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岸博幸のクリエイティブ国富論

民主党の公務員制度“改悪”で
霞が関が安定志向の“組合”になる

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第113回】 2010年11月5日
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 先日テレビ番組で公務員制度改革について議論した際、複雑だからやむを得ないのですが、意外と多くの人がその全体像や問題点を正しく理解できていないのでは、と感じました。そこで、今回は公務員制度改革の現状と問題点を簡単に整理してみたいと思います。

霞が関が高齢者で溢れかえる!

 民主党はマニフェストで公務員制度改革の遂行を掲げていましたが、現状では完全に骨抜きになった感があります。これまでも、新たに設置された内閣人事局には人事院や総務省が持つ公務員制度関連の権限が移されていない、降格人事の規定も幹部クラスに限定されていて意味がない、などの問題がありましたが、天下り問題への対応は、特にひどいものとなっています。

 民主党は、天下りを禁止し、キャリア官僚も定年まで働けるようにする、とマニフェストで約束しました。しかし、それを実行すると、幹部クラスの公務員の数が減らないので、そもそもポストの数が足りないし、各省庁の中には高齢者が溢れかえることになります。

 実は民主党は昨年の日本郵政の社長人事の際に、「政治家の口利きで公務員OBが民間企業に行くのは天下りではない」というひどい対応をしたのですが、それだけでは限界があります。そこで政権は、官僚の知恵を借りて、天下りを禁じる代わりに幹部公務員の民間出向を大幅に増やそうと決めました。

 しかも、そのためには様々な規定を改正しないといけないのですが、あまり一気にやるとメディアの批判を受けるので、あまり目立たないように徐々に改正を行なってきています。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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