2024.4.26
金利上昇で「消費増税15%分」の収支改善ないと“財政破綻”リスク、財政健全化待ったなし
2%物価目標が達成されれば金利正常化で長期金利も2026年末に3.5%程度に達する可能性があるが、その場合には長期金利が名目成長率を上回り、債務残高の対GDP(国内総生産)比の発散リスクが高まる。財政破綻を回避するには消費税率換算で15%程度…
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 調査部 経済調査チーム 主席エコノミスト
2006年東京大学経済学部卒業、財務省入省。2017年みずほ総合研究所(株)入社、経済調査部配属。現在は、みずほリサーチ&テクノロジーズ(株)で日本経済の見通し総括を担当。主な著書に『経済がわかる 論点50 2022』(東洋経済新報社、共著)など。
2024.4.26
2%物価目標が達成されれば金利正常化で長期金利も2026年末に3.5%程度に達する可能性があるが、その場合には長期金利が名目成長率を上回り、債務残高の対GDP(国内総生産)比の発散リスクが高まる。財政破綻を回避するには消費税率換算で15%程度…
2024.3.10
今春闘は4%程度の高い賃上げ率が見込まれるが、「物価・賃金の好循環」実現は難しそうだ。実質賃金は24年度後半に前年比プラスに転じるが、個人消費を上向かせるには力不足でGDPの回復の足取りも鈍い見通しだ。25年春闘の賃上げモメンタムは弱まり…
2024.2.2
日銀が2024年から金融政策の正常化に踏み切ることで26年までに短期金利は2.75%、長期金利は3.5%程度まで上昇する可能性がある。その影響度をシミュレーションすると、家計は住宅ローン負担増を預金収入増などが上回り恩恵が大きい一方、負債が多…
2023.11.30
経済対策の効果を試算すると、GDPの押し上げ額は6兆円、率では0.9%程度で、政府が掲げる「19兆円」は根拠が曖昧だ。物価高対策での家計の負担軽減額は「年間4.4万円」にとどまり生活支援策としては費用対効果が低い。
2023.10.25
株価上昇や若年層を中心とするリスク資産保有世帯増加の流れが続けば、2040年までに家計のリスク資産残高は2.4倍に増えるシミュレーション結果が出た。ただし若年層への金融教育拡充や国債安定消化を維持するための財政秩序回復も重要だ。
2023.8.24
持続的な物価上昇が実現するかどうかは、人々や企業が物価上昇は「当たり前」と考える物価観に変わるかどうかにかかる。ポイントは2024年以降も十分な賃上げが続くかであり、人手不足の深刻化がノルム転換のトリガーになる可能性は否定できない。
2023.6.26
春闘賃上げ率は23、24年と続けて3%台となる可能性が高いが、物価上昇との見合いでは十分とは言えず、実質賃金は24年度まで前年比マイナスが続く見通しだ。懸念は消費者の「値上げ疲れ」で企業の価格設定が慎重になり、賃上げ率が再び縮小すること…
2023.4.12
植田日銀は当面は緩和政策を維持する見通しだが、早ければ6月会合でYCCの長期金利目標の撤廃に踏み切る可能性は残る。試算では長期金利が1%近傍まで上昇すれば、GDPが▲0.2%程度下押しされ120円台の円高になる。
2023.1.30
値上げが広がることで家計の負担増は22年度9.6万円、23年度もさらに5.1万円が見込まれる。一方で春闘賃上げ率は2.6%程度、名目賃金の伸びは1.3%程度にとどまり、実質所得の低下は依然、続く見通しだ。
2022.12.12
サービス業は全国旅行支援や水際対策緩和で需要の回復加速が見込まれるが、人手不足が足かせだ。人件費引き上げなどのコスト上昇を価格転嫁できない業態や企業は逆に倒産の懸念が高まる。
2022.10.5
円安と政府の水際対策緩和はインバウンド需要回復に追い風だ。だが中国のゼロコロナ政策継続やオンライン会議普及によるビジネス出張減少もありコロナ禍前への回復は2025年以降になる。
2022.8.3
コロナ感染の再拡大と歴史的な物価高騰が消費の逆風になっている。感染は8月初旬にピークアウトが見込まれるが、家計の体感物価は消費増税時並みに高騰しており消費回復は鈍いものになる。
2022.6.30
物価高問題では黒田日銀総裁の説明とは裏腹に家計の「値上げ許容度DI」はむしろ低下しており日用品の値上がりで低所得者を中心に節約志向が高まる。景気減速のリスクが現実味を帯びる。
2022.6.8
円安は今年前半は1ドル=130円台半ばまで進む可能性がある。「企業の7割、就業者の6割」が円安のマイナス影響を受けると試算され、米国のインフレやウクライナ情勢による円安加速への注意が必要だ。
2022.6.6
賃金の伸び悩みが日本経済低迷の大きな要因であり、人的資本投資の拡充が「成長」と「分配」の同時達成に向けた鍵だ。成長率を欧米並みに高めるには官民で年間4兆円程度の投資が必要だ。
2022.5.25
資源高・円安の同時進行で2022年は1世帯当たり約7.3万円の家計負担増が見込まれる。政府の物価高対策は低所得世帯の支援にはなるが、物価上昇への「耐性」が弱くなっている日本は構造対策が必要だ。
2022.4.8
日銀は円安が日本経済にはプラスとするが、円安メリットは希薄化し、独自試算では10%の円安で1.8兆円の損失が貿易取引で発生する。円安と物価上昇、貿易赤字拡大のスパイラルが懸念される状況だ。
2022.3.9
ロシアへの経済制裁の強化・長期化のシミュレーションでは、国際商品市況が50%程度上がれば、日本の所得流出は19.4兆円。ロシアの資源輸出全面停止となればユーロ圏は10%の生産減少が見込まれ、世界経済は少なからずの「ブーメラン効果」に見舞わ…
2022.2.23
日用品の価格上昇は低所得世帯への打撃が大きく、消費増税2%超に相当する負担増になる。家計支出を切り詰めざるを得ず、コロナ禍でも目立った教育支出減少による教育格差が広がる恐れがある。
2022.2.9
オミクロン株の感染拡大は2月中旬にピークに達する。後半以降に収束に向かうが、サービス消費の落ち込みや自動車などの生産停滞で1~3月期のGDPはマイナス成長になる可能性が高い。
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