IPO株の攻略&裏ワザ情報!
2016年6月27日公開(2017年12月5日更新)
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ザイ・オンライン編集部

イギリスのEU離脱が「LINE」のIPOの不安材料に?
株価が暴落した市況における「LINE」の初値予想や
「LINE」の上場が延期される可能性をプロが分析![2016年7月15日更新]

(2016年7月15日追記) [NEW!]
LINEが上場し、初値は4900円、初値騰落率は+48.48%となった。上場直後に株価はさらに上昇し、一時5000円に。しかしその後は反転し、最終的に4345円で初日の相場を終えた。

■価格情報 ※2016年7月4日、仮条件を変更
想定発行価格(※1) 2800円
仮条件 2700~3200円 2900~3300円
公募価格 3300円
初値 4900円
初値騰落率 +48.48%
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。

(2016年7月6日追記)
LINEの仮条件が、2900~3300円へと変更になった。仮条件を変更前の2700~3200円から、下限、上限ともに100~200円引き上げた理由は、LINEのニュースリリースによると「ブックビルディング開始以降の需要動向及び株式市場の動向等を総合的に勘案」した結果とのこと。つまり、「イギリスのEU離脱決定による株式市場の悪化が当初想定していたよりも限定的だったため、多少値上げしても需要が見込めると判断した」ということだろう。>

 すでに、変更前の仮条件上限の3200円でブックビルディングに申し込んだ人は注意が必要だ。公開価格が変更後の仮条件上限である3300円に決まった場合、3200円で申し込んだ人は抽選対象外となってしまう場合があるからだ。ブックビルディング期間内であれば申込価格を変更することが可能なので、仮条件の上限で申し込みたいと考えている人は忘れずに修正手続きをしておこう

 

イギリスのEU脱退決定により、日本市場が大暴落。
IPO投資の環境にも大きな影響が!

 イギリスで行われた国民投票の結果、2016年6月24日(金)、イギリスがEUから脱退することが決定した。それにともない、日経平均株価は大暴落し、前日比1286.33円安の1万4952.02円と、年初来安値を更新。為替についても大きく円高に振れ、米ドル/円相場は一時98円台にまで突入した。

日経平均株価チャート(15分足・10日) 出典:SBI証券公式サイト ※画像クリックすると最新のチャートへ。

 このように、今回の「ブリグジット・ショック(Brexit:Britainとexitを組み合わせた造語)」による株式市場への影響は非常に大きく、多くの個人投資家が投資戦略の見直しを迫られていることだろう。

 そんな中で気になるのは、今年最大規模の新規公開株として注目を浴びている「LINE」のIPO(新規上場)だ。日経平均の先行きがこれまで以上に不安となった日本市場で、LINEの初値はどうなるのか。そもそも、LINEのIPOは実施されるのだろうか

 そこで、投資サービス会社・フィスコで長年アナリストとして活躍している小林大純さんを直撃取材し、イギリスのEU脱退がLINEのIPOに与える影響について話を聞いた。

【LINEのIPOの関連記事はこちら!】
■「LINE」のIPO(新規公開)の初値予想はいくら? IPO分析のプロが公開規模、業績、成長性など、日米同時上場する「LINE」は買いかどうかを徹底分析

■「LINE」のIPO(新規上場)情報総まとめ! スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のコミュニケーション、コンテンツ、広告サービス企業との比較や予想まで解説!

昨夏の「チャイナショック」のときはIPOの初値が伸び悩み
平均初値騰落率は年平均の半分以下に!

 まず気になるのは、イギリスのEU離脱は今後日本市場にどのような影響をあたえるのか、という点だ。

 「日経平均株価は1日で1200円以上も暴落しましたが、目先は欧米市場の反応や主要国の政策対応次第でリバウンドをする可能性もあります。ただ、イギリスのEU離脱にともなう経済的な影響に加え、他のEU諸国への離脱ムードの波及などが懸念されるため、しばらくの間、世界中の市場で不安定な状況が続くと思います」

そういった市場環境は、IPO投資にとってもマイナス要因となる。

 「今回の暴落により、投資家の余裕資金は大きく減少していると思われます。さらに、ボラティリティが高まる、つまり相場の変動が大きくなると投資家心理が萎縮してしまい、IPO株に対する買い意欲が減退してしまいます。実際、2015年8月から9月にかけて起きた『チャイナショック』のときも、初値が振るわない銘柄が多数ありました」

 2015年8月18日の急落から翌9月29日にボトムをつけるまでの「チャイナショック」の間に、新規上場したIPO銘柄と初値騰落率をまとめたのが下の表だ。

 

■2015年8月のチャイナショック時に新規上場したIPO銘柄と初値騰落率
上場日 銘柄名(コード) 初値騰落率
8/26  土木管理総合試験所(6171) −2.4%
8/28  ラクト・ジャパン(3139) 0.0%
8/28  メタップス(6172) −7.9%
8/31  アクアライン(6173) 21.7%
9/2  ベステラ(1433) 25.0%
9/2  STUDIOUS(3415) 19.9%
9/8  JESCOホールディングス(1434) 5.4%
9/14  ピクスタ(3416) 34.8%
9/15  アイビーシー(3920) 251.0%
9/17  ブランジスタ(6176) 43.8%
 平均騰落率 39.1%
 ※2015年8月18日〜9月29日の期間で集計

 2015年に新規上場した92銘柄の初値騰落率の平均が+87.5%だったのに対し、チャイナショック時の初値騰落率の平均は、半分以下の+39.1%しかない。相場急落時に上場したIPO銘柄の初値は非常に伸びにくいことがわかるだろう。

特にLINEは、他のIPO銘柄と比較しても株式市場の状況に影響されやすい、と小林さんは言う。

 「IPO銘柄は、公開規模が大きいほど市況の影響を受けやすいと言えます。LINEは、公開規模が国内外合わせて1000億円超の大型案件ですので、投資家の手控えムードが強まれば十分な資金が集まらない可能性があります。さらに、LINEは直近の業績が赤字なので、投資家がリスク回避的な姿勢を強めるほど逆風になるでしょう」

 また、IPO株の初値予測をする際に類似企業との比較が目安のひとつとなるが、今回の株価暴落により類似企業の企業価値(時価総額)が下落してしまったことも、LINEに対する市場の評価にマイナスの影響を与える、と言う。

 これらの要因は、LINEの初値形成だけでなく、上場後のセカンダリーの値動きにとってもネガティブ要因だ。

 ここまで市場環境が悪化してしまうと、LINEの上場自体が延期になる可能性も考えられる、と小林さんは言う。

 「6月24日の報道によると、LINEの広報担当者が『日米同時上場の日程に変更はない』とコメントがしたそうですが、それはあくまでも現時点の話でしょう。今後、資金調達に重大な懸念が生じるほど市場が混乱することがあれば、上場延期の可能性も出てくると思います

 LINEの新規上場のスケジュールは新規上場のスケジュール次の通り。

 

■LINEのIPOスケジュール ※2016年6月27日に仮条件提示、およびブックビルディング開始日を変更
仮条件提示 6月27日 6月28日
ブックビルディング(抽選申込)期間 6月28日~7月8日 6月29日~7月8日
公開価格決定 7月11日
購入申込期間 7月12日~7月13日
払込日 7月14日
上場日 7月15日

 LINEは今年最大規模の注目IPO銘柄なので、ぜひ購入したいと考えている個人投資家も多いと思うが、実際に申し込むかどうか、より慎重に判断する必要がありそうだ。LINEのIPOの結果は、日本市場の動向に大きく左右されるので、今後の日経平均株価の値動きや各国政府の政策対応から目を離さないようにしよう。

 また、今後決まってくる「仮条件」と「公開価格」の推移も要チェックだ。現在の「想定発行価格」は2800円。仮条件と公開価格が2800円より上振れすればLINEのIPO株に対する需要は堅調というサイン。しかし、もし2800円から下振れした場合、需要が今ひとつ振るわなかったサインなので警戒が必要となる。
(関連記事⇒IPO株の初値を予想するのは意外と簡単だった!?公開規模や予想PER、仮条件などの公開情報を元にプロが実際にやっている初値予想の出し方を公開!

 実際、2016年6月27日の仮条件の決定日当日になって、仮条件の決定が6月28日に、ブックビルディングの開始日が6月29日に、それぞれ1日延期されることが発表された。LINEの公式サイトによると、スケジュール変更の理由は「足元の市場環境等の諸般の事情を総合的に勘案した上で」とのこと。おそらく日経平均株価の急落などを受けて、当初想定していた仮条件が変更されるのだろう。どのような仮条件が発表されるのか、注目したい。

【2016年6月28日追記】
LINEの仮条件が2700~3200円に決まった。想定発行価格と比較するとやや上振れした数字となったことで、ひとまずは安心材料と言える。

【2016年7月6日追記】
 仮条件は2900~3300円に変更

 

■仮条件が決定! ※2016年7月4日、仮条件を変更
想定発行価格(※1) 2800円
仮条件 2700~3200円
2900~3300円
公募価格 (7月11日に決定)
※1 有価証券届出書提出時

LINEのIPO申し込みはこちら取り扱い証券会社から。
余裕を持って申し込もう

 LINEのIPO株を取り扱っている証券会社をまとめてみた。

 

■取り扱い証券会社(2016年6月29日時点・海外公募分を除く)
証券会社名(※青文字はクリックで詳細ページへ) 引き受けシェア 口座開設
野村證券(主幹事証券) 66.5%  
大和証券 2.6%
公式サイトはこちら!
SMBC日興証券[最短5日で口座開設可能] 2.6%
公式サイトはこちら!
SBI証券[最短2日で口座開設可能] 1.5%
公式サイトはこちら!
東海東京証券[最短5日で口座開設可能] 1.5%
公式サイトはこちら!
マネックス証券 1.5%
公式サイトはこちら!
カブドットコム証券[最短翌日に口座開設可能] ―%(※)
公式サイトはこちら!
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 13.9%  
みずほ証券 5.3%  
ゴールドマン・サックス証券 2.3%  
JPモルガン証券 2.3%  
※ 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の引き受け分の一部を委託。

 LINEのIPO株のために新しく証券会社の口座開設をするのであれば、ブックビルディング期間の最終日の前日、7月7日(木)までに取引できる状態にしておきたい。口座開設手続きが完了しても、郵送されるログインパスワードなどが手元に届かないと取引ができない証券会社もあるので、口座開設申し込みはなるべく余裕を持って行おう。

 時間的な余裕がない人は、カブドットコム証券SBI証券のような、申し込みから口座開設までの必要日数が少ない証券会社を選ぶといいだろう。

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■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
27社
38社
18社
30社
28社
44社
10%以上:1人1票の平等抽選 532万
【ポイント】
取り扱い数はSMBC日興証券やSBI証券より少ないものの、主幹事数は毎年トップ! 国内最大手の証券会社だけあって、「日本郵政グループ3社」や「JR九州」のような、大規模IPO案件で主幹事を務めることも多い。毎回、引受株数の10%以上が完全抽選制のオンライン口座に配分される。また、購入資金は当選後の購入申し込みまでに入金すればOKなので、口座の資金を気にせず気軽に申し込めるのは、限られた資金で運用する個人投資家にとって大きなメリット。本気でIPO投資を考えるなら、絶対に口座を開いておきたい証券会社だ。

※残あり口座数
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◆大和証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
18社
41社
15社
34社
14社
39社
15%:1人1票の平等抽選
5%:「チャンス当選」
299万
【ポイント】
ここ数年、主幹事数が増加。2017年は18社ものIPO銘柄で主幹事を務め、取扱銘柄数も41社と多い。ちなみに2017年、初値騰落率2位の「ウォンテッドリー(初値騰落率:+401%)」や5位の「ユーザーローカル(初値騰落率:325%)」の主幹事も務めた。ネット投資家を対象とした取引量・資金量が関係しない平等抽選が、原則15%と高めに設定されているのもメリット。申し込みは1銘柄につき1単元のみなので、当選確率が資金量に左右されない。平等抽選の後、落選者を対象に、5%を「プレミアムステージ」や過去の取引実績に応じて当選確率が変わる「チャンス抽選」で販売。

※残あり口座数
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◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
13社
71社
13社
64社
24社
72社
10%:1人1票の平等抽選 285万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、2017年は全90社中、実に71社のIPO銘柄を取り扱った。主幹事数は、2016年と2017年は13社に甘んじたものの、2015年は24社もの主幹事実績を持つ。日本3大証券会社のひとつだけあり、「日本郵政グループ3社」や「JR九州」などの超大型IPOでも、主幹事証券の1社として名を連ねた。1人1単元しか申し込めないので、資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
8社
83社
13社
75社
8社
78社
70%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジ
ポイント」順に配分
426万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2017年は全90社中83社、実に92%以上のIPO銘柄を扱った。SBI証券の口座さえ持っていれば、大半のIPO銘柄に申し込めるのだ。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。
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◆東海東京証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
3社
11社
5社
15社
5社
27社
10%:1単元1票の平等抽選 35万
【ポイント】
準大手証券会社の東海東京証券は、大手証券会社には届かないものの多くのIPO銘柄を扱っており、主幹事も毎年数社で務めている。東海東京証券への割当が2000単元未満の場合は、取引実績に応じて当選確率がアップする「IPO個人優遇ステージ」を適用した抽選となるが、その場合でも、取引実績が最低ランクの投資家に10%が配分され、その中で平等抽選が行われる。
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東海東京証券の公式サイトはこちら
◆カブドットコム証券【三菱UFJモルガン・スタンレー証券のグループ会社】
グループ会社の主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
4社※1
27社
2社※1
19社
7社※1
18社
一定割合:1人1票の平等抽選 109万
【ポイント】
日本3大証券会社のひとつである「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」は毎年数件のIPO銘柄で主幹事を受け持っているが、売買手数料が高めなのがネック。しかし、同じグループ会社のネット証券「カブドットコム証券」なら、「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」が引き受けるIPO銘柄に申し込み可能(一部銘柄を除く)なうえ、売買手数料が安めなので使い勝手が良い。ちなみに複数単元を申し込んでも当選確率は変わらないので、資金量が少ない人でも不利にならない。IPO投資に特化したスマホ用アプリ「IPOLab」も便利。

※1「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」のIPO主幹事数。
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カブドットコム証券の公式サイトはこちら
◆岡三オンライン証券【岡三証券のグループ会社】
グループ会社の主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2017 2016 2015
4社※2
23社
0社※2
6社
6社※2
10社
10%以上:1人1票の平等抽選
90%以下:取引実績による優遇抽選
17万
【ポイント】
「岡三証券」と同じグループに属するネット証券。2017年秋から「岡三証券」が引受シ団に入ったIPO銘柄はすべて「岡三オンライン証券」で取り扱うことに。「岡三証券」がIPOの取扱拡大に乗り出したこともあり、取扱銘柄数が急増。2018年は、3月末までの時点ですでに17社も取り扱っている。また、割当の100%をネット投資家に配分するのも魅力。取引実績が多いほど優遇されるステージ制が導入されているが、全体の10%以上は取引実績によらず全員を対象とした抽選で割り振られる。買付資金は当選後に入金すればOKなので、資金余力を気にせず申し込めるのも大きなメリットだ。

※1「岡三証券」のIPO主幹事数。
【関連記事】
◆「岡三オンライン証券」の「IPO(新規公開株)」取扱数が急増中で、IPO投資に必須のネット証券へ! 岡三証券との連携強化で、全IPOの7割が申込可能に!?
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2018年3月末時点。
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