ただでさえ長寿化が進行し、自らの「寿命」が遠のいていっている時代である。このまま医療分野が発展していけば、日常で「死」を意識する機会はますます減っていくだろう。そうしたなかで「死の本質」を哲学的に語った本書が人気を博していることは注目に値する。宗教的な教えに頼らず、あくまで論理的思考を用いて「死」を捉えていこうとするとき、そこに何が立ち現れてくるのか。

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