サウジアラビアが支援する男子ゴルフの新興団体LIVゴルフは、今年の「マスターズ」を制覇した世界ランキング3位の人気選手ジョン・ラーム(29、スペイン)を競合する米PGAツアーから引き抜く見通しだ。

 複数の関係者によると、交渉が頓挫しなければ、ラームとの契約は今週中にも発表される見込み。

 ラームを獲得すれば、LIVは大きな白星を挙げることになる。PGAツアーとサウジ政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、事業統合の期限が12月31日に迫る中で最終合意への詰めの作業を進めている。

 ラームとの複数年契約の条件は決まっており、来季は同選手がLIVのユニホームを着用すると、LIVとPGAの双方が想定している。

 業界関係者は、ラームのくら替えがサウジとPGAの危うい和睦に影響を及ぼしかねないと身構えている。サウジはラームと契約してPGAに圧力をかけ、統合の最終合意を成立させる狙いとみられる。また、統合交渉が土壇場で決裂するような場合は、競合としてLIVの運営を続ける「保険」のような意味合いもありそうだ。

 LIVが巨額契約で数々の著名ゴルファーを引き抜く中でも、ラームはPGAへの「忠誠」を公言し、4億ドル(約580億円)を提示されても考えを曲げないとさえ語っていた。LIVは「ゴルフトーナメント」ではないと一蹴し、つい7月にも移籍観測を否定していただけに、移籍は予想外の展開だ。

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