Baseチェーン(ベースチェーン)とは、海外の大手取引所「コインベース(Coinbase)」が開発したイーサリアムレイヤー2ブロックチェーンである。
コストを抑えながら高速で仮想通貨(暗号資産)のトランザクションの処理ができるため、イーサリアムメインネット(レイヤー1)の手数料の高騰や処理の遅延といった問題の解決が期待されている。
大手の取引所が運営しているチェーンであるため、信頼性の高いレイヤー2ソリューションとして注目されている。
今回の記事では、そんなブロックチェーン「Base」について解説する。
- アメリカの仮想通貨取引所コインベースは、Baseブロックチェーンを開発した
- Baseブロックチェーンでは、効率的なトランザクション処理が可能
- レイヤー2ソリューションのBaseには、イーサリアムのスケーラビリティ問題の解決が期待されている
- コインベースのアカウント保有者は、Baseに簡単にアクセスできる
- 仮想通貨の取引には国内大手取引所のコインチェックが利用できる
BASEチェーン興味がある方は、この機会に国内取引所を利用してイーサリアムなどの仮想通貨を用意しておくと良いだろう。
使いやすい国内取引所としては、イーサリアム、ビットコインを含む数多くの仮想通貨を取り扱うコインチェックなどが挙げられる。
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Base(ベース)とは?
ブロックチェーン名称 | Base(ベース) |
---|---|
開発企業 | Coinbase(コインベース) |
正式ローンチ時期 | 2023年8月9日 |
技術基盤 | Optimismの「OP Stack」を使用したレイヤー2ソリューション |
ユースケース | DeFi、NFTマーケットプレイスなど |
トランザクションの特徴 | トランザクション手数料が低コストかつ高速処理 |
セキュリティの特徴 | イーサリアムのセキュリティを利用し、高い安全性を確保 |
エコシステムの特徴 | Coinbaseが提供する各種サービスとの連携 |
Baseとは、アメリカの大手仮想通貨取引所「コインベース(Coinbase)」により開発されたブロックチェーンである。
イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションの「Optimism(オプティミズム/OP)」の技術基盤を活用し、イーサリアムのメインネット上に構築されたレイヤー2ブロックチェーンだ。
高い安全性を維持しつつ、取引の処理能力を拡大することを目指して設計された。
低コストかつ高速なトランザクションが可能であり、DAppsを快適に開発できるプラットフォームとして知られている。
コインベースが抱える膨大なユーザー層に支えられており、仮想通貨取引のほか、DeFi、NFT分野などでも幅広く活用されている。
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Base(ベース)の特徴
次に、Baseブロックチェーンの特徴について説明する。Baseブロックチェーンには、以下のような特徴が備わっている。
- 低コストかつ高速な処理
- コインベースのアカウントで簡単にアクセスできる
- イーサリアムと互換性がある
低コストかつ高速な処理
Baseは、低コストかつ高速なトランザクションを可能にするブロックチェーンである。
高性能なトランザクションの理由は、Optimismのロールアップ技術を採用したことにある。
Baseは、Optimismが提供する「OP Stack」という開発フレームワークを使用し、ユーザーと開発者の両方にとって利便性の高いプラットフォームを構築した。
ロールアップ技術とは、トランザクションはメインネットの外部で処理し、その結果だけをメインネットに送信する技術のことだ。
これにより、ガス代と呼ばれる手数料を大幅に削減し、高速なトランザクションが実現している。
Baseはイーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題の解決を目指し、多くのユーザーが快適に取引できる環境を提供している。
コインベースのアカウントで簡単にアクセスできる
Baseチェーンはコインベースと親和性が高く、コインベースのアカウントがあれば簡単にアクセスできる。
そのため、Baseはコインベースのユーザーと開発者の両方に対して利便性を提供することが可能になる。
具体的には、コインベースのユーザーはウォレットやアカウントを新たに作成せずににBaseチェーンにアクセスできるため、ワンストップでシンプルな資産管理や取引が可能になる。
また、開発者は、コインベースが提供するツールなどのインフラを活用して効率的にDAppsの開発や運用をすることが可能だ。
その他にも、コインベースウォレットと連携することで、Base上でのトランザクションやDAppsへのシームレスな接続ができる点や、コインベースが運営するNFTプラットフォームやDeFi関連のサービスの利用が可能な点などにおいて、コインベースはBaseチェーンを中心としたエコシステムの拡大に取り組んでいる。
このように、Baseチェーンは、コインベースのエコシステムと統合することで、Web3を身近に感じられる環境を提供しているのである。
イーサリアムと互換性がある
イーサリアムレイヤー2チェーンであるBaseは、イーサリアムとの互換性を持つため、既存のスマートコントラクトやツールを容易に移行できる。
これにより、イーサリアム用に開発されたDAppsを、大きな変更を加えることなく、Baseチェーン上に移植することが可能だ。
Baseは、イーサリアムのセキュリティとインフラを活用しながら、イーサリアムのスケーラビリティ問題を回避し、コストを抑えながらスムーズなトランザクションを実現している。
例えば、Baseとイーサリアムメインネットの間で簡単に資産を転送できる「ブリッジ機能」が利用できる。
また、Baseはイーサリアム標準のトークン(ERC-20など)をサポートしており、既存のイーサリアムベースのトークンがそのままBase上で利用できる。
Baseは、既存のイーサリアムエコシステムとシームレスに統合されたレイヤー2ソリューションであり、イーサリアムのメリットはそのままに、イーサリアムの抱える問題を解決するチェーンなのである。
Base(ベース)の将来性
次に、Baseの将来性について考察していく。Baseは、以下のような理由により将来性が期待されるチェーンである。
- 大手企業による運営
- 幅広い分野で活用される汎用性の高さ
- 効率的なスケーラビリティの実現
大手企業による運営
Baseの将来性が期待できる最大の理由は、Baseは大手企業コインベースにより運営されており、信頼性と安定性、強固なユーザー基盤などの特徴があるためである。
レイヤー2ブロックチェーンはBase以外にも数多く存在しているが、巨大企業による運営という点で、他のチェーンと比較して信頼性が高く安定していると考えられる。
また、コインベースは既存の大規模ユーザー基盤を持っており、新規ユーザーが参入しやすい環境が整っている。
さらに、コインベースはBaseの利用を促進するため、Baseのエコシステムの拡大、認知度向上のためにさまざまな取り組みを行っている。
例えば、コインベースのウォレットアプリや取引所プラットフォームといったインフラをBaseチェーンと統合することで、Baseへの簡単な資産移動やDAppsのスムーズな利用を可能にしている。
また、開発者向けには、Base上で使えるいくつかの開発ツールを提供しており、開発者がBaseで新しいアプリケーションを構築しやすい環境を整えている。
このような取り組みを通じて、将来的にはBaseの認知度の向上、ユーザー層の拡大が進むことが期待される。
幅広い分野で活用される汎用性の高さ
Baseチェーンは現在も発展途上のブロックチェーンではあるが、その汎用性の高さから、すでに複数の分野で活用が進んでいる。
具体的には、以下の分野で活用されている。
- DeFi分野
Base上では、DEXやレンディングプラットフォームなどのDeFiプロジェクトが稼働している。
イーサリアムメインネットよりも低コストで高速なトランザクションが可能なため、少額の取引にも向いており、また、複雑なスマートコントラクトの実行もしやすい。
【活用事例】
Uniswap(分散型取引所)、Aave(レンディングプラットフォーム)、Compound(レンディングプラットフォーム)
- NFT分野
Baseチェーンはチェーン上でのNFTの発行が可能であり、また、取引プラットフォームとしても活用されている。
低コストで大量のトークンを発行できるという特徴があることで、既存のNFTエコシステムの拡充や新しいマーケットプレイスの開発が進んでいる。
【活用事例】
Zora(NFTマーケットプレイス)
現在は、上記のように幅広い分野においてBaseチェーンが活用されている。
汎用性の高いBaseチェーンは、今後もさらに多くの分野で活用されることが期待される。
効率的なスケーラビリティの実現
Baseチェーンは、Optimismのロールアップ技術を活用することで、高速な取引処理と低コストを実現している。
この技術により、イーサリアムメインネットのセキュリティを活かしつつ、大量のトランザクションを効率的に処理することが可能となる。
特に、低コストで安全性の高い環境を提供できる点は、多くの開発者やプロジェクトにとって魅力的である。
この特長は、現在そして将来的にも、DeFiやNFTなど多岐にわたる分野においてBaseチェーンの採用が進む要因となるだろう。
さらに、Optimism技術の拡張性により、将来的に利用者が増加しても、ある程度はスムーズに稼働することが期待される。
Optimism技術は、トランザクション集約による効率性と、開発者が採用しやすい設計のシンプルさという特徴を持っている。
Baseチェーンはこの技術を採用しているため、ユーザー増加時のスムーズな稼働およびエコシステムの更なる拡大が見込まれる。
この点から、Baseチェーンは長期的に持続可能なブロックチェーンインフラとしての地位を築く可能性が高い。
Baseチェーンが気になる方は、この機会に、少額から気軽に仮想通貨取引ができるコインチェックの利用を検討してみてほしい。
Base(ベース)の注意点・リスク
メリットの多いブロックチェーンBaseだが、利用にあたっていくつか注意すべき点もある。
ここからは、Baseの注意点やリスクについて解説する。
中央集権的な面も見られる
コインベースによって運営されるBaseチェーンは、他の分散型チェーンと比較すると、中央集権的であると言える。
例えば、イーサリアムなどの分散型チェーンは、基本的にコミュニティや複数のノードによって意思決定が行われる。
しかし、Optimismの技術を基盤とするBaseは、ロールアップ処理自体は分散化されているものの、一部のガバナンスなどはコインベースの管理下にあり、完全に分散化されているわけではない。
Baseにおける重要な意思決定はコインベースに依存しているため、大企業により運営されていることから信頼や安心という面では他のチェーンよりも優れているものの、分散化という観点において、Baseは他のチェーンよりも劣っている。
そのため、運営に関わる重要な決定において、ユーザーや開発者の意見が反映されにくいリスクや、コインベースの運営に何らかの障害が発生した場合にBaseチェーンが影響を受けてしまうリスクなどが考えられる。
さらに、このようなリスクを危惧し、Baseの中央集権的な構造を避けたいユーザーや、この体制に不信感を持つユーザーが一定数存在する可能性が懸念される。
競合ブロックチェーンが多い
イーサリアムレイヤー2ブロックチェーンはBase以外にも多く存在するため、Baseが今後どの程度のシェアを獲得できるかは未知数である。
Baseのようなレイヤー2ソリューションは、高いガス代(手数料)や低スループット(一定時間内に処理できるトランザクションの数)といった、イーサリアムメインネットが抱えるスケーラビリティ問題の解決を目指している。
Baseと競合すると考えられる類似のレイヤー2ブロックチェーンには、以下のようなものが挙げられる。
- Optimism(オプティミズム / OP)
Baseチェーンの技術的な基盤となっているOptimisticロールアップを採用しているチェーン。
Ethereumのセキュリティを活かしながら、高いコスト効率と拡張性を提供している。
- Polygon(ポリゴン / MATIC)
Ethereumのスケーラビリティの向上を目指して設計されたチェーン。
大規模なエコシステムを有し、企業やプロジェクトとも積極的に提携している。
- Arbitrum(アービトラム / ARB)
Ethereumのスケーラビリティ問題を解決するOptimisticロールアップベースのレイヤー2チェーン。
低コストと迅速なトランザクション処理により、DeFiプロジェクトやDAppsを中心としたさまざまな分野において活用されている。
Base以外のレイヤー2チェーンも高速な処理と低コストの実現を目指しており、DeFiやNFTなど、幅広い分野で活用されている。
レイヤー2ソリューションの激しいシェア争いの中、Baseにどの程度の需要が生じるのかは不明である。
ただし、Baseには他のチェーンにはない、「大企業による運営」という大きな特徴があり、この点において、今後のシェア獲得可能性には期待できると言える。
イーサリアムへの依存
イーサリアムレイヤー2チェーンであるBaseは、イーサリアムメインネット(レイヤー1)のシステムに依存している。
そのため、万が一イーサリアムチェーン自体が何らかの攻撃を受けてしまった場合に、Baseやその他のレイヤー2チェーンも影響を受けてしまう可能性がある。
トランザクションの改ざんや不正なトランザクションを実行するには、イーサリアムネットワークの計算力の過半数を支配しなければならないため、実際にはイーサリアムへの攻撃の実現可能性は低いかもしれないが、まったく可能性がないとは言い切れない。
また、スマートコントラクトの健全性(意図したとおりに安全に動作する性質)にも依存しているため、イーサリアム上のスマートコントラクトに重大なバグなどが見つかった場合などには、Baseも被害を受ける可能性が考えられる。
さらに、イーサリアムネットワークが混雑した場合には、Baseに関するトランザクションがスムーズに処理されず、高額なコストや処理の遅延が発生する可能性もある。
Baseを含むレイヤー2ソリューションは、イーサリアムレイヤー1を補完するために存在しており、メインネットであるレイヤー1にトラブルが発生した場合にはレイヤー2もその影響を受けてしまうリスクがある。
Base(ベース)に関してよくある質問
- ブロックチェーンのBaseとは何ですか。
-
Baseとは、アメリカの大手取引所コインベースにより開発されたイーサリアムレイヤー2ブロックチェーンである。
Baseの主な目的は、仮想通貨の普及を促進し、より多くのユーザーが手軽に仮想通貨に触れる環境を提供することである。
Optimismのロールアップ技術を基盤としたBaseは、トランザクションコストを削減し、高い処理能力を実現することで、幅広い用途に対応可能な汎用性を備えている。
コインベースが持つ高い技術やユーザーベースなどの豊富な資源と信頼性の高さを活かし、DeFi、NFTなどの分野における活用が進んでいる。
また、コインベースのウォレットや取引所との統合により、ユーザーが容易にエコシステムに参加できる点も特長である。
さらに、Baseは開発者向けツールやサポートを提供し、ブロックチェーン技術のさらなる発展と普及を目指している。
- 仮想通貨Baseとは何ですか。
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仮想通貨Base(Base Protocol)は、ブロックチェーンBaseとは直接的な関係がない別プロジェクトである。
現在のBaseチェーンにはネイティブトークンが存在せず、トランザクションに必要なガス代の支払いにはイーサリアム(ETH)が使用されている。
仮想通貨Baseは名称が同じであることから、Baseチェーンのネイティブトークンと誤認されやすい。
特に、Baseチェーン上のプロジェクトや取引に興味を持つユーザーが混乱し、誤って仮想通貨Baseを購入するケースが懸念される。
Baseチェーンはコインベースによって開発された信頼性の高いブロックチェーンである一方、仮想通貨Baseはコインベースとは直接関係がない別のプロジェクトであり、注意が必要だ。
- Baseチェーンのメリットとデメリットをそれぞれ教えてください。
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Baseチェーンの主なメリットは、効率的なトランザクションと大手企業によるサポートであり、デメリットは処理能力の限界が懸念されることである。
Baseチェーンのメリットの一つであるトランザクションの効率性は、Optimismのロールアップ技術を応用したことに起因している。
これにより、イーサリアムメインネットよりも大幅に低いトランザクションコストと高い処理速度が実現され、ユーザーが手軽にDAppsを利用できるようになる。
また、大手企業のコインベースが運営しているチェーンのため、安定したインフラと世界中のユーザー基盤の提供により、エコシステム全体の発展を促進している。
ただし、今後、利用者の増加が進んだ場合、いずれはトランザクション処理能力の限界に到達する可能性があり、この点はデメリットと考えられる。
この点は他の主要なレイヤー2チェーンにも共通する課題であり、将来的な需要に対して技術を改良していくことが求められている。
Base(ベース)のまとめ
今回の記事では、Baseブロックチェーンについて解説した。
- 大手取引所が運営するブロックチェーンなので、Baseの信頼性は高い
- Baseは、低コストかつ高速なトランザクションが可能なチェーン
- Baseブロックチェーンは、イーサリアムレイヤー2ソリューションの一つ
- イーサリアムと互換性があり、スマートコントラクトやツールの移行が容易
Baseチェーンはコスト効率に優れており、スピーディーなトランザクションに対応している。
イーサリアムのセキュリティを活用したレイヤー2ソリューションであり、また、大手企業コインベースが運営するチェーンのため信頼性や安全性は高いと考えられる。
コインベースとBaseチェーンは相性が良いため、コインベースが抱える多くのユーザー層や開発者層が流入し、将来的には需要が高まる可能性が期待される。
仮想通貨取引をしてみたいと感じた方は、国内の大手取引所コインチェックの利用を検討することができる。
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