ブラック企業退職後、再就職できない若者の思考回路イライラ状態で仕事をしていないか

 残念なことに、ブラック企業は存在します。厚生労働省は「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として(1)労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、(2)賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、(3)このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などが挙げられます(厚生労働省ホームページより抜粋)。

 他にも任意団体「ブラック企業対策プロジェクト」は、「新興産業において、若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込む成長大企業」と定義しています。例えば、「派遣・契約社員として働いているが、いつになっても正社員になれない」「どんなに働いても、『営業手当』として3万円しか残業代が支払われない」など、その他に10件のケースを提示しています。

 そんな中、ブラック企業で働くという“トンデモな経験”をしてしまった若者の中には、なかなか再就職できない状態に陥る人がいます。彼らは一体なぜ、なかなか再就職できなくなってしまうのでしょうか。

 今回は、就職支援の場から感じた彼らが再就職できない本当の理由についてお伝えしていきたいと思います。

ブラック企業での勤務経験が
行動パターンを慎重にさせる

 大学関係や公共事業、職業訓練学校などの場所で就職支援をしていると、様々な若者に出会います。

 例えば、「全く就職をしてこなかった」「『前社はブラック企業』と言うものの、実際は自分勝手な仕事の仕方で居場所がなくなっていただけ」「過労死ラインの残業で疲れ果てて退職し、仕方なく就活を再開した」と、様々な理由で就職できない方がいらっしゃいます。