ラオス 2015年4月6日

ラオスの首都ビエンチャンの田んぼや空き地が
ショッピングセンターに変わり始めたショッピングセンター建設にまつわるビエンチャン近年史【前編】

2008年建設のショッピングモールも不安をあおる結果に

 その次にSC建設の話が出たのが、2008年のタラートサオショッピングモール(以下SM)。もともと共産国営的な市場(マーケット)があった場所に、7階建てのSMを建てるという計画。3階にはタイの大手スーパーが入り、映画館やビジネス、ホテルフロアーなどが上階を占めるという構想だった。

 建物が竣工式を迎えた時、外資系テナントはまだ決まっていなかった。そのうちに大手スーパーが辞退を表明、テナント料が高すぎるとのことで国内商店(特に市場内で営業している商店主たち)が入居を拒否した。

 これに対して政府からの対話がなされたものの、平和な社会主義国ラオスでは珍しい、市民によるデモが起きたと、一部で話題にもなった。そして、タラートサオSMは、立派な外観を残して、7階のうち、地下1階、地上1階と2階の一部にしかテナントが見られない無残な結果となってしまった。

 資本はシンガポールである。「ああ、またか」市民は口を揃えて呟いた。

目抜通りのランサーン通り沿いにあるタラートサオショッピングセンター【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】

 

国際会議開催のたびに発展するラオス

 それでも、2012年ごろから相次いで、SC&SM建設プロジェクトの話が出始める。ちなみにこの年は、ASEM(アジア欧州会議)というアジアと欧州の首脳が集まる、ラオス人民民主共和国建国以来の最大規模(いや、現ラオス領土を占有した国家として最大か)の会議が開催された年である。

 こうして振り返ってみると、ラオスは国際会議の度に発展していることがよくわかる。逆の言い方をすれば、国際会議がなければ発展しなかったかもしれない。ラオスにとっては、会議の内容以上に、会議開催という事実が重要なのである。

凱旋門近くに建設中のショッピングセンター【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】

(文/森卓 撮影/『テイスト・オブ・ラオス』)

筆者紹介:森卓(もり・たく)
1977年大阪生まれ、富山育ち。元調理師。約8カ月のバックパッカー旅行の後、2002年よりラオス在住。旅行会社勤務を経て、日本語フリーペーパー『テイスト・オブ・ラオス』発行。ラオス情報ポータルサイトLAOSTA(http://laosta.asia/news/)運営、TVや雑誌などメディアコーディネートのかたわら、現在、日ラオス外交関係樹立60周年記念映画を制作中。5月23日・24日は代々木公園のラオスフェスティバル会場にいるのでお越しください。

 


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