職場の同僚と世間話をしている時や飲み会などの機会があると、お互いの接点を探ろうと、

「ところで○○さんは、どこの大学御出身ですか」

と訊ねることってありますよね。そこで大学が同じだったりすると
「縁がありますね!」と盛り上がり、違っていても話のきっかけになるものです。ところが「私は高卒です」と答えが返ってきたら、どうですか?

 大卒社員と高卒社員はたとえ世代が近くても、お互いに壁をつくって距離ができてしまう――。そういった話をよく耳にします。しかし、そんな学生時代の経歴の違いだけで壁ができるものでしょうか?今回は大卒社員と高卒社員で生じるギャップについて、考えてみたいと思います。

高卒社員と大卒社員が
一緒に働く職場は少なくない

 最近の人材採用と言えば大卒、中途が中心ですが学歴不問で高卒の人材を採用している企業もない訳ではありません。確かに日本経済の低迷で高卒全体の就職内定率は68.1%(2010年1月現在)と同時期では下落幅が過去最大という厳しい状況でした。しかしながら、サービス、介護など慢性的に採用で苦労している業界の採用サイトには「高卒可」「学歴不問」の文字を幾つも見かけます。

 先日、取材した中古車販売の会社は昨年の新規採用で高卒・大卒が約半々の割合でした。

 「当社は人材を育成する場所を目指しています。ですから、仕事に対する前向きな姿勢が持てるなら学歴は不問です」

と人事部の方も学歴を重要視しないことを強調していました。ただし、高校生の採用は大学生に比べて手間がかかるようです。各高校の進路指導部を個別の窓口に募集して、職場見学を生徒に実施、そして選考開始・・・。この手間が高卒採用の障壁になっている気がしてなりません。

 さて、話題を戻します。ただし、いざ職場に配属された社員の立場からすると、会社が「学歴不問」といっても同僚に「大卒」「高卒」が混在しているのは事実であり、お互いの意識のギャップから様々な摩擦が起きているケースもあるようです。そのギャップを生む原因はどこにあるのでしょうか?