岡三オンラインは、100年近い歴史を持つ老舗証券会社「岡三証券」の、ネット取引のサービスを手掛ける事業部門の1つ。
その岡三オンラインで、2022年3月から暗号資産CFDのサービスが始まった。
今回は、その岡三オンラインの暗号資産CFDのメリット・デメリット、ユーザーからの評判などを解説していく。
- 岡三オンラインの暗号資産CFDは、2022年3月に始まった比較的新しいサービス
- ビットコインやイーサリアムなどの5種類の仮想通貨を、レバレッジをかけて取引できる
- 現物取引は異なり、下落相場でも利益を狙うチャンスがある
- 暗号資産CFDの口座を開設するためには、先に岡三オンラインの証券総合取引口座を開設しておく必要がある
岡三オンラインは株式、投資信託、FX、先物取引などのサービスも提供しているので、暗号資産だけでなく、さまざまな金融商品へ投資を考えている方にもおすすめだ。
気になる方は、この機会に岡三オンライン公式サイトをチェックしてみよう。
岡三証券の暗号資産CFDとは?
サービスの名称 | 暗号資産CFD |
運営会社 | 岡三証券株式会社(岡三オンライン証券カンパニー) |
取り扱い銘柄(2022年8月現在) | 5種類 BTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPY、LTC/JPY、BCH/JPY |
最小発注数量(2022年8月現在) | BTC/JPY:0.01BTC ETH/JPY:0.1ETH XRP/JPY:100XRP LTC/JPY:1LTC BCH/JPY:0.1BCH |
レバレッジの最大倍率 | 2倍 |
ロスカット基準 | 証拠金維持率<100% |
公式サイト | 岡三オンライン公式サイト |
岡三オンラインは、大正12年(1923年)に創業した*老舗の総合証券会社、岡三証券の事業部門の1つとして、ネット取引のサービスを展開している。*前身の旧岡三証券の創業
従来から提供している株式、投資信託、先物取引、FXなどのサービスに加えて、新たに2022年3月から暗号資産CFDの提供が始まった。
暗号資産CFDとは、仮想通貨(暗号資産)を投資対象にした差金決済取引のことで、レバレッジを効かせることで資金効率のよい取引ができる金融商品だ。
岡三オンラインの暗号資産CFDでは、ビットコイン/円やイーサリアム/円など、メジャーな仮想通貨の対円の通貨ペア5種類が取引できる。
岡三証券の暗号資産CFDの手数料
まずは、岡三オンラインの暗号資産CFDを利用する際にかかる各種手数料を確認しておこう。
口座開設手数料 | 無料 |
取引手数料 | 無料(ただしスプレッドあり) |
レバレッジ手数料 | 未決済ポジションの数量×対象銘柄の評価レートの仲値(午前6時点)×0.04%(税込) |
入金手数料 | クイック入金:無料 銀行振込:無料(振込手数料は自己負担) |
出金手数料 | 無料 |
岡三オンラインでは、口座開設の申し込みやクイック入金による口座への入金・口座からの出金に手数料がかからない。
取引手数料(売買手数料)も無料で、取引にかかる総コストは売値と買値の価格差となる「スプレッド」分だけとなる。
ポジションを翌営業日に持ち越した場合は、ポジションの管理費用として「レバレッジ手数料」が発生する。レバレッジ手数料は営業日を跨ぐたびに加算され、ポジションを決済するときに証拠金残高からまとめて差し引かれる仕組みとなっている。
もっとも、「スプレッド」や「レバレッジ手数料」は岡三オンラインの暗号資産CFDだけが取り入れている独自のものではなく、一般的な暗号資産CFDでは取引で必ず発生するコストだ。
岡三証券の暗号資産CFDのメリット
岡三オンラインの暗号資産CFDには、次のようなメリットがある。
- 2倍のレバレッジをかけて効率よく取引できる
- 下落相場でも利益を狙うチャンスがある
- 暗号資産CFD専用の取引ツールが用意されている
2倍のレバレッジをかけて効率よく取引できる
暗号資産CFDでは口座に預けた証拠金(資金)を担保にすることで、証拠金の額の最大2倍規模の取引をおこなうことができる。こうした仕組みは「レバレッジ取引」と呼ばれていて、証拠金の額よりもより大きな資金が必要な取引ができる、資金効率の良さで人気の取引だ。
岡三オンラインの暗号資産CFDでも、各銘柄で2倍のレバレッジをかけた取引が可能だ。
これにより、同じ投下資金でまったく同じ条件の取引をしたときを比べると、現物取引よりもレバレッジ取引のほうが2倍のリターンが得られる。
しかし、値動きが思惑から外れた場合に生じる損失の額も、現物取引と比べて2倍となる点は注意が必要だ。
仮想通貨のレバレッジ取引については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてほしい。
下落相場でも利益を狙うチャンスを得られる
売買のたびに仮想通貨の受け渡し(やり取り)が必要となる現物取引では、買いから取引を始めることしかできず、買った価格よりも高い価格で売却しなければ利益を得られない。
一方、対象となる仮想通貨の値動きだけを利用して取引する暗号資産CFDには、仮想通貨の受け渡しはおこなわず、買った価格と売った価格の差額を損益としてやり取りするだけという仕組みが用いられている。
そのため、暗号資産CFDでは売りから取引を始めて、売った価格よりも安い価格で買い戻すことでも売買差益を得ることができる。
つまり、暗号資産CFDには相場の上昇局面と下落局面のどちらにも、利益を狙うチャンスがあるということだ。
暗号資産CFD専用の取引ツールが用意されている
岡三オンラインは株式、投資信託、先物取引、FXなどのサービスも提供しているが、暗号資産CFDではそれらの金融商品とは別に、暗号資産CFD専用のPC版取引ツールとスマートフォンアプリが用意されている。
どちらのツールにも豊富なテクニカル指標が搭載されていて、取引に重要な値動きの分析を手助けしてくれるだろう。
また、注文方法も多種多様で、成行注文や指値・逆指値注文などのオーソドックスな注文方法だけでなく、IFDやOCOなどの複数の注文を組み合わせることができる注文方法も提供されているので、これらをうまく使いこなせれば、24時間365日、常に価格が動いている仮想通貨の取引で、より多くのチャンスを掴める可能性が高まるだろう。
このように、機能性の高い専用の取引ツールを使って相場にアプローチができることは、岡三オンラインの暗号資産CFDの大きな魅力と言える。
気になった方は、ぜひこの機会に口座開設を検討してみてほしい。
岡三証券の暗号資産CFDのデメリット
一方、岡三オンラインの暗号資産CFDには次のようなデメリットもある。
- 現物取引ができない
- 取り扱う銘柄の数が少ない
- 証券総合取引口座との連携がなされていない
現物取引ができない
仮想通貨取引所は、現物取引のサービス提供には暗号資産交換業の事業者登録、暗号資産CFD(レバレッジ取引)のサービス提供には金融商品取引業の事業者登録を受ける必要がある。
岡三証券は金融商品取引業者としての登録しか有していないため、岡三オンラインには仮想通貨の現物取引のサービスはなく、国内の一部の仮想通貨取引所のように、ユーザーが現物取引とレバレッジ取引の両方からサービスを自由に選んで利用することはできない。
そのため、どうしても現物取引をおこないたい場合は、現物取引のサービスを提供している他の仮想通貨取引所に口座を開設して取引する必要がある。以下の記事では、国内の仮想通貨取引所を比較しているので、参考にしてほしい。
取り扱う銘柄の数が少ない
仮想通貨取引所の中には、20種類程度の仮想通貨をレバレッジ取引で取り扱っているところもある。
対して岡三オンラインの暗号資産CFDの取り扱い銘柄は、ビットコイン/円やイーサリアム/円など、メジャーな5銘柄のみだ。
現物取引ができず、レバレッジ取引の取り扱い銘柄も少ないので、仮想通貨取引をメインに取り組みたい方にとっては、正直なところわざわざ岡三オンラインを選ぶメリットはほとんどない。
だが、仮想通貨取引所ではなくネット証券を見渡してみると、暗号資産CFDを提供しているところは限られている。
そのため株式取引やFXをしながら、分散投資として仮想通貨にも投資してみたいという方には、岡三オンラインはぴったりな選択肢だと言えるだろう。
証券総合取引口座との連携がなされていない
岡三オンラインには日本株の現物取引と投資信託を対象としたメインの証券総合取引口座があり、それ以外の金融商品を取引する際は、以下のようにそれぞれ専用の口座を開設する必要がある。
- 信用取引口座(日本株の信用取引用)
- 先物・オプション取引口座
- 取引所CFD口座(くりっく株365用)
- 取引所FX口座(くりっく365用)
- 店頭FX口座
- 暗号資産CFD口座
これらのうち、暗号資産CFDを除く5つの専用口座は、証券総合取引口座といっしょに口座の開設を申し込むことができるが、暗号資産CFD口座だけは先に証券総合取引口座の開設が完了したあと、別途、専用の申し込みフォームから口座の開設を申し込まなければならない。
また、口座への入金方法も異なっている。暗号資産CFDを除く5つの専用口座の場合は証券総合取引口座へ資金を入金し、そこから証券総合取引口座を経由して、各口座へ振替をおこなうことができる。
一方、暗号資産CFDの口座は証券総合取引口座とは連携していないため、入金は金融機関の口座などから直接、暗号資産CFDへ入金をする必要があり、証券総合取引口座を経由して他の口座へ資金を振替えることができない。
このように、岡三オンラインはさまざまな金融商品を取り扱ってはいるものの、暗号資産CFDは他の金融商品とは独立しているようにも感じる存在であり、岡三オンラインの他の金融商品も取引しようとした場合は不便な面がある。
岡三証券の暗号資産CFDの評判
続いて、Twitterに投稿されている岡三オンラインの暗号資産CFDに対する評判をチェックしていこう。
岡三証券の暗号資産CFDの良い評判
岡三オンラインの暗号資産CFDへの好意的な意見としては、次のようなものがある。
サービス開始から日が浅いこともあるのか、スペックや取引ツールを評価するようなものは少なく、大半がキャッシュバックキャンペーンに関する書き込みだった。
岡三オンラインの暗号資産CFDは、これまでにも様々なキャンペーンを開催してきており、本記事執筆時点(2022年8月中旬)では以下の内容のキャンペーンがおこなわれている。
暗号資産CFD 口座開設キャンペーン
概要:キャンペーン期間中の新規口座開設と取引1回で、もれなく現金2,000円をキャッシュバック
キャンペーン期間:2022年08月01日~2022年09月01日 AM6:59:59まで
暗号資産CFD 全銘柄対象 最大5万円キャッシュバックキャンペーン
概要:エントリーのうえキャンペーン期間中に取引すると、新規取引の約定金額に応じて最大5万円をキャッシュバック
キャンペーン期間:2022年08月01日~2022年09月01日 AM6:59:59まで
2022年3月のサービス開始以降、内容は変わりながらも同様のキャンペーンが続いてきているが、今後もずっと開催されるとは限らない。
キャッシュバックのチャンスを逃すことがないよう、興味のある方は早めの口座開設をおすすめする。
岡三証券の暗号資産CFDの悪い評判
岡三オンラインの暗号資産CFDには、以下のようなネガティブな意見もある。
デメリットの項目でも取り上げたとおり、岡三オンラインの暗号資産CFD口座は、証券総合取引口座の開設時に同時に開設を申し込むことができない。
また、すでに岡三オンラインの証券総合取引口座を持っていても、暗号資産CFD口座の開設にはメールアドレスの登録や基本情報の入力などをおこなう必要がある。
他の専用口座は証券総合取引口座との同時開設や、証券総合取引口座の開設後に簡単な申し込みで開設できるため、暗号資産CFD口座だけ面倒な手続きが必要になっている点に、不満を感じる人も多いようだ。
また、スマホアプリのチャートが見づらいという声も一部で上がっている。
もしもチャートの見え方にストレスを感じるようなら、値動きの分析には無料で使えるTradingViewなどのカスタマイズ性が高いチャートツールを活用する必要などがあるだろう。
岡三証券の暗号資産CFDの口座開設手順
最後に、岡三オンラインの暗号資産CFDの、口座開設手順を紹介する。
- 証券総合取引口座の開設を申し込む
- 証券総合取引口座の「口座開設完了のお知らせ」を受け取って開設を完了させる
- 暗号資産CFD口座の開設を申し込む
証券総合取引口座の開設を申し込む
まずは、岡三オンラインのサイトにある口座開設のボタンをクリックしよう。
すると次のように、岡三オンラインの総合証券取引口座を持っているかどうかを尋ねられる。
持っていない場合はリンクをクリックして、先に証券総合取引口座の開設を申し込もう。
証券総合取引口座の開設申し込みの流れは、以下のとおりだ。
- メールアドレスの登録
- 基本情報(名前・住所など)の入力
- 確認書類の提出
確認書類には「マイナンバー確認書類」と「本人確認書類」の2種類が必要になるが、マイナンバーカードがあれば1枚で両方を兼ねることができる。
提出の方法には「画像アップロードによる提出」と「郵送による提出」があるので、都合の良い方を選択しよう。
証券総合取引口座の「口座開設完了のお知らせ」を受け取って開設を完了させる
口座開設の審査をクリアしたら、取引に必要なログインIDや取引パスワードなどが記載された「口座開設完了のお知らせ」が自宅あてに郵送される。
それを受け取った時点で本人確認が完了し、証券総合取引口座が開設される。
暗号資産CFD口座の開設を申し込む
証券総合取引口座を開設したら、暗号資産CFD口座の開設を申し込もう。
- メールアドレスの登録
- 基本情報の入力
- 取引についての確認(暗号資産CFDに関する質問に回答)
- ログインパスワードの設定
暗号資産CFD口座の開設申し込みでは、証券総合取引口座の開設を申し込んだときに済んでいる本人確認の作業は省略される。また、審査が終わるとメールにて審査結果が通知され、審査を通過すれば暗号資産CFDの口座開設が完了するので、証券総合取引口座よりも大幅に短い時間で口座の開設が可能だ。
以上、岡三オンラインの暗号資産CFDの口座を開設する手順を紹介した。
最初に岡三オンラインの証券総合取引口座を作ってからでないと、暗号資産CFD口座の開設を申し込めないという面倒はあるが、興味がある方はぜひ、岡三オンライン公式サイトから口座開設をしてほしい。
岡三証券の暗号資産CFDの評判/口コミまとめ
今回は、岡三オンライン(岡三証券)の暗号資産CFDについて、特徴や評判などを解説した。
- 岡三オンラインは、岡三証券が手がける事業部門の1つで、ネット取引のサービスを提供している
- 2022年3月に暗号資産CFDのサービスが開始された
- 暗号資産CFDでは最大2倍のレバレッジをかけて、資金効率の良い取引ができる
- 国内大手の仮想通貨取引所と比べると、取り扱い銘柄数が少なめ
- 株式やFXなどの他の金融商品も取引してみたい人には向いている
サービス開始が2022年3月と日の浅い岡三オンラインの暗号資産CFDは、取り扱い銘柄が5種類のみで現物取引もできないため、本格的に仮想通貨の取引をおこないたいと考えている方には、あまりおすすめできない。
しかし、暗号資産CFDを提供するネット証券は限られているので、株式やFXの取引もしながら仮想通貨の投資に挑戦してみたいと考えている方には向いているだろう。
興味を持った方は岡三オンライン公式サイトにアクセスして、口座開設を検討してみてほしい。