今期の会社予想は、まるで「アベノミクス相場」の終わりを強く示唆しているかのように弱気な予想が並ぶ結果となった。これに個人投資家はどう対応すべきか。オモテの評価や銘柄の選び方に加え、一歩踏み込んだ“ウラの評価と銘柄の選び方”も含めて解説しよう。

【オモテの評価1】
先行き不透明で企業は慎重姿勢。今期の会社予想は減収減益に!
売上高、営業利益、経常利益が前期比でマイナス。日本企業全体で見た今期(2017年3月期)の会社予想は「減収減益」となった。当期利益(純利益)だけはプラスだが、これは前期(2016年3月期)が大幅なマイナスだった反動だ。集計方法などで数字に違いもあるが、決して明るい見通しではないのは共通だ。
一方で、「会社予想が悲観的すぎる」という意見もある。今後の景気動向については、“フタを開けてみたら実はそれほど悪くなかった”という結果もありうる。
投資では、慎重な見方のほうが無難だが、悲観的すぎる予想の中にチャンスがあるのも事実なのだ。

★ウラの評価★
⇒先行き不透明も慎重すぎる会社予想の株にチャンスあり!
【オモテの評価2】
減益とはいえ水準はそう低くない。予想PER14倍の日本株は割安
株価が割高か、割安かを判断する代表的な指標がPER(株価収益率)。日経平均の予想PERは、6月初旬時点で約14倍。日本株の場合、適正水準は15倍と言われるから、これからすれば14倍は割安となる。
しかし、今期はこれを鵜のみにできない。予想PERは「時価総額÷予想当期利益」(=株価÷1株当たり予想当期利益)で計算される。先述の通り今期の当期利益は増益予想だが、先行きが不透明で、“予想”はあてにしにくい。

こういうときには、「時価総額÷純資産」(=株価÷1株当たり純資産)のPBRを使うほうが安全だ。というのも純資産は“実績”で、ブレがないからだ。特に大幅な下落時の下値メドを見るときには有効だ。
★ウラの評価★
⇒あてにできない“予想”利益より実績の数字で見るPBRが安全!
【オモテの評価3】
円高の進行が強い逆風に外需株は下方修正もありうる!
企業業績と株価の行方は、為替次第というのが現状だ。想定以上の円高なら、外需株は下方修正となる。自動車メーカーで見ると、会社予想の前提は1ドル=105〜110円。だが、年内に100円前後まで円高が進むという予想も少なくない。
もっとも、為替の専門家でも意見は分かれており、120円程度の円安予想もある。その場合には、外需株は大幅な上方修正となるはずだ。
なお、医薬品、食品、素材などの内需株は、逆に円安だと減益要因になるが、これらの企業は1ドル=110〜120円とかなり”円高水準”の堅めの予想だ。

★ウラの評価★
⇒円高か円安かを読むのは難しく円安になれば外需株は買いに!
【オモテの評価4】
増配や自社株買いが大流行で株主還元がいっそう顕著に!
今回の決算では、増配や自社株買いの発表が相次いだ。背景には、株主還元への圧力が強まっていることや、ROE(株主資本利益率)が注目されていることがある。特に日本には、必要以上にお金を貯め込んでいる「キャッシュリッチ」の企業も多い。株主還元策の強化は望ましい動きだ。
ただし、中には業績が悪化しているのに、流行には逆らえないとばかりに無理な増配や自社株買いを行なっているケースも見受けられる。そうした目先優先では、企業の競争力が低下し、最後は株価下落という結果になりかねない。

★ウラの評価★
⇒業績悪化で余裕がないのに無理をしているケースには注意!
以上、2017年3月期の会社予想を見るうえで注意すべき「ウラの評価」を紹介したが、こうした少し視点を変えた見方も株式投資には重要だということを覚えておいてほしい。



