東京大学でいい勝負ができるかどうか

東京大学の壁
東京大学でいい勝負ができるラインとは?

 才能が必要な壁として1つ目に挙げるのは東京大学。東大受験でいい勝負ができるかどうかの大きな壁として、二次試験で「150点前後までは取れるが、200点を超えられない」というラインが語られました。200点超えは、東京大学に「受かるかもしれない」と感じる点数の目安であり、150点前後だと厳しいといいます。

 小林さんは、150点前後の受験生は一定の努力ができている反面、“努力の方向性”に課題があることが多い、と指摘しました。力を入れる科目に偏りがあったり、勉強方法へのこだわりが強すぎたりというケースです。

 更に、同じ東京大学の合格者でも、時間や反復回数が少なくても効率よく学習できる人と、そうでない人との違いがあり、270~280点を取る上位での合格者は、時間効率が極端に高く、真似しようとしても難しいと語りました。

入試問題の複雑性が生み出す壁

 中橋さんが理系の壁として挙げたのは、名古屋大学です。九州大学・北海道大学までは届くが、名古屋大学で壁を感じるケースが多い、と述べました。数学・物理・化学といった理系問題の複雑性が一つ増す感覚があり、教科書にあるような問題の解答力ではなく、その場で考える能力が強く求められるといいます。

 小林さんが文系の壁として挙げたのは、大阪大学。ただ、小林さんの個人の意見としては一橋大学・京都大学だとしました。大阪大学の問題は出題者の意図が読めるが、一橋大学・京都大学は問題の意図を掴む作業から始まることが多く、ここに差があると述べます。

私立大学理系ではMARCHと東京理科大学の間

 私立大学では、MARCHと東京理科大学の間の壁が大きい、との見立てが中橋さんより提示されました。前者と後者では問題レベルに差があり、教科書・参考書で解けるレベルから明らかに逸脱し始めるのが東京理科大学だとしました。

 東京理科大学を乗り越える力があれば、科目数を増やして早慶へ合格できる、という意見も。ただし「科目を増やす」こと自体に壁があるとも言及しました。なお、小林さんによると、この壁は文系では上智大学にあたるといいます。

医学部の壁は御三家・順天堂大学

 医学部の壁として中橋さんから挙げられたのが、御三家(慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学)と順天堂大学です。小林さんは、1月に入試がある国際医療福祉大学にラインを感じるといいます。中橋さんも、国際医療福祉大学は、受験の見通しを立てる一つのラインとして捉えられると同意しました。一方で、問題の性質が異なるという意味で、才能の壁を感じるのは、やはり御三家というのが双方に共通する意見です。

MARCHの壁は何を意味するのか

MARCHの壁
MARCHの壁を越えられない理由とは?

 MARCHも一つの壁として話題に上がりました。MARCHの合格には学習時間が約2000〜2500時間必要といわれますが、これを実際に積み重ねられる受験生は学年上位に限られるのが現実です。

 小林さんは、問題自体は極端には難しくないのに、届かないのは「やり切る才能」の差が大きい、と語ります。生来の才能というよりも「努力できる才能」の壁であり、どれだけ危機感を持てるか、自分を追い込めるかという違いだと述べました。

 そして、壁を越えられない場合は、基本的に“受験における大きな課題”を持っているといいます。宿題をこなせない、やるべきことをできない、ゲームをしてしまうといった例が挙げられました。

共通テストの80%超えという壁

 最後に中橋さんは、共通テストの壁として80%超えのラインを示しました。数%の違いで80%に届かず、努力で叶わない壁を感じるケースが多いといいます。小林さんは、数%の取りこぼしは、どこまで細かく物事と付き合えるかがポイントだと語ります。理論上は到達していてもおかしくないのに、ミスの積み重ねや確認不足で数%を失う受験生が多い、という指摘がされました。

まとめ

 難関大学には、才能が必要な壁がいくつか存在するのは確かです。一方で、後天的に身につく才能はあり、そのためには努力が必要です。視聴者に向けては、自分を律して努力をし、自分にとって良い環境に行ってほしい、とまとめました。(次ページに解説動画あり)