日本株は新年早々厳しいスタートになりました。原油価格は安値を更新、円高も進んでいます。いきなり出口の見えないトンネルに入ってしまったかのようにも思えますが、経済に潜む闇を白日の下にさらけ出す刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」の見方はちょっと違っているようです。
昨年8月の「中国ショック」再来か!?
株価や為替も当時の水準に接近している
日経平均が戦後最悪となる大発会から6営業日連続下落を記録しました。1月14日現在の株価は1万7178円で、昨年9月29日の安値1万6930円に接近しています。
昨年9月の安値と言えば、8月18日の「中国ショック」から始まり1カ月以上も続いた大幅下落の底でした。この時も中国はサーキットブレーカーを発動させて株式市場の取引を何度も停止させました。原油価格の暴落や円高も伴い、現在と非常によく似た状況です。
その上海市場はと言うと、やはり昨年8月26日の安値に接近しています。一方、原油株価は今回はサウジアラビアとイランの衝突もあって一時1バレル=30ドル割れ(1月14日現在)と昨年8月の安値37ドル台をも大きく下回っています。
円相場は1月8日付本連載(「2016年は円安終了」を予想する3つの理由、1ドル=118円の「トリガーポイント」を突破!)でも詳しく解説したように円高が進み、1月11日に一時1ドル=116.68円まで上昇しました。こちらも昨年8月24日の1ドル=116.18円に急接近しています。
要するに、日経平均は「上海市場の急落」「原油価格の急落」「円高」の3つの材料で急落し、同じように3つの材料が揃っていた昨年8~9月の安値に急接近していることになります。
日経平均や円相場(そしてたぶん原油価格も)はテクニカル的にいったんリバウンドする水準に来ていますが、市場関係者の見通しは見渡す限りの総悲観といった状況です。こういう時こそ冷静に状況を見極め、考える必要があります。
ここを耐えても中国経済は復活しないが
原油安と円高はチャンスに変えられる!
確かに、上海株式の急落は中国経済の悪化を反映したものであり、日本経済や企業業績への影響も大きいはずです。残念ながら中国経済が本格的に回復する可能性は、ほとんどありません。
そもそも中国経済の「真の姿」は大きく改竄されている可能性が大です。この問題は「我慢して耐えていればそのうち良くなる」という類のものではありません。中国に依存している企業は「このままでは大変なことになる」とハッキリ認識しなければなりません。多少の犠牲や一時的な株価下落は覚悟して「脱中国」を目指すべきです。
一方で原油価格の急落は、産油国の運用資産の取り崩しで日本株への売り圧力になる可能性こそあるものの、日本経済全体への影響は間違いなく大きなプラスであり「国家的チャンス」と考えるべきものです。
幸か不幸か日本は消費する原油のほとんどを輸入に頼っています。石油はこれから買い手市場になるので世界のパワーバランスでは「原油をたくさん輸入すること」が武器になるはずです。
最後に円高についてですが、米利上げ決定後の動きは急ではあるものの、まだ2014年10月の日銀追加量的緩和直前の1ドル=105円台に比べればはるかに円安です。
現在のように世界経済が低迷している時期は、仮に円安になっても輸出拡大などで日本経済にプラスとなる部分は少なく、逆に輸入物価を上昇させてしまいます。また何よりも日本経済や日本の資産が縮んでしまうことになり、「円安政策」は日本経済の体力を奪うことになります。
いつまでも「円高になると株価が下落する」と恐れているのではなく、ここははっきりと「円高政策」に転じる時期に来ていると考えます。この世界的なデフレの中で、2%の物価上昇という「超アナクロ」な目標のためにやっている「異次元の」量的緩和など、サッサと縮小してしまうべきです。
年間2~3%でも円高になると世界が認識したなら、利回りがゼロの日本国債を含めて日本への投資魅力が大幅に増すため、まだ世界に溢れかえっている投資資金を日本に集中させることができ、フローではなくストック面から日本経済を活性化できるでしょう。
株式市場に一時的なショックは出ると思いますが「脱中国(中国依存を軽減する)」「原油輸入を国家戦略に」「円高転換」に取り組む時期に来ていると考えます。年初来の株価下落を「漫然と眺めている」のではなく、ここは発想を転換して日本が大きく変わるチャンスであると前向きに考えるべきです。
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