Aave(アーベ)は、イーサリアムチェーンなどの複数のブロックチェーン上で稼働している、DeFi(分散型金融)のレンディングプラットフォームだ。
数あるレンディングプラットフォームの中でもトップクラスの人気を誇っている。今回は、Aaveの基本的な特徴や使い方、利用する際の注意点などを紹介していこう。
- Aaveは、第三者の仲介なしで仮想通貨の貸し借りができるレンディングプラットフォーム
- イーサリアムやPolygonなどの、複数のブロックチェーン上で稼働している
- 貸し手側は、流動性プールに仮想通貨を預け入れることで利息を得られる
- 借り手側は、自身の仮想通貨を担保にすることで他の仮想通貨を借りられる
- 信用委任システムやフラッシュローンといった、ユニークなサービスもある
本記事で紹介するAaveは、先週比で約50%もの上昇を見せている注目の通貨だ。
Aaveは様々なブロックチェーン上で稼働しているが、イーサリアムチェーン上のAaveを利用するときは、ガス代(ネットワーク手数料)の支払いやAaveを利用のために仮想通貨(暗号資産)のイーサリアムが必要だ。
イーサリアムを用意するなら、アプリの操作性が高いコインチェックがおすすめだ。
Aaveの利用を検討している人はコインチェックのこともあわせてチェックしてほしい。
Aave(アーベ)とは?
名称 | Aave(アーベ) |
サービスの概要 | DeFiレンディングプラットフォーム |
ガバナンストークン | AAVEトークン(AAVE) |
AAVEの価格* | ¥59,219.49 |
AAVEの時価総額* | ¥892,692,685,768.77 |
時価総額ランキング* | 28位 |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム Polygon Avalanche 他 |
取り扱う仮想通貨 | イーサリアム DAI AVAXトークン 他 |
利用できる仮想通貨ウォレット | MetaMask WalletConnect Coinbase Wallet |
Aave(アーベ)は、取引所などの第三者の仲介を必要とせず、ユーザー同士で仮想通貨の貸し借りができる、DeFi(分散型金融)のレンディングプラットフォームだ。
また、Aaveは一般的なレンディングプラットフォームとは異なり、「信用委任システム」や「フラッシュローン」といったユニークなサービスがあることでも人気を集めている(これら2つのサービスについては、のちほど詳しく解説する)。
Aaveは2018年にローンチされており、ガバナンストークンのAAVEは時価総額ランキング28位につける人気の通貨だ。
最新バージョンのAave V3は、Aave V2よりも利用できるブロックチェーンが増えていたり、ガス代が最適化されていたりと、いくつかのアップデートが施されている。
Aave(アーベ)の特徴
DeFiのレンディングプラットフォームであるAaveには、主に次のような特徴がある。
- ユーザー同士で仮想通貨の貸し借りができる
- ガバナンストークンでステーキングができる
- 信用委任システムとフラッシュローンを導入している
ユーザー同士で仮想通貨の貸し借りができる
従来型の融資サービスとは異なり、Aaveでは銀行などの金融機関の手を借りず、ユーザー同士で仮想通貨の貸し借りをおこなうことができる。
具体的には、ユーザーが持ち寄った仮想通貨がAaveの中の流動性プールに集められる仕組みが採用されている。貸し手は利息を得ることができ、借り手は保有している仮想通貨を担保にして、流動性プールの中から仮想通貨を借り受けできる。
貸し手は利息収益を得ることが可能で、一方の借り手は固定金利と変動金利のどちらかを選択して、借り受け中は必要に応じた利息を支払う必要がある。
ガバナンストークンでステーキングができる
Aaveはガバナンストークンの「AAVEトークン(AAVE)」を発行しており、保有者はAAVEトークンを用いることで、コミュニティにおいてAaveの運営に関わる投票に参加することができる。
また、AaveにはAAVEトークンを用いて、ブロックチェーンの安定稼働に貢献した対価として報酬を受け取る「ステーキング」の仕組みも用意されていて、AaveにAAVEトークン、もしくはABPトークン(Aave Balancer Poolトークン、ABPT)をステーキングすることで報酬を得られる。
なお、ステーキングに対応しているABPトークンは、「Balancer」というDEX(分散型取引所)の流動性プールに、AAVEトークンとイーサリアムを預け入れることで獲得できる。
信用委任システムとフラッシュローンを導入している
Aaveには「信用委任システム」と「フラッシュローン」という、他のレンディングプラットフォームではあまり見られないユニークなサービスが導入されている。
まず「信用委任システム」とは、Aaveに仮想通貨を預け入れているユーザーが、自身の与信枠(仮想通貨を担保にして、他の仮想通貨を借り受けるための信用枠)を第三者に委任できる仕組みのことだ。
与信枠の委任を受けたユーザーは、担保として仮想通貨を預け入れることなく、Aaveから仮想通貨を借り受けることができる。
一方、与信枠を委任したユーザーは、通常の利息に加え、委任先のユーザーからも利息を得られる。
もう1つの「フラッシュローン」とは、1つのトランザクション(処理)で借り入れと返済を瞬時におこなうことにより、無担保・無制限・低コストで仮想通貨を借り受けられる仕組みのことだ。
短期的に貸し借りには、一見して必要性やメリットを感じられないが、フラッシュローンは主に、アービトラージ(同一銘柄で取引所ごとに異なる価格の差を利用して利益を得る取引手法)をおこなうトレーダーらに人気がある。
ただし、信用委任システムとフラッシュローンはどちらもプログラミングの知識が必須なので、多くの一般的なユーザーにとっては、あまり縁がないサービスになるだろう。
Aave(アーベ)の使い方
ここからは、Aaveの基本的な使い方を紹介していこう。
前述のとおり、現在、Aaveには「Aave V2」と「Aave V3」の2つのバージョンがあり、それぞれ複数のブロックチェーン上で稼働しているが、今回はイーサリアムチェーン上で稼働している「Aave V2」を例に使い方を紹介していく。
なお、詳しくは後述するが、Aaveを含むDeFiプロトコル全般は、現時点で日本国内では認可されていないサービスだ。消費者保護の仕組みなどがなく、利用にはリスクが伴うという点は、あらかじめ認識しておく必要がある。
- 仮想通貨取引所でイーサリアムを調達する
- 仮想通貨ウォレットを用意する
- Aaveとウォレットを接続する
- イーサリアムなどの仮想通貨を流動性プールに預け入れる
- 預け入れた仮想通貨を担保にして別の仮想通貨を借りる
仮想通貨取引所でイーサリアムを調達する
イーサリアムチェーンを基盤にしているAaveを利用する際は、ガス代(ネットワーク手数料)の支払い手段の仮想通貨のイーサリアムが必要となる。
また、ガス代だけではく、イーサリアムはAaveに預け入れることで利息を得たり、イーサリアムを担保に別の仮想通貨を借り受けられたりと、Aaveのサービスを利用するための元手としても利用できる。
そこで、まずは国内の仮想通貨取引所でイーサリアムを調達(購入)しよう。
イーサリアムはメジャーな仮想通貨なので、国内のほとんどの仮想通貨取引所で取り扱っているが、その中でもコインチェックは仮想通貨の出金に手数料がかからないので、イーサリアムの調達先として非常におすすめだ。
まだ口座を持っていない方は、ぜひこの機会にコインチェックの利用を検討してみてほしい。
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 31種類 BTC、XRP、ETH、BCH、XEM、 LSK、LTC、ETC、XLM、MONA、 QTUM、BAT、IOST、ENJ SAND、DOT、PLT、FNCT、CHZ、 LINK、DAI、IMX、APE、MATIC、MKR、 AXS、WBTC、AVAX、SHIB、BRIL、BC |
最小取引数量 (ビットコインの場合) |
現物取引(販売所):500円相当額 現物取引(取引所):0.005 BTC以上、かつ500円(相当額)以上 |
取引手数料 (ビットコインの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):無料 |
仮想通貨の送金手数料 (ビットコインの場合) |
0.0005~0.016 BTC |
その他のサービス | Coincheckつみたて Coincheck IEO Coincheck NFT Coincheckでんき Coincheckガス Coincheckアンケート 貸暗号資産サービス ステーキングサービス(β版) |
公式サイト | Coincheck公式サイト |
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仮想通貨ウォレットを用意する
Aaveに限らず、DeFiのプロトコルは仮想通貨ウォレット(以下、ウォレット)に接続することで利用できるようになる。
そのため、以下のAaveに対応しているウォレットの中から、どれか1つを用意しよう。
- ブラウザウォレット(MetaMaskなど)
- WalletConnect
- Coinbase Wallet
- Torus
- Frame
どれを使っても問題ないが、もしAave以外のDeFiプロトコルやDAppsも利用する可能性があるのなら、多くに対応している汎用性の高いMetaMaskがおすすめだ。
MetaMaskは、Google ChromeなどのWebブラウザ上で拡張機能として使える無料のウォレットだ。
MetaMaskの入手方法や接続方法などの使い方は、以下の記事で詳しく紹介している。MetaMaskをまだ持っていない方は、ぜひ参考にしてほしい。
ウォレットが用意できたら、用意したウォレットのアドレス宛てに、仮想通貨取引所で購入したイーサリアムなどの仮想通貨を送金しておこう。
Aaveとウォレットを接続する
イーサリアムなどの仮想通貨とウォレットが用意できたら、次にAaveと接続しよう。
Aaveのサイトにアクセスして、今回は接続するマーケットを「Version2」の「Ethereum(イーサリアム)」に設定して、画面中央の「Connect wallet」をクリックする。
すると、次の画像のようにウォレットの選択画面が表示されるので、MetaMaskなら「Browser wallet」をクリックする。
MetaMaskが起動して接続の承認を求められるので、それに応じればAaveとウォレットの接続は完了だ。
イーサリアムなどの仮想通貨を流動性プールに預け入れる
画像のとおり、Aaveの画面構成は左側が預け入れることのできる仮想通貨の一覧(Assets to supply)、右側が借り受けることができる仮想通貨の一覧(Assets to borrow)となっている。
イーサリアムを預け入れる場合は、左側の一覧にあるイーサリアムの「Supply」ボタンをクリックしよう。
そうすると、預け入れをおこなうための操作画面が立ち上がるので、そこで預け入れる数量を指定すればイーサリアムの預け入れが完了する。
預け入れた仮想通貨を担保にして別の仮想通貨を借りる
流動性プールにイーサリアムなどの仮想通貨を預け入れたら、その預け入れた仮想通貨を担保にして、別の仮想通貨を借り入れることもできる。
仮想通貨を借り入れる際は、画面右側「Assets to borrow」の一覧から借りたい仮想通貨を選んで「Borrow」をクリックしよう。
そうすると、預け入れるときと同じように操作画面が立ち上がるので、借り入れる数量と金利(変動金利か固定金利か)を設定すれば仮想通貨を借り入れることができる。
以上、Aaveの基本的な使い方を紹介した。
Aaveを使う際は、最初に仮想通貨の用意やウォレットの導入といった下準備が必要になるが、そういった準備さえ済んでしまえば、あとはウォレットを繋ぐだけで使うことができて、仕組みもシンプルなのでわかりやすい。
興味のある方は、ぜひAaveをダウンロードして実際に触れてみてはほしい。
なお、繰り返しになるが、Aaveの利用にはイーサリアムなどの仮想通貨が必要だ。その仮想通貨を用意(購入)するときは、仮想通貨の出金に手数料がかからない、コインチェックが特におすすめだ。
Aaveに興味がある方は、この機会にコインチェックのこともあわせてチェックしておくとよいだろう。
仮想通貨AAVEの価格動向
次に、Aaveのガバナンストークンである「AAVEトークン(AAVE)」の、これまでの値動きの推移を確認しておこう。
以下のチャートは、2020年から2024年12月現在までのAAVE/USD(米ドル)の値動きを表したものだ。
これを見ると、AAVEトークンは2020年の半ば頃から値動きが活発になり始め、2020年末から2021年初頭にかけて大きく高騰していることがわかる。
この高騰は、2020年の世界的な新型コロナの感染拡大で、各国政府がコロナ禍の経済を支えるため大規模な金融緩和政策を実施した結果、リスク資産へ投資する余剰資金が発生し、それが仮想通貨市場に流れ込んできたことが原因になったと考えられている。
事実、AAVEトークンだけでなく、同時期に多くの仮想通貨が高騰している。
その後、2021年後半には新型コロナの感染が落ち着き各国の経済活動が正常化に向かうなか、人員や資源の供給不足などからインフレが発生し、各国がインフレを抑え込むために利上げを中心にした引き締め的な政策へ転換すると、仮想通貨市場から資金が引き揚げられて市場全体が冷え込んでいくことになる。
こうした中で、AAVEトークンも2021年5月をピークに下落基調へ転じ、2023年末までその流れが続いていた。
2024年からはビットコインのETF承認や仮想通貨に友好的な姿勢を示すドナルド・トランプ氏の大統領選勝利の影響を受けて徐々に上昇中である。
今後も再び仮想通貨市場に資金が流入して、AAVEトークンを含めた仮想通貨の値動きが活発になるか注目したい。
直近の価格動向
次に、2024年11月~12月現在までの直近価格動向を見ていこう。
2024年11月からのAaveは上昇トレンドを形成していることが分かる。
前述した通り、2024年11月には米大統領選の影響で仮想通貨市場全体が上昇した。また、仮想通貨規制に積極的であったSEC委員長の退任が決まるなど、仮想通貨市場にポジティブなニュースが続々と出ている。
Aave単体では大きなニュースこそないが、市場全体の上昇に連動していると言えるだろう。
11月時点では120ドル台で推移していたが、12月時点では387ドルと約3倍もの上昇を見せている。
2024年12月にはトランプ時期大統領を支援するDeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」が、Aaveを大量に購入したと報道されており、価格上昇につながったとの見方もある。
今後の動向から目が離せない。
Aave(アーベ)の注意点
最後に、Aaveを利用するときに注意したいポイントを、3つに絞って紹介しておこう。
- ブロックチェーンごとに取り扱う仮想通貨や利回りが異なる
- 法律に基づいて認可されたサービスではない
- 担保が清算されるリスクがある
ブロックチェーンごとで取り扱う仮想通貨や利回りが異なる
Aaveは、本記事更新時点において、それぞれ次のブロックチェーン上で稼働している。
Aave V2
- イーサリアム
- Polygon
- Avalanche
AaveV3
- Arbitrum
- Avalanche
- Fantom
- Harmony
- Optimism
- Polygon
Aaveはこれらのブロックチェーンごとに、ガス代の支払いに使用できる仮想通貨、貸し借りできる仮想通貨、貸し借りで発生する利息の利率などがそれぞれ異なる。利用にあたっては、まずは最初にどのブロックチェーン上のサービスを利用するのかを、よく検討する必要がある。
法律に基づいて認可されたサービスではない
従来型の融資サービスは、銀行や消費者金融などの事業者登録を受けた金融機関が法に基づいてユーザーにサービスを提供している。
しかし、AaveのようなDeFiのサービスは、今のところ日本の法律では認可されていないサービスだ。消費者保護の仕組みも存在せず、預け入れや借り受けの際の利息の上限にも日本の法律が適用されているわけでなない。
つまり、万が一、利用する中でトラブルが起きたとしても、基本的にはすべて自己責任で対処する必要がある。Aaveの利用には相応のリスクが伴うことをよく理解したうえで、従来型の融資サービス以上に仕組みや内容をしっかりと把握しておく必要があると言える。
担保が清算されるリスクがある
Aaveでは仮想通貨を担保にすることで別の仮想通貨を借り受けることができるが、担保にした仮想通貨の価格が値下がりすることもあるだろう。
担保にした仮想通貨の価格が値下がりして、担保の価値が借り受けた仮想通貨に対して小さくなりすぎると、強制的に担保が清算されてしまうケースも起こり得る。
そのため、Aaveで仮想通貨を借り受けるときは、担保能力ギリギリまで借り受けないようにしたり、価格の変動が相対的に小さいステーブルコインを担保にしたりと、清算されるリスクをなるべく回避できるような工夫をすることも必要になるだろう。
Aave(アーベ)のまとめ
今回は、レンディングプラットフォームの1つとして人気のあるAave(アーベ)を紹介した。
- Aaveは、ユーザー同士で仮想通貨を貸し借りできる、DeFiのレンディングプラットフォーム
- 仮想通貨の貸し手になれば、利息を得ることができる
- ガバナンストークンの「AAVEトークン」を使ってステーキングで稼ぐことも可能
- 信用委任システムやフラッシュローンという、他のプラットフォームにはない珍しいサービスもある
- 日本国内で認可されたサービスではないので、利用を慎重に検討する必要がある
Aaveは、銀行などの第三者の仲介を受けず、ユーザー同士で仮想通貨を貸し借りできるレンディングプラットフォームだ。
ただし、日本の法律に基づいて認可されたサービスではなく、消費者保護の仕組みも存在しないため、利用には潜在的なリスクを伴うことをあらかじめ認識しておく必要がある。そうしたリスクをよく把握したうえで、レンディングを活用して仮想通貨を運用してみたい方は、まずは少額からAaveを使ってみてほしい。
なお、イーサリアムチェーン上のAaveを利用するときは、ガス代の支払いに仮想通貨のイーサリアムが必須となる。
イーサリアムはメジャーな仮想通貨なので、国内のほとんどの仮想通貨取引所が取り扱っているが、その中でもコインチェックは、購入したイーサリアムをウォレットに送る際に手数料がかからないのでおすすめだ。
イーサリアムの調達(購入)先に適しているので、ぜひこの機会にコインチェック公式サイトもチェックしてみてほしい。