KAS(Kaspa/カスパ)とは、秒単位で処理される高速トランザクションと、それに伴う低い手数料という特徴を持つ仮想通貨(暗号資産)およびそのネットワークである。
ビットコインと同じくプルーフ・オブ・ワーク(PoW)アルゴリズムに基づいて設計されており、誰もがプロジェクトに参入しやすい公平性、徹底した分散化を追求する透明性が備わったエコシステムが提供されている。
今回の記事では、仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)について、特徴や価格推移などに触れながら解説していく。
- Kaspaは、PoWを基盤とする仮想通貨ネットワーク
- KASプロジェクトは、独自の技術によりトランザクションの処理を秒単位に短縮させた
- KASネットワークは徹底した分散化体制を追求しており、透明性の高い運営がなされている
- KASプロジェクトは、ローンチ以前のトークン配布などを実施せず、公平に公開される仕組みを採用した
- 仮想通貨取引には国内大手取引所のコインチェックが利用できる
KASチェーンは独自の技術により、高速かつ低コストのトランザクションを実現した革新的なネットワークだ。
しかし、そのネイティブトークンである仮想通貨KASは現時点(2024年12月時点)では国内の取引所には上場されておらず、取引するには海外のサービスを利用する必要がある。
海外のサービスでは基本的に日本円で取引することができないため、仮想通貨KASに興味がある方は、まずはコインチェックなどの国内の取引所にて、取引の元手となる仮想通貨を購入しておこう。
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なお、海外のサービスにはリスクもあるため、KASに投資をする際は充分に注意しておくべきである。
この機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)とは
名称 | Kaspa(カスパ) |
---|---|
ティッカーシンボル・通貨単位 | KAS |
最大供給量* | 28,704,026,601枚 |
価格* | 18.88円 |
時価総額* | 480,385,178,260円 |
時価総額ランキング* | 46位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 | 国内取引所での取扱いはなし |
KAS(Kaspa)とは、次世代型のレイヤー1ブロックチェーン技術を基盤とするプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work / PoW)の仮想通貨ネットワークおよびそのエコシステムにおけるネイティブトークンである。
高速かつ安全な取引を実現するため、ビットコインのコンセンサスアルゴリズムを発展させた「GHOSTDAGプロトコル」を活用している。
この技術は、従来のブロックチェーンが抱える課題であるスケーラビリティ問題に対応しており、トランザクションの処理速度を秒単位に短縮し、また、そうすることでネットワーク全体の手数料を抑制している。
仮想通貨KASは2021年11月7日(日)にローンチされ、プレマインや事前割り当てのない完全オープンソースのプロジェクトとして注目を集めた。
中央集権的な管理が排除された「真の分散化」を目指す仕組みは、コミュニティ主導の分散型ネットワークの構築を目的としている。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)の特徴
ここからは、仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)の特徴について解説していく。
- BlockDAG技術の採用
- 「GHOSTDAGプロトコル」を採用
- 透明性の高い分散型プロジェクト
BlockDAG技術の採用
KASプロジェクトは、並列ブロックと即時トランザクション確認を可能にするデジタル台帳「BlockDAG(ブロックDAG)技術」を採用している。
ビットコインに代表される従来のブロックチェーンは、トランザクションのデータをブロックに格納し、承認作業を経て時系列でつなげ、直線的なチェーンを形成することで成り立っている。
KASプロジェクトが採用した「DAG(Directed Acyclic Graph / ダグ)」とは日本語で「有向非巡回グラフ」を意味しており、複数の点が巡回せずに一定方向に向かっている仕組みを指している。
ビットコインにおいては1つのブロックの生成に約10分ほどの時間を要するが、KASでは1秒ごとにブロックを生成することができる。
この仕組みにより、複数のブロックを並行して生成し、短時間で大量のトランザクションを適切に処理することができる。
KASネットワークは、BlockDAG技術を採用することにより、従来のチェーン型構造では対応が難しかったトランザクションの即時処理が可能になった。
「GHOSTDAGプロトコル」を採用
KASチェーンの最大の特徴は、複数のブロックを同時に生成し、互いに排除せずに効率的に統合する仕組みを持つ「GHOSTDAGプロトコル」を採用している点である。
GHOSTDAG(Greedy Heaviest Observed Sub-Tree DAG)プロトコルとはBlockDAG技術の一種で、KASプロジェクトが開発した独自のアルゴリズムである。
これはナカモト コンセンサス (ビットコイン コンセンサス) を一般化した「PHANTOMコンセンサス」を改良したものであり、オリジナルのPHANTOMコンセンサスをベースに、より効率的かつ実用的なアルゴリズムが実装されている。
GHOSTDAGにおいては、ブロックを重みに基づいて整理する仕組みが採用されており、常に最大の有効ブロックが優先される。
もっとも重いサブツリー(つまり、もっとも重要なチェーン)が常に拡張されるため、ネットワークの一貫性と安全性を維持しながら、効率的に整理できる。
また、この仕組みによりすべての有効ブロックが統合されるため、ブロックが孤立しにくくなり、ネットワーク全体の無駄が削減される。
これにより、ネットワークのパフォーマンスが向上し、高速で効率的な取引処理を安全に実行することが可能となる。
透明性の高い分散型プロジェクト
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)は、透明性と分散性を重視して設計されたプロジェクトである。
KASプロジェクトのコードはGitHubで公開されており、誰でも閲覧・監査が可能であるが、これにより、開発プロセスにおける不正や脆弱性が発見されやすい環境となるため、セキュリティが向上する。
なお、Ethereum(イーサリアム)もオープンソースプロジェクトであるが、The Mergeに代表されるような大規模なアップデートは中心的な開発者の関与が強いため、KASと比較すると完全に分散型のプロジェクトとは言い切れない。
また、Bitcoin(ビットコイン)は分散性に優れるが、中央管理者がいないことによりコミュニティの意思決定プロセスが複雑化し、非効率になってしまうリスクがある。
実際に、ビットコインではブロックサイズの上限が小さすぎるという意見があり、上限を引き上げるべきかどうかに関する議論(ブロックサイズ論争)が複雑化した事例がある。
分散性を重視するKASプロジェクトにもこのようなリスクは懸念されるが、GHOSTDAGプロトコルを活用してトランザクション処理能力を大幅に向上させたことで、少なくともビットコインと比較すると、ネットワーク負荷などに関して複雑な議論が起こるリスクは低いと考えられる。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)の価格動向
ここで、2022年10月から現在に至るまでの仮想通貨KASの価格動向をチェックしておこう。
2022年末から2023年初頭にかけては、0.01USDT以下の水準で推移していた。
2023年上半期に緩やかに上昇を始め、5月には約0.039USDTを記録する。
6月には一時0.16USDTほどまで下落するもののすぐに回復し、7月には5月の価格を上回り、0.05USDTほどまで上昇した。
10月以降は急騰し、0,05USDTほどだった価格は、11月には0.14USDTまで跳ね上がった。
2023年上旬の価格と比較すると、約1年をかけて14倍ほどに急成長を遂げた。
2024年以降は0.1USDTを下回らずに順調に成長を続けるが、短期的に大きく上下を繰り返しており、2024年1月は0.1USDT、2月は0.17USDT、4月は0.11USDT、6月は0.19USDT、10月は再び0.11USDT、12月には0.18USDTを記録した2週間後には0.11USDTを記録した。
長期的に成長してはいるものの、短期目線ではボラティリティが大きいため、KASへの投資を始める場合は取引するタイミングに気を付けると良いだろう。
KASは独自の技術の活用により、秒単位のトランザクション処理を可能にした革新的なプロジェクトだ。
将来性に期待できる反面、歴史の浅いエコシステムであるため、投資をしたい場合は慎重に検討するべきである。
仮想通貨投資に興味がある方は、国内取引所コインチェックの公式サイトにて少額から始めてみてはいかがだろうか。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)の将来性
次に、仮想通貨KASの将来性について、以下のポイントから考察していく。
- プロジェクトに新規参入しやすい
- 公平性が高い
- 省エネルギーで環境への影響が少ない
プロジェクトに新規参入しやすい
完全オープンソースであるKASネットワークは、開発者や利用者が自由にプロジェクトに参加し、誰でもその安全性や仕様を検証することができる。
世界中の開発者がプロジェクトに貢献できるため、イノベーションや改良が実現しやすく、今後の発展に関する可能性が広がる。
そのため、新しいユースケースやアプリケーションの開発が促進されやすく、さらなる採用が見込まれ、エコシステムの拡大が進みやすい。
さらに、コードが公開されていることで誰でも監視が可能な状態となるため、信頼性が高まるという利点もある。
公平性が高い
完全オープンソースである点も含め、KASは公平性が高いプロジェクトである。
その一例として、KASはプロジェクト公開時にフェアローンチを実施し、すべてのユーザーが公平にプロジェクトに参加できる仕組みを採用した。
「フェアローンチ(Fair Launch)」とは、特定の個人や団体に利益が偏ることなく、プロジェクトが公平に公開される方法を指す。
多くの仮想通貨プロジェクトでは、ローンチに際して開発者や初期投資家に事前配布(プレマイン)がおこなわれている。
このようなローンチ方式の場合は初期参加者が優位性を持つため、公平性が損なわれるという面もある。
それに対して、KASプロジェクトのようにフェアローンチ方式の場合は、誰でもプロジェクトの全ての情報にアクセスすることが可能であり、プロジェクトの開始時点で特定の開発者や投資家などに特権的な利益を与えずに公平性が保たれる。
そのため、フェアローンチ実施の後は、すべての参加者が対等な条件でトークンを扱うことが可能だ。
初期から完全に平等な条件で参加できるようフェアローンチを実施したKASプロジェクトは、公平性の観点において高く評価できるだろう。
省エネルギーで環境への影響が少ない
KASチェーンはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用しているものの、効率性を重視したアルゴリズムによってエネルギー消費を抑えている。
ビットコインに見られるように、PoWは計算量の膨大さから、環境への影響が懸念されてきた。
例として、中国では2021年5月よりビットコインのマイニングが原則禁止されているが、これはビットコインのマイニングによる電力消費が問題視されたことが要因のひとつとも言われている。
この課題について、KASチェーンは「kHeavyHash」と呼ばれるアルゴリズムを採用することで、他の多くのPoWアルゴリズムよりもワットあたりのハッシュパワー(マイニングマシンの計算能力)が高い環境を構築した。
kHeavyHashとはHeavyHash アルゴリズムの修正版であり、「光学マイナー」に対応している。
「光学マイナー」の基盤である光計算とは、電子(エレクトロン)ではなく光子(フォトン)の相互作用を利用した計算手法であり、この計算手法を活用することで、エネルギー消費量を抑えて計算(マイニング)することができるという特徴を持つ。
このような工夫により、KASプロジェクトでは環境負荷を最小限に抑えた運営が可能になっている。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)のリスク・注意点
KASは将来性が期待できる仮想通貨ではあるが、リスクもいくつかある。
投資を検討する場合は、ここから解説するリスク・注意点をあらかじめ確認しておこう。
類似プロジェクトが多い
KASプロジェクトの技術は注目されているが、KASと同様にスケーラビリティや高速処理を目指すプロジェクトは、既に複数存在している。
そのため、競争が激化する中で、KASがどの程度の地位を築けるかが課題である。
例として、以下のようなプロジェクトがKASの競合ネットワークとなりうるだろう。
- Solana(ソラナ)
Solanaは、高速かつスケーラブルなブロックチェーンプラットフォームとして知られている。
独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of History(PoH)」を採用し、1秒につき数千ほどのトランザクション処理能力を持つとされる。
これにより、低遅延と低コストの取引を実現している。
- Avalanche(アバランチ)
Avalancheは、高スループットと低遅延を特徴とするブロックチェーンである。
独自のコンセンサスプロトコル「Avalanche」を採用し、Avalanche エコシステム内の「サブネット」と呼ばれる複数のブロックチェーンを並行して運用することで、スケーラビリティと柔軟性を提供している。
- Polkadot(ポルカドット)
Polkadotは、異なるブロックチェーン間の相互運用性とスケーラビリティを重視したプラットフォームである。
独立した個々のパラチェーンと、それがリンクされたリレーチェーンの構造を持ち、複数のブロックチェーンを並行して処理することで、高いスループットを実現している。
KASネットワークは、BlockDAGおよびGHOSTDAGを採用し、1秒間隔のブロック生成とほぼ即時のトランザクション処理の提供を可能にした点において、これらの競合ネットワークよりも優位性があると考えられる。
また、完全オープンソースであり、事前マイニングや事前割り当てのないフェアローンチを実施しているため、ネットワークの分散化と公平性が高い点においても、KASプロジェクトは高い評価を得られるだろう。
ただし、SolanaやPolkadotなどの競合プロジェクトには既に多くの開発者やプロジェクトが参加しており、エコシステムの成熟度という観点ではKASネットワークよりも優れているだろう。
さらに、これらのプロジェクトは既に多くのユースケースや実績を持っているが、新興プロジェクトであるKASは運用実績は乏しいと言わざるを得ない。
今後どのように競合プロジェクトと差別化し、エコシステムを拡大できるかがKASプロジェクトの大きな課題である。
新興プロジェクトが抱えるリスク
KASは新興のプロジェクトであり、一般的なブロックチェーンとは異なるBlockDAG技術や、独自のGHOSTDAGプロトコルを採用している。
これらの新技術は十分な実績がないため、未知のセキュリティ上の脆弱性が存在する可能性がある。
特に、ネットワークの成長や複雑化に伴い、新たな攻撃手法が発見されるリスクが考えられる。
また、新興プロジェクトであるため、技術的な課題や開発スケジュールの遅れ、その他の予期せぬ問題が起こる可能性がある。
これらの要素はプロジェクトの進展や採用に影響を与えるため、注意が必要である。
国内非上場の銘柄
仮想通貨KASは現時点(2024年12月)では国内の取引所に上場しておらず、取引するにはBybitやBitgetといった海外の取引所を利用する必要がある。
KASを含む国内非上場の仮想通貨は、国内法の適用対象外となる銘柄だ。
こういった銘柄および海外のサービスには国内の規制が適用されないため、さまざまなトラブルに巻き込まれるリスクがある。
国内非上場銘柄を取引するリスク
国内の取引所にて取り扱われている銘柄は、すべて取引所がプロジェクトの内容について審査を実施し、かつ、金融庁の許可を得て上場している。
日本の規制の対象外である海外の取引所は玉石混交であり、意図せずとも詐欺(スキャム)コインを売買してしまうリスクなどが考えられる。
海外のサービスを利用するリスク
海外のサービスの多くは日本語のサポートに対応していないため、例えば「出金できない」などのトラブルが発生した場合、日本語が通じないのは不安に思う方が多いだろう。
また、言語の問題だけでなく、常識が異なる相手に誠実に対応してもらえるかどうか、文化が異なる相手に説明が通じるかどうかといった問題もある。
海外取引所のリスクについてさらに詳しく知りたい方は、「海外の仮想通貨取引所はおすすめしない?」の記事もぜひチェックしておいていただきたい。
このように、国内に上場していない銘柄の取引にはさまざまなリスクがあるため、投資を行う際には十分に注意しておくべきである。
仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)のまとめ
今回の記事では、仮想通貨KAS(Kaspa/カスパ)について解説した。
- PoWは、ビットコインにも採用されているコンセンサスアルゴリズム
- KASプロジェクトの採用したDAG技術により、複数のブロックを並行して生成することが可能になった
- KASは完全オープンソースのプロジェクトであり、誰でも自由に参入しやすい
- KASプロジェクトが採用したkHeavyHashアルゴリズムにより、環境への影響が最小限に抑えられている
- 仮想通貨取引には国内大手取引所のコインチェックが利用できる
KASプロジェクトは、BlockDAG技術とGHOSTDAGプロトコルを基盤に、高速かつスケーラブルなネットワークを提供することを目指している。
フェアローンチやオープンソース運営を通じて、真の分散型ネットワークを実現しようとしている点で評価されている。
一方で、競争環境や運営実績の乏しさに加え、国内非上場銘柄であるといったリスクも存在するため、これらを十分に理解し、投資の際は慎重に検討することが重要である。
仮想通貨への投資に興味を持った方は、国内取引所コインチェックを検討してみてはいかがだろうか。
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