東芝の新モデル「dynabook UX」は、ネットブックとは思えない美しいデザインと、打ちやすいキーボードが特徴だ。 |
相変わらず不景気が続いているが、PCの売れ行きはさほど悪くない。「他の製品と比べればよく売れている」と言っても過言ではない。その理由は、ネットブックの人気が継続しているからに他ならない。
そのため、当初ここまで売れるとは予想せずに静観していた日本のメーカーも、一気にネットブックに力を入れ始めている。特に今シーズンは、各社から新モデルが続々登場しているのだ。
驚くのが富士通で、これまでは、いわゆる“ミニPC”である「FMV-BIBLO LOOX U」をネットブックとして位置づけていたのだが、今シーズンはいよいよ市場に本格参入。「FMV-BIBLO LOOX M」という機種を投入して来た。
これはもう、「ネットブック中のネットブック」と言える製品だ。つまり、他社と変わらない性能に加え、デザインもどこかで見たことがあるような印象なのだ。
まあ、ネットブックの場合は、使っているパーツが各社共通なので、外観はどれもが似通っているのが普通だが。
とはいえ、他の国内メーカーが独自の特徴を“付加価値”として加えていることを考えると、これはあまりにもベーシックだ。
つまり、設計時点でライバルとの勝負を想定している可能性も高い。実は、価格勝負に打って出ようとしているのではないだろうか。
スタート時の想定価格は、4万9800円。現在市場では、4万円台程度での販売競争まで起きているから、富士通製の新モデルが4万5000円程度に落ち着けば、一気に人気を集める可能性がある。「徹底的にベーシックだが、デキは悪くない」という印象もある。
一方ソニーは、昨シーズンに独自のネットブックとも言える「VAIO type P」を投入し、ヒットを飛ばした。すごいのは、他のネットブックの2倍もの高価格にもかかわらず、よく売れたこと。さすがはソニー、脱帽である。