの経営状況は、他の自動車メーカーが好調な業績を示す中で「ホンダ独り負け」と揶揄されていたほどだった。

 昨年、2015年6月に伊東孝紳社長から八郷隆弘社長に交代したが、この間は社内の品質問題などの立て直しや八郷ホンダ体制としての経営陣刷新に追われた感がある。八郷社長就任から1年が経過した中で今回、かつて名車と謳われたNSXの復活投入がホンダ反転攻勢への狼煙をあげることになるのか、大いに注目されるわけだ。これを機に「ホンダらしさ」の復活に繋がっていくのか。

 ホンダの2015年度前期の業績は、売上高が14兆6011億5100万円、9.6%増の増収となったものの、営業利益が24.9%減の5033億7600万円、最終利益が27.6%減の4063億5800万円と大幅な減益となった。これは品質関連費用の増加による落ち込みが大きく、減益基調が続く結果に終わった。

 ところが、今期(2016年4月?2017年3月)の業績見通しは、「潮目が変わった」(豊田章男トヨタ自動車社長)として他の自動車各社が円高等の環境変化でこれまでの好調な業績から一転して大幅な減益見通しとする中で、ホンダは売上高こそ13兆7500億円、前期比5.8%の減収だが営業利益は19.2%増の6000億円の増益を見込んでいる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

「モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫」

⇒バックナンバー一覧