Leonhard Foeger/Reuters マリア・コリナ・マチャド氏(2025年11月)

 ドナルド・トランプ米大統領は、ベネズエラの野党指導者でノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド氏と15日に会談する。複数の米政府関係者が明らかにした。

 ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が3日に米軍による軍事作戦で拘束され、米国で裁判にかけられて以降、公の場から遠ざかっているマチャド氏にとっては極めて重要な会談となる。一部側近は、トランプ氏がマチャド氏を軽視している様子や、民主化への移行の必要性を否定する姿勢を見せた場合、同氏の活動における政治的野心に打撃を与える恐れがあると懸念している。

 マチャド氏は1年以上にわたり、自らをトランプ氏の思想的同盟者と位置付けてきた。しかし、米国が制裁を加えている、マドゥロ政権で副大統領だったデルシー・ロドリゲス氏をトランプ氏が支持するのを目の当たりにする中でワシントンを訪れることとなる。

 トランプ氏は軍事作戦以降、ベネズエラの石油利権の掌握と政治犯の解放を求めており、協力姿勢を見せるロドリゲス氏を繰り返し称賛している。11日にはロドリゲス氏と「近々会談する予定だ」とし、「彼女は極めてよく対応している」と述べた。トランプ氏は同日の早い時間には自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、自らを「ベネズエラ暫定大統領」と称した画像を共有した。

 ベネズエラの野党活動家らはトランプ政権に対し、ロドリゲス暫定政権が政治犯解放の公約を確実に履行することを含め、民主化への譲歩を強く迫るよう働きかけている。人権団体フォロ・ペナルによると、ベネズエラ政府は「相当数」の政治犯の保釈を約束したにもかかわらず、12日時点で解放されたのはわずか49人だった。

 当局は12日にマチャド氏の訪米を確認し、長年にわたり緊張していた米国とベネズエラの関係が修復に向かっている新たな兆候を示唆した。ベネズエラ政権の実力者であるディオスダド・カベジョ内相はテレビ放送された与党の会合で、2019年から閉鎖されている首都カラカスの米大使館の再開に向けた動きが進んでいると述べ、側近らから喝采を浴びた。

 同氏は「平和と安定に向けた、この道を歩み続ける」と述べ、米国への石油販売再開への支持も表明した。

 マチャド氏のノーベル賞授賞式に出席するためノルウェーのオスロを訪れた米議員を含む米国の支援者は、今回の同氏とトランプ氏との会談が関係強化につながることを期待している。マリア・サラザール下院議員(共和、フロリダ州)は11日、「マチャド氏がトランプ氏と質の高い、長時間にわたる堅実な会談を行うことを確信している」とし、「トランプ氏がこの会談に強く、強く満足することを確信している」と述べた。

 マチャド氏は米国の軍事作戦を称賛し、トランプ氏を「この半球における自由の擁護者」と呼び、感謝の意を表明している。マチャド氏は過去1年にわたり、トランプ氏と緊密に連携し、同氏の側近らとの関係構築に努めてきた。トランプ氏による麻薬密輸船への軍事攻撃を支持し、ベネズエラを米国からの投資に開放する提案を行った。また、ドナルド・トランプ・ジュニア氏のポッドキャストに出演し、マドゥロ氏が米国の選挙不正に関与していたとの見方を示した。

 マチャド氏は、かねてノーベル平和賞を熱望しているトランプ氏に同賞をささげ、「共有」することも申し出た。ただ、マチャド氏の発言を受け、ノーベル賞の選考委員会は、ノーベル賞は「取り消し、共有あるいは譲渡することはできない」との異例の声明を発表する事態となった。

 ベネズエラでの軍事作戦後、トランプ氏はマチャド氏について「国内で支持も尊敬も得られていない」とし、マドゥロ政権で副大統領を務めてきたロドリゲス氏を政権移行で協力していく人物として名指し、マチャド氏の支持者らを驚かせた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、米国は軍事作戦の数週間前に、ベネズエラの暫定政府を率いるのはロドリゲス氏を含むマドゥロ政権の幹部らが最適だと結論付けていたと報じていた。

 マチャド氏は先月から欧州に滞在している。12日にはローマ教皇レオ14世と面会し、拉致され、消息不明となっている全てのベネズエラ人のためにとりなしを求めた。

TOP