*こちらは執筆時点の情報である。2022年11月15日現在、FTX Japanはサービスの停止をしている。仮想通貨取引所の口座開設を検討している方は別途、下記記事を確認しておきたい。
FTXは、世界で2番目の取引高(2022年7月15日時点、CoinMarketCap調べ)を誇る海外の大手仮想通貨(暗号資産)取引所である。
そのFTXを運営するFTX Trading Ltd.の日本法人FTX Japan株式会社が、2022年6月、日本向けにローンチしたのが、今回紹介する仮想通貨取引所「FTX Japan」だ。
この記事ではFTX Japanについて、メリット・デメリットやユーザーからの評判などを解説していく。
- FTX Japanは、2022年6月にサービスが開始された比較的新しい仮想通貨取引所である
- UI(ユーザーインターフェイス)はグローバル版のFTXのものが流用されている
- オーダーブックをグローバル版FTXと共有しており、流動性に優れている
- FTXトークンを購入・ロックすることで、手数料割引などの特典を受けられる
- 口座開設はFTX Japan公式サイトから、手数料無料で申し込むことができる
FTX Japanは、グローバル版FTXとオーダーブックを共有していて、流動性に優れた仮想通貨取引所だ。
スムーズに注文が成立する環境の中で、国内他社にはない独自トークンのFTXトークンが取引できたり、仮想通貨を米ドルなど日本円以外の法廷通貨と取引することができる。
FTX Japanの口座開設は無料だ。関心がある方は、この機会にFTX Japan公式サイトへ気軽にアクセスしてみるとよいだろう。
FTX Japanとは?
名称 | FTX Japan |
運営会社 | FTX Japan株式会社 |
サービス開始 | 2022年6月 |
提供する取引形式 | 現物取引(販売所・取引所) パーペチュアル取引 |
取り扱い銘柄数 | 18銘柄 現物13銘柄 パーペチュアル5銘柄 |
最小取引数量 (ビットコインの場合) | 現物取引(販売所):0.0001BTC 現物取引(取引所):0.0001BTC |
パーペチュアル取引のレバレッジ倍率 | 最大2倍 |
その他のサービス | 米ドル/円の外国為替取引(販売所・取引所) クオンツゾーン(自動取引ツール) |
公式サイト | FTX Japan公式サイト |
FTX Japanは、FTX Japan株式会社が2022年6月からサービスを開始した、比較的新しい仮想通貨取引所だ。
FTX Japan株式会社は、海外の大手仮想通貨取引所FTXを運営するFTX Trading Ltd.の傘下にあることから、国内取引所のFTX Japanでも、日本の法律や日本語に対応した形ではあるが、グローバル版のFTXと同じUIで取引できるようになっている。
FTX Trading Ltd.は、2022年2月に日本の仮想通貨交換業者であるQuoine株式会社の親会社Liquid Group Inc.を買収。4月にはQuoine株式会社からFTX Japan株式会社に社名を変更した。その後、誕生した仮想通貨取引所が、FTX Japanである。
もともとQuoine株式会社が手がけていた仮想通貨取引所は、2022年7月時点では「Liquid by FTX」として存続しているが、Liquid by FTXはすでに新規登録の受付を停止しており、既存ユーザーについても順次FTX Japanへの移行が進められている。
FTX Japanの手数料
まずは、FTX Japanの各種手数料を一覧に取りまとめた。
口座開設手数料 | 無料 |
口座維持手数料 | 無料 |
取引手数料 (ビットコインの場合) |
現物取引(販売所): 無料、スプレッドあり 現物取引(取引所)・パーペチュアル取引: 直近30日の取引量に応じて以下のとおり メイカー手数料率:0.01~0.02% テイカー手数料率:0.04~0.07% ※別途、VIPプログラムなどによる割引あり |
日本円の入金手数料 | 無料(振込手数料を自己負担) |
日本円の出金手数料 | 無料 |
仮想通貨の入金手数料 | 無料 |
仮想通貨の出金手数料 | イーサリアム・ERC20トークン・少額のビットコイン(0.01BTC未満): ネットワーク手数料等に基づいて算出 上記以外の銘柄・0.01BTC以上のビットコイン: 無料 ※法定通貨の入出金合計額が取引量を上回ると、最大0.1%の出金手数料が発生する可能性あり ※FTXトークンのロックによる割引あり ※少額のビットコイン(0.01BTC未満)の出金は、1日1回まで無料 |
FTX Japanの口座開設は無料で、維持コストもかからない。
取引手数料は、現物取引(取引所)とパーペチュアル取引において、メイカー注文・テイカー注文ともに取引手数料を求められるが、VIPプログラムなどの条件をクリアしている場合は割引を受けることができる。
多くの競合他社では仮想通貨の出金時に手数料がかかるが、FTX Japanではイーサリアム・ERC20トークン・少額のビットコイン(0.01BTC未満)以外を出金する際には手数料がかからない。少額のビットコイン(0.01BTC未満)の出金も、1日1回までなら無料だ。
FTXは独自の取引所トークンであるFTXトークン(FTT)を発行しているのだが、FTX JapanでFTXトークンを一定数ロックしている場合、その数量に応じて定められた回数までイーサリアムやERC20トークンでも出金手数料が無料になる。
FTX Japanのメリット
次に、FTX Japanのメリットを見ていくと、以下のようなものが挙げられる。
- 現物取引(取引所)の流動性が高い
- パーペチュアル取引など、ユニークなサービスが揃っている
- 取引所トークンのFTTをロックすることで、手数料割引などの特典を受けられる
現物取引(取引所)の流動性が高い
現物取引(取引所)では、仮想通貨取引所のユーザー同士で取引をおこなう。
現物取引(取引所)の流動性や注文の成立しやすさは、ユーザーの数と取引高に影響されるものだ。マイナーな仮想通貨取引所では思うように注文が成立しないこともある。
この点、FTX Japanはどうかというと、世界トップクラスの取引高を誇るグローバル版のFTXとオーダーブックを共有しており、十分な流動性を有している。
サービスが開始されてから、まだ日が浅いとはいえ、安定した取引が可能だ。
パーペチュアル取引など、ユニークなサービスが揃っている
FTX Japanは2022年7月時点で、現物取引以外にも以下のサービスを提供している。
- パーペチュアル取引
- クオンツゾーン
- 米ドル/円の外国為替取引(販売所・取引所)
パーペチュアル取引はデリバティブ取引の一種で、現物と先物、暗号資産CFDの特徴を合わせ持っている。
従来の先物取引と違うのは、パーペチュアル取引には限月がなく、無期限にポジションを保有することができること。また、従来の暗号資産CFDなどと比較すると、取引手数料を安く抑えられる特徴もある。
レバレッジ倍率は、日本の法律に則って最大2倍だ。
そのほか、FTX Japanにはプログラミングの知識がなくても自動売買ができるツール「クオンツゾーン」や、米ドル/円の外国為替取引といったユニークなサービスもある。
FTX Japanの米ドル/円の取引は、FX(外国為替証拠金取引)ではなく現物取引だ。米ドルの入出金に対応していないため、米ドルを保有したとしても、そのままの状態で出金することはできない。出金するには、日本円もしくは仮想通貨に換金する必要がある。
取引所トークンのFTTをロックすることで、手数料割引などの特典を受けられる
FTX Trading Ltd.は独自の取引所トークンであるFTXトークン(FTT)を発行している。FTX Japanではそれをロックすることで、以下のような特典を受けることができる。
- リファラルリベート(紹介料)のアップグレード
- メイカー手数料の割引
- イーサリアム・ERC20トークンの出金手数料免除
リファラルリベートとは、自身が紹介したユーザーがFTX Japanで初回取引をおこなった際に得られる紹介料のこと。FTXトークンのロック数量に応じて、紹介されたユーザーの初回取引手数料の25~40%を受け取れる。
また、FTXトークンのロックによる特典と比べて条件達成のハードルは高いが、VIPプログラムとマーケットメイカープログラムによっても、手数料の優遇などを受けることが可能だ。
FTX Japanのデメリット
一方でFTX Japanには、次のようなデメリットもある。
- グローバル版FTXのUIがベースであり、日本人にはなじみが薄い
- 現物取引(取引所)において、基本的にはメイカー手数料がかかる
- グローバル版のFTXと比べて、まだサービスの種類が少ない
グローバル版FTXのUIがベースであり、日本人にはなじみが薄い
先ほど紹介したとおり、FTX Japanは日本の法律と日本語に対応した形で、グローバル版のFTXと同じUIが採用されている。
スマホの取引アプリもFTX Japan専用のアプリがあるわけではなく、もともとあったグローバル版のFTXの取引アプリの中で、FTX Japanも選択・利用できる仕様になっているのだ。
のちほどユーザーからの声も紹介するが、海外取引所のUIは、どうしても日本人にとってなじみが薄い。そのせいで、中にはFTX Japanに使いづらさを感じるユーザーもいるようだ。
現物取引(取引所)において、基本的にはメイカー手数料がかかる
国内の競合他社の中には、現物取引(取引所)で取引手数料がかからないところや、流動性を提供したとしてメイカー注文をおこなった際に報酬を得られるところもある。
一方、FTX Japanの場合は、いくつかの割引の手段があるものの、基本的にはメイカー手数料がかかる。
テイカー手数料についても、競合他社の中にFTX Japanよりも割安なところはある。
FTX Japanの現物取引(取引所)には高い流動性という大きな魅力があるが、取引手数料に焦点を当てると、必ずしも最良の仮想通貨取引所とは言い切れないところがある。
グローバル版のFTXと比べて、まだサービスの種類が少ない
グローバル版のFTXは、先ほど紹介したパーペチュアル取引など以外にも、新規銘柄が上場前に先行販売されるIEOや、さまざまな商品を賭けたトレーディングコンテストなどのサービスが提供されている。
残念ながら、2022年7月時点でFTX Japanにこれらのサービスは実装されていない。
しかしFTX Japanは、徐々にグローバル水準のサービスを日本向けに提供していく計画を立てているようだ。実際、自動取引ツールのクオンツゾーンも、ローンチのあとから追加された。
今後もグローバル水準の日本向けサービスが、順次追加されていくことが期待される。
FTX Japanの評判
続いて、SNSに投稿されているFTX Japanへの良い評判・悪い評判をそれぞれ見ていこう。
FTX Japanの良い評判
まず、FTX Japanへの好意的な意見としては、以下のようなものがある。
FTX JP 登録完了
— GM25⛰⛏💎 (@369mode) June 25, 2022
昨夜申請して12時間くらい
・円出金(無料)& 銀行口座着金2分(爆速w)
・USD/JPY 有
メインになりそう😁 pic.twitter.com/XIJEvvf4RZ
FTX Japanのメリットで挙げたとおり、グローバル版FTXとオーダーブックを共有していることで確保されている流動性の高さを評価する声が散見される。
ほかにも、日本円と仮想通貨(一部を除く)の入出金手数料がかからないこと、入出金の反映の速さ、米ドルと円の現物取引があって、しかも米ドル建てでも仮想通貨を売買できることなどが好評だ。
FTX Japanの悪い評判
これに対して、次のようなFTX Japanへのネガティブな声も見られる。
利用させて頂いております。申し込みから取引開始までとてもスムーズで使いやすいです。改善して頂きたいのは日本語表記が分かりにくい時がありますので改善して頂くとより使いやすくなります。
— taketh (@taketh9) June 18, 2022
FTX Japanへのネガティブな意見は、もっぱらUIのわかりにくさや操作性に対するものとなっている。
先に紹介したとおり、FTX Japanはグローバル版FTXのUIを流用しているが、使い勝手の悪さを感じるユーザーも多いようだ。日本語の表記が不適切なところも、一部にはあるらしい。
こうしたことから、FTX Japan専用のアプリの提供を望む声もある。
以上、FTX Japanへの良い評判・悪い評判をSNSから3つずつピックアップして紹介した。
FTX Japanの海外ベースのUIになじめないと言うユーザーも多い一方で、そのほかのサービスに対する評価は上々だ。
興味がある方はぜひ、FTX Japanにアクセスして、国内他社とのUIの違いやサービスの詳細を、自身の目で確かめてみてはいかがだろうか。
FTX Japanの口座開設手順
最後に、FTX Japanで口座開設をおこなう際の手順を解説しておく。
- アカウントを作成する
- 氏名等を入力する
- 国籍を選択して、確認事項をチェックする
- SMS認証をおこなう
- 住所等を入力する
- 本人確認書類と顔写真をアップロードする
アカウントを作成する
まずはFTX Japan公式サイトにアクセスして、無料アカウント作成のボタンをクリックしよう。
すると、次のような画面に移動するので、任意のメールアドレスとパスワードを入力することでアカウントを作成する。
新規アカウントを作成せずに、既存のAppleアカウントやGoogleアカウントでサインインすることも可能だ。
氏名等を入力する
作成したアカウント、もしくはAppleなどのアカウントでサインインできたら、次のような口座開設手続きの画面が表示される。
画面が表示されたら、自分の氏名・生年月日・性別を入力しよう。
国籍を選択して、確認事項をチェックする
国籍を選択したのち、3つの事項(外国の重要な公人またはその親族に当たらないか、日本以外に居住地国がないか、アメリカで納税義務がないか)を確認して、問題がなければ、それぞれチェックを入れよう。
SMS認証をおこなう
続いて、口座開設を申し込んでいるのが本人であることを確認するため、SMS認証を求められる。
指示に従い携帯電話番号を入力し、SMSが届いたらそこに記載されているコードを転記しよう。
住所等を入力する
SMS認証をクリアしたら、次は住所・財務情報・マイナンバー情報をそれぞれ入力していこう。
入力の際は、のちほど提出する本人確認書類と齟齬が生じないように注意が必要だ。
本人確認書類と顔写真をアップロードする
最後にスマホのカメラを使って、本人確認書類と自身の顔写真をアップロードする。
利用可能な本人確認書類は、以下のとおりだ。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 外国籍のユーザーは在留カード必須
ちなみに、パソコンから申し込み手続きをおこなっていた場合でも、QRコードを読み込むことで、スマホでの本人確認手続きに進むことができる。
口座開設の申し込み手続きは、以上だ。このあと審査に問題がなければ、口座に資金を入金して取引を始められる。
口座開設に手数料はかからないので、興味がある方はこの機会にFTX Japan公式サイトにアクセスしてみるとよいだろう。
FTX Japanの評判/口コミまとめ
今回は仮想通貨取引所の1つであるFTX Japanについて、メリット・デメリット、評判などを解説した。
- FTX Japanは、2022年6月にローンチされた仮想通貨取引所
- パーペチュアル取引や米ドルの現物取引など、国内他社にないユニークなサービスが魅力
- オーダーブックはグローバル版FTXと共有で、流動性が高い
- 2022年7月に自動売買ツールのクオンツゾーンが実装され、さらなるサービスの追加も期待されている
- 口座開設手数料は無料で、FTX Japan公式サイトから手軽に口座開設申し込みができる
FTX Trading Ltd.が運営するFTXは、世界屈指の取引高を誇る海外取引所だ。そのFTX Trading Ltd.の日本法人がローンチした日本向けの仮想通貨取引所がFTX Japan。
本家のFTXとオーダーブックを共有していることから競合他社と比べても流動性に優れ、これまでの国内他社にはなかったサービスも揃っている。
この記事を通して興味を持った方は、ぜひFTX Japan公式サイトにアクセスして、他社との違いをご自身で確認してみてはいかがだろうか。