闇株新聞[2018年]

英国のEU離脱リスクで英ポンドは下落!
6/23のXデーに向けての戦略とは?闇株新聞が考察する金融市場の懸念材料

2016年2月25日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
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英国で6月23日に欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票が行われます。ドイツやフランスと並びEUを主導する国のひとつがEUを見捨てるかもしれない大事が、たった4カ月後に迫っているのです。はたして英国の離脱はあり得るのか、そして市場への影響は!? 経済の闇に光を当てる刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」が解説します!

EU内での「特別扱い」を認めさせ
国民投票前倒しを決めるも波乱含み

 英国がEUを離脱するかもしれない!! と日本でも大きな話題になったのは、昨年(2015年)5月に行われた英国下院総選挙の時でした。

 キャメロン首相自身はもともと離脱に反対の立場ですが移民問題で国民の不満が高まり、争点にせざるを得ない状況になりました。

 この総選挙ではキャメロン首相率いる保守党が「EUと交渉し英国の立場を強化したうえで2017年末までに残留か離脱かを問う国民投票を実施する」との公約を掲げて勝利。単独過半数を獲得したのでした。

 はたして2月19日まで開催されていたEU首脳会議で、英国は移民制限などの「特別扱い」を勝ち取りました。

 キャメロン首相はここが攻めどきと「2017年末まで」としていた国民投票を前倒しで実施して、ライバルの労働党に差をつけようと考えたわけです。

 ところが身内のはずの保守党から複数の閣僚が造反、離脱に反対のスコットランド民族党は「離脱すれば英連邦から独立する」と言い出し、早くも波乱含みになってしまいました。

 英国のEU離脱は、すでにキャメロンを叩く政治駆け引きの材料に使われていることになり、国民投票の結果に関わらずキャメロン政権の弱体化は避けられません。

残留にせよ離脱にせよ国民投票まで
世界の金融市場が揺れ動くのは必至

 英国のEUからの離脱はあるのでしょうか?

 本紙は国民投票の結果が「EU離脱」となる可能性は低いと考えますが、仮にそうなってもすぐに英国が実行に移せるわけではありません。

 2009年12月発効のリスボン協定でEUから離脱する手続きが初めて決められたのですが、「当該国が離脱を希望して」「加盟国の過半数が賛成したら」「2年後に離脱できる」となっています。

 つまりEUは勝手に離脱することも、加盟国を追放することもできない仕組みになっているのです。

 それでも、国民投票までは賛成派/反対派の動向を巡って金融市場が混乱することになりそうです。そうでなくても問題山積の世界金融市場に、また懸念材料が1つ出現したことになります。

 差し当たって身構えておくべきはポンドの下落です。ポンドは英国経済と株式市場が好調で利上げが近いと考えられていた2015年6月の1ポンド=1.59ドルから本日(2月23日)は1ポンド=1.41ドルまで11%強下落しており、対円では同時期に1ポンド=195円から158円まで実に19%も下落しています。

 ポンドは対ドルでは、リーマンショック直後の急落時の1ポンド=1.36ドルにかなり接近していますが、その時点の対円の安値は1ポンド=118円なので、ポンドは対円ではますます下落しそうな気がします。

原油安でシティから投資マネーが引き上げる
英国経済の"地盤沈下"は避けられない!

 そもそも英国経済にとって最大の頭痛のタネは、原油価格の急落で中東のオイルマネーが激減してロンドン(シティ)から引きあげられ、世界のドル金融市場におけるロンドンの地盤沈下に拍車がかかることです。

 それゆえキャメロンは中国にすり寄り、AIIBにも欧州で真っ先に参加に手を挙げ、粗悪な中国製原発も大量に発注してまで中国マネー(これもドルです)を呼び込もうとしています。

 仮にここでEU離脱の可能性が燻り続けば、英国経済はドル圏でもユーロ圏でも存在感がますます小さくなってしまいます。

 かつての基軸通貨であるポンドの長期的低落は、まだ始まったばかりのような気がします。

 今後も英国のEU離脱の詳しい考察などは、毎週月曜日配信の「闇株新聞プレミアム」でお伝えしていきます。

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