「本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか?「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」が「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

「いらない」とやんわり示す
干渉を受け流しても、相手が同じ調子なら、「あなたの干渉、いりません」という意思を「やんわり」示しましょう。
ここでお手本になるのが、京都の人です。
京都人の「イケズ(意地悪)」な言い回しは、全国的に有名ですね。
「ぶぶ漬け(お茶漬け)でもいかがどす?」と言われたら「長居し過ぎや、さっさと帰らんかい」という意味だ、と京都出身の知人が教えてくれました。
実際の京都人はそんなこと言わない、という京都府民の意見もちらほら耳にしますが、この柔らかくも皮肉な表現は、ぜひ見習いたいところです。
京都的な表現には他にも、
「元気ええなあ(=うるさい、静かにせえ)」
「えらい丁寧に教えてくれはって(=もっと簡潔に言わんかい……。いや教えていらんわ)」
「いろんなこと、よう知ってはんねんね(=知識をひけらかさんといて)」
「考えとくわ(=お断りや)」
など、干渉されたときに役立つものがいろいろあります。
もちろん、京都弁を話す必要はありません。エッセンスだけを取り込んでみて欲しいのです。
例えば、「何でもよく知ってるのねえ」「考えておきます」と標準語で伝えてもいいでしょう。「わ、言うねえ。ちょっと驚いた」なんて表現も皮肉が効いています。
職場なら、「参考にさせていただきます」もいいですね。「そっくり言うとおりにはしませんよ」という意味を言外に含ませることができます。
感謝と「お断り」をセットで伝える
しかし、これくらいのことでは引っ込まない相手もいるでしょう。
「何でもよく知ってるのねえ」の皮肉をスルーして、
「そうよ、何でも聞いて。そういえば、他にもね……」
とさらに押しが強くなる人もいます。
そうなったら、「いらない」という意思をもう一歩強く示しましょう。
ただし、感謝とセットで伝えてください。英語では「Thank you, but not thank you(ありがとう、でも私はいらないよ)」と表現します。
日本語で言うならば「気にかけてくれてありがとう。大丈夫。自分でやれると思う」などがおすすめの表現です。
これは、「気にかけてくれた」ことだけ感謝するという、範囲を限定した承認ともいえます。
最後に、変形型の対処法を一つ。
「そのアドバイスはいりません」と、「笑顔で」言うことです。
言葉ははっきり、くっきり。でも顔はにっこにこ。嫌な印象は与えずに、意思をしっかり伝えられます。
最高の笑顔で、干渉をシャットアウトしましょう。
(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)