【第16回】 2009年06月24日
「環境」が「ビジネス」になるために必要な
『3つの創造力』とは?
――新たな時代のビジネスヒントがここに
昨年の11月18日に始まったこの連載ですが、この度リニューアルすることになり、今回が現行スタイルでの最終回となります。
そこで、これまでの連載を振り返り、「環境ビジネス」とは何か、をあらためて考えてみたいと思います。すると、いくつかのキーワードが浮かび上がってきます。大きく分けると、下記の3つです。
1)時代の要請であること(現在)
2)過去の延長線上には、単純に存在しないもの(過去)
3)未来に向けた戦略を要するもの(未来)
この連載は、タイトル通り「環境ビジネス」の連載ですが、上記のキーワードに照らし合わせて考えてみると、“環境”という特定のテーマのみに当てはまるものではなく、「ビジネス全体に通じるもの」ということが理解できると思います。
では、この3つのキーワードに共通するものとは、いったい何でしょうか?
私は、新しい時代をつくろうとする「創造力」だと思います。そこで、今回は当連載の総括として、『環境ビジネスに必要な3つの創造力(クリエイティビティ)』について述べたいと思います。
■ 環境ビジネスに必要な3つの創造力 ■
1)社会システムの創造力
2)資金の創造力
3)物語の創造力
(1)『社会システムの創造力』とは?
~既存のシステムに「変化」を促すチカラ
ゴミ処理問題や、廃棄物リサイクルの問題など多くの環境問題は、現場が、法制度や政策よりも先行しているのが実情です。こうした実情から、たとえ現場のニーズに応えるべき技術が存在したとしても、「社会システムの壁」に跳ね返されてしまうということは、本当によくあることです。「社会システムの壁」とは、既存の社会システムの変化に対する抵抗です。そして、その既存の社会システムに対して「変化」を促す力が、『社会システムの創造力』なのです。
日本人は、とかく保守的といわれます。でも、最近はその状況も変わりつつあるのではないでしょうか? 私は銀行員時代、合併を経験しましたが、皆さんの中にも、合併やシステムの入れ替え等により、業務手順の変化に対応せざるを得なかった、という経験がある方も多いのではないでしょうか? 「変化」と聞くと一瞬身構えてしまいますが、実は案外何とかなるものです。
これまでの連載でも書きましたが、環境問題には唯一の処方箋は存在しません。ひとりのスーパーマンが、全ての環境問題を解決してくれる、ということはあり得ないのです。「社会システムの創造力」と聞くと、何とも壮大ですが、こう考えてみると、どんなに優秀な技術を持っていたとしても、1企業の力だけでは、どうにもならないものです。そこで求められるのが、アライアンスなのです。でも、闇雲にアライアンスを構築すればよい、というものではありません。
第2回でご紹介した、世界初の「使用済み紙おむつの燃料化技術」を開発した株式会社スーパー・フェイズは、自社の使用済み紙おむつの処理技術を中心に、川上にあたる紙おむつの回収(病院の業務代行業者や、産業廃棄物処理業者)から、川下にあたる紙おむつ処理後のペレット化、ガス化技術の企業まで、幅広い企業とのアライアンス体制を構築し、着実な成果をあげています。
Special Topics
バックナンバー
- 第16回
- 「環境」が「ビジネス」になるために必要な 『3つの創造力』とは? (2009年06月24日)
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著者プロフィール
- 見山謙一郎
(立教大学AIIC特任准教授/ソーシャルビジネス・イノベーター)
1967年生まれ、埼玉県出身。90年立教大学法学部を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。本店営業第一部上席部長代理などを歴任。05年立教大学大学院修了(MBA)。同年10月に三井住友銀行を退職し、アーティストが設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。環境に関するさまざまなプロジェクトへの融資・支援活動に携わるかたわら、環境省の行政委員などを複数務める。09年1月に独立。同年2月に株式会社フィールド・デザイン・ネットワークスを設立し、代表取締役に就任。金融機関やベンチャー企業、教育・行政機関等の企画立案業務に携わるかたわら、各種講演活動も行っている。立教大学AIIC「立教グラミン・クリエイティブラボ」副所長。多摩大学経営情報学部非常勤講師。
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この連載について
「これは!」と思えるアイデアと成長可能性に富んだ『環境ビジネス』をピックアップ!“ビジネス”としてのブレイクスルーを目指す、中小・ベンチャー企業を中心とした新たな取り組みを追う。
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