世界の目を意識した途端に
礼儀正しくなる日本人の習性

 さて、ここまでの「対策」にはそれなりに賛成をしていただけると思うが、最後の「外国人観光客の誘致」ということには首を傾げる方も多いだろう。

 今回の若者たちがネット上で「日本人の面汚し」などと辛辣な批判が寄せられているように、あんなひどい状態の渋谷に外国人を呼んだら世界に恥を晒すようなものである。ただ、それは裏を返せば、「世界に恥を晒す」という恐怖が、日本人の襟を正すための「抑止力」になるということだ。

 ご存じのように、我々は「日本人の秩序ある行動に世界が賞賛!」「日本人のマナーに世界が感動!」みたいに、外国人から褒められるのが三度のメシより好きな国民だ。

 それにはちゃんと理由がある。国際比較調査グループISSPが2013年に実施した「国への帰属意識」の調査で、日本は「他のどんな国の国民であるより、この国の国民でいたい」「他の多くの国々よりこの国は良い国だ」と回答した人が9割近くもいて、31の国・地域の中でダントツに多かった。

 よく日本人は自信がないとか控え目だというが、それは「個人」の話であって、「日本人」という集団の話になった途端、「我らは世界一」と胸を張り「一流の人」として堂々とした立ち振る舞いができる、ということである。

 だから、国内の花見や花火大会では、そこら中にゲロをし、ゴミもそのまま置きっ放しなのに、「日の丸」を背負って、サッカーワールドカップの観客席に座った途端、誰に言われるでもなくゴミを綺麗に拾ったりという「変わり身」ができる。

 つまり、この「褒められると別人のようにガラッと“いい子”になる」という日本人の「強み」を、渋谷の若者たちの「更生」に活用するのだ。

 例えば、来年のハロウィンでは、外国人観光客を対象にしたイベントを開催。そこでは「シブヤハロウィン」というのは、「世界一行儀良くて、治安のいい日本を代表する仮装イベント」だと訴求をするのだ。

 世界中から観光客が訪れれば、渋谷の若者たちは否応なしに「日の丸」を背負う。これまでゴミやタバコをポイ捨てしていた若者も、サムライブルーに身を包むと「清く正しい日本人」に生まれ変われるように、外国人観光客の前で、「世界一行儀のいいパーリーピーポー」となってくれるに違いない。

 忘れている方も多いかもしれないが、2012年、中国全土で吹き荒れた反日デモの際、暴徒化した中国の人たちが、日本車をひっくり返したことがある。あの映像がワイドショーやらでガンガン流されると、良識のある日本人は口々に「やっぱり、あの国は民度がねえ」と呆れ返った。

 もちろん、車をひっくり返さないし、暴徒にならない中国の方もたくさんいたが、日本人の多くは「あれが中国人の姿だ」と思い込んだ。

 そういう意味では、「渋谷の若者は日本人の面汚し」「あそこにいるのは日本人じゃない」といくら叫んでも、ああいう騒ぎが続けば同様の誤解が生まれかねない。

「最近の若者は」で片付けるのではなく、「あれが日本人の姿だ」と真摯に受け止め、根本的な解決策を進めていくべきではないだろうか。