営業において、説得力・交渉力は不可欠なもの。これまでは自己流で身体で学ぶというのが主な方法でしたが、説得のメカニズムを「科学」しておけば、誰でも効果的に説得力を身につけられるのです。
今回は、トップ営業マンたちが実践しているテクニック5つ目「選択肢限定法」について、ご紹介します。
初めから相手に「ノー」の
選択肢を与えない
説得は煎じ詰めれば、相手に「イエスかノー」を突きつけることといってもいいでしょう。しかし、相手は簡単にイエスとは言ってくれません。ところが、必ずイエスの答えが返ってくる方法があるのです。それが選択肢限定法です。お客さまに対しても、「この商品はいかがですか?」と聞くと、答えはイエスかノーで返ってきます。
「選択肢限定法」は、説得者が相手に「イエスかノー」を聞くのではなく、結果的に承諾を意味する選択肢のみを並べ、相手に「ノー」と言わせないようにして説得する方法です。
説得者は相手に選択肢を与えますが、その中に「ノー」という選択肢はありません。相手は与えられた選択肢の中から選ばざるを得なくなり、要請に応じやすくなります。
たとえば、「面会に応じていただけますか?」と聞くよりも「火曜と木曜と金曜のどの日が都合がいいですか?」と聞けば、相手は「ノー」と答えにくくなります。「募金に応じていただけますか?」と聞くよりも「1000円、2000円、5000円、1万円のうち、おいくら寄付していただけますか?」と聞けば、相手は1000円と言うのもケチだと思われるのではないかと考え、2000円か5000円と答える可能性が高くなります。
このテクニックを使うのは、説得者にとってどの選択肢が選ばれるかということよりも、相手に「イエス」と言わせることが重要な場合です。