旭川志峯に勝利し、応援席にあいさつする広陵ナインら=7日、甲子園第107回全国高校野球選手権大会の1回戦で旭川志峯に勝利し、応援席にあいさつする広陵ナイン Photo:JIJI

大阪桐蔭、横浜、健大高崎、PL
甲子園常連校で暴力が絶えない必然

 甲子園で球児たちが熱闘を繰り広げているなかで、主催の公益財団法人日本高等野球連盟(以下、高野連)と朝日新聞社まで「熱い戦い」に突入した。

 野球部寮での「暴力・いじめ行為」がSNS上で告発されて、2回戦を辞退した広陵高校をめぐる対応で「そもそもなんで出場を認めたの?」「告発がなければクサイものにフタだったのか?」などと批判が寄せられて釈明に追われている。

 特に厳しい目を向けられているのが、朝日新聞だ。

「甲子園プロモーター」という顔以外にも「報道機関」でもある同紙。全国の学校でのいじめの認知件数が過去最多の約68万2千件(2022年度)になったことを受けて昨年、「見落とされるいじめ」という連載をするなど、常日頃から「子どもたちの発するSOSを無視してはいけない」と社会に説いてまわっていた立場だ。

 にもかかわらず、3月時点で高野連に報告され、7月には被害者家族が警察に被害届を出した「暴力事案」をスルー。さらに、これとは別に元部員から2年前に監督、コーチなども関わる暴力を受けたという被害申告があり、今年6月には第三者委員会を設置して調査を進めていたが、そちらも問題視していない。

 こんな調子で“子どもからのSOS”をガッツリと無視する朝日新聞に「もう甲子園の主催はやめた方がいい」という声まで上がっているのだ。

 ご存じのように、甲子園は朝日新聞社にとって購読者数拡大、広告収入アップが見込める「ドル箱イベント」。そちらで得られる「稼ぎ」を優先するあまり「いじめ・暴力被害を訴える人々の声」を黙殺したのではないか、と一部メディアやジャーナリストから批判されているのだ。