スマホ対応が遅れ
月並みな有料機能

 ニコ生衰退の理由の一つとして、三上氏は、スマホ対応に乗り遅れたことを挙げる。

「13年~14年ころ、スマホユーザーが大幅に増える中、ニコ生はずっとパソコンユーザー向けがメインで、スマホアプリは使い勝手がいいものではありませんでした。その時期からスマホの通信速度制限が始まりましたが、たとえばツイキャスは、スマホでも動画がスムーズに見られる『規制回線モード』機能を導入し、多くのユーザーを取り込んでいったのです」(三上氏、以下同)

 その後、ニコ生もスマホ向けアプリの質の向上に取り組んでいるが、他社の勢いに対抗するには遅すぎた。

 また、月額500円を支払わなければならない有料会員の制度についても、物議をかもしているという。これに登録することで得られるユーザーのメリットは、ざっと次の通り。

・投稿できる動画の容量が増える
・生主になれる
・若干高画質になる
・(無料会員だと視聴者が多い時ははじき出されるが)はじき出されなくなる
・(無料会員だと動画を最初からしか再生できないが)途中からでも再生できるようになる

「これらの機能の多くは、すでに他社のライブ配信サービスなら無料でできるものばかりです。無料会員からすれば、普通に生放送を見ているだけなのに、混雑時に追い出されたり、画質の悪さや読み込み速度が遅いことにあきれ、多くのユーザーが離れていってしまいました」

 さらに、ニコ生を利用するにあたっては、ユーザー登録と、いちいちログインが必要なことも集客の障壁になっていたようだ。他社サービスでは不要なこの一手間が、ユーザーの大きな心理的負担になっていた可能性がある。