「人は戦争を裁けるのか」という根源的な問いに、戦後80年経った今も人類は答えを出せずにいます。日本の戦争指導者が裁かれた「東京裁判」で、ただ一人「被告全員は無罪である」と主張したインドのパル判事。その衝撃的な“ちゃぶ台返し”は、法の正義そのものを問う鋭い問題提起だったのです。そして、この80年前の問いは、プーチン大統領やネタニヤフ首相に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)が抱える課題にも直結しています。なぜパル判事の“警告”は、今なお現代に突き刺さります。(ノンフィクション作家/元NHKチーフ・プロデューサー 高木徹)

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