アメリカの心理学者L・カッツとE・ウッディンが130世帯の人たちについて調べたところ、すぐカッとなりやすい人は、穏やかな人に比べて、58パーセントも多くケンカを起こしやすいことが明らかになっている。

 衝動的で、すぐにカッとなる人は、人間関係がヘタである。

 瞬間湯沸かし器のように、すぐ頭から湯気を立てるような人は、人と接するのが大変に苦手だといえよう。

怒りっぽい人は
会社にとって“諸刃の剣”

 カッとなりやすい性格は、何年にも渡って形成されていくのが普通だから、一朝一夕に改めることは困難だ。「カッとならないように、明日から気をつけよう」などと思っても、たやすく性格は変わらないのが普通である。たいていは2日ほど我慢して、また怒りっぽい性格に戻ってしまうものである。

 怒りっぽい人は、ある意味で、エネルギーやバイタリティに溢れた人であり、挑戦的な性格を持っていることもある。その点を評価して、喜んで採用してみると、社内の人間関係をめちゃくちゃにされてしまうことも少なくない。

 こういう危険を避けるには、どうすればいいのだろうか。

 人事担当者なら、ぜひ覚えておいてもらいたい法則がある。

 それは、質問に対する応募者の目の動きをチェックして、「右を向く人」ほど、怒りっぽく、攻撃性の高いタイプであることだ。

 スタンフォード大学の臨床心理学者ラキュエル・ガー博士たちは、28名の男性に、一連の質問を30秒以内でつぎつぎに答えさせるという実験をやってみた。