米ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は、2026年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、政策金利は適切な水準にあるとの認識を示した。また、自身を含む中銀当局者が今月の会合での利下げを急いでいないことを示唆した。
ウィリアムズ氏は12日夜にニューヨーク市で開催された外交問題評議会(CFR)で、過去12カ月間で労働市場は冷え込む一方で、インフレの基調トレンドは連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%に向かって緩和していると述べた。こうしたバランスの変化を受け、FRBは昨年9月から12月まで0.25%ポイントの利下げを3回実施し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.50~3.75%に引き下げた。
ただ、この一連の利下げ以降、FRBの政策姿勢は中立な水準に近付いており、もはや経済を左右するほど積極的ではないとウィリアムズ氏は説明。目先は追加利下げの必要性が低くなったとの認識を示した。
また、「現在の金融政策は労働市場の安定とインフレ率をFOMCの長期目標である2%への回帰を支援する上で適切な位置にある」と述べた。
第2次トランプ政権の始動や、ホワイトハウスによる高関税と移民厳格化という2本立ての経済政策など、米経済は過去12カ月間で大きく変化した。
それでもFRBの政策決定の枠組みは、ある意味で1年前と似た構図を維持している。
FRBは25年1月も失業率の緩やかな上昇を注視しており、24年末には3回連続で利下げを実施していた。だた、インフレ率が高止まりしていたため、当局者は25年1月に利下げを一時停止し、さらなる調整を行う前に政策情勢の動向を見極めることとした。
ウィリアムズ氏は昨年のこの時期にはコネティカット州ハートフォードで講演し、25年最初のFOMCを控える中、政策金利は「好ましい水準」になると述べ、その後8カ月間にわたって続いた金利据え置きの方針を示唆した。
FRB当局者らは17日から、金利や経済に関する対外発言が制限されるブラックアウト期間に入るため、金融政策に関する最後の公式発言を行っている。ウィリアムズ氏はFOMC副委員長を務め、ジェローム・パウエルFRB議長と緊密な協力関係にあるため、投資家は同氏のコメントを特に注意深く分析している。
ウィリアムズ氏の講演原稿には、パウエル議長が昨年夏にFRB本部改修工事について行った議会証言を巡り、米検察当局が同氏を捜査していることへの言及はなかった。



