本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか?「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

「何でもよく知ってるのねえ」皮肉が通じないとき、感じのいい人は何と言う?Photo: Adobe Stock

「いらない」とやんわり示す

干渉を受け流しても、相手が同じ調子なら、「あなたの干渉、いりません」という意思を「やんわり」示しましょう

ここでお手本になるのが、京都の人です。

京都人の「イケズ(意地悪)」な言い回しは、全国的に有名ですね。

「ぶぶ漬け(お茶漬け)でもいかがどす?」と言われたら「長居し過ぎや、さっさと帰らんかい」という意味だ、と京都出身の知人が教えてくれました。

実際の京都人はそんなこと言わない、という京都府民の意見もちらほら耳にしますが、この柔らかくも皮肉な表現は、ぜひ見習いたいところです。

京都的な表現には他にも、

「元気ええなあ(=うるさい、静かにせえ)」

「えらい丁寧に教えてくれはって(=もっと簡潔に言わんかい……。いや教えていらんわ)」

「いろんなこと、よう知ってはんねんね(=知識をひけらかさんといて)」

考えとくわ(=お断りや)」

など、干渉されたときに役立つものがいろいろあります。

もちろん、京都弁を話す必要はありません。エッセンスだけを取り込んでみて欲しいのです。

例えば、「何でもよく知ってるのねえ」「考えておきます」と標準語で伝えてもいいでしょう。「わ、言うねえ。ちょっと驚いた」なんて表現も皮肉が効いています。

職場なら、「参考にさせていただきます」もいいですね。「そっくり言うとおりにはしませんよ」という意味を言外に含ませることができます。

感謝と「お断り」をセットで伝える

しかし、これくらいのことでは引っ込まない相手もいるでしょう。

「何でもよく知ってるのねえ」の皮肉をスルーして、

「そうよ、何でも聞いて。そういえば、他にもね……」

とさらに押しが強くなる人もいます。

そうなったら、「いらない」という意思をもう一歩強く示しましょう

ただし、感謝とセットで伝えてください。英語では「Thank you, but not thank you(ありがとう、でも私はいらないよ)」と表現します。

日本語で言うならば「気にかけてくれてありがとう。大丈夫。自分でやれると思う」などがおすすめの表現です。

これは、「気にかけてくれた」ことだけ感謝するという、範囲を限定した承認ともいえます。

最後に、変形型の対処法を一つ。

「そのアドバイスはいりません」と、「笑顔で」言うことです。

言葉ははっきり、くっきり。でも顔はにっこにこ。嫌な印象は与えずに、意思をしっかり伝えられます

最高の笑顔で、干渉をシャットアウトしましょう。

(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)