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モラトリアム法案が骨抜きで胸をなで下ろす金融機関

週刊ダイヤモンド編集部
2009年10月27日
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 亀井静香金融担当相が打ち出した「モラトリアム構想」を法案化した「中小企業金融円滑化法(仮称)」の概要が固まり、金融機関は胸をなで下ろしている。

 そもそもの発端は、就任とほぼ同時に亀井金融相がぶち上げた中小・零細企業や個人の借り入れに関する発言だった。

 「少なくとも3年程度、返済猶予(モラトリアム)を実施すべく取り組む」

 この発言は、関東大震災後のモラトリアムを想起させるなどあまりに衝撃的だった。しかも、異論を口にした藤井裕久財務相などに対し、亀井金融相は「オレがやることに口を挟むのか」と強気の姿勢を貫いていただけに、金融機関側は戦々恐々としていた。

 それが10月21日に法案の概要が発表され、中身がわかると安堵が広がる。

 というのも、金融機関側が最も不安視していたのは、返済猶予の一律実施を義務化されること。それが法案で、借り手の要請に応じて可能な限り、返済猶予を含めた貸し付け条件の変更に応じる「努力義務」とされたからだ。

 そのほか、金融機関に対して実施状況を定期的に開示するよう義務づけるほか、金融庁の検査・監督を強化する方針も盛り込まれた。

 しかしこれとて、「今までと変わらない」との声が大勢だ。なぜなら金融庁は、今年4月から大手行を中心に、貸し渋りにターゲットを絞った集中検査を実施。すでに条件変更などに応じていない取引先について執拗に説明を求めるなど、厳しく対応しているからだ。

 一方で数値目標などが課せられれば、「優良企業にあえて条件変更して融資するなど、実績を水増しするケースも出る」(金融関係者)との指摘もある。「貸せない先には理由があって、法制化されても貸せない」(同)というのが本音だからだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田島靖久)

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