共通テストの負荷が大きい国立大学・難関公立大学

国立大学・難関公立大学
国立大学・難関公立大学はなぜ入りにくくなった?

 入るのが難しくなっているランキングの第5位に、やや幅広い枠として、国立大学や難関公立大学を中橋さんは挙げます。理由は主に共通テストの負荷。ほとんどの国立大学では6科目や8科目といった多科目が求められ、幅広い準備が必要になる、という指摘です。単純な倍率や偏差値の上下ではなく、科目数の多さに伴う学習量の増加が大変さにつながっているという見方を示します。

 小林さんは、世間で出がちな反論を紹介。「子どもの数が減ったのだから競争は楽になったはず」という意見です。確かにシンプルな競争という意味では、ハードでなくなっている感覚がある、と一部で同意。しかし、覚える単語や解く問題など、積み上げる分量は増加している、と説明が続きます。それを実施する難しさは上がっている、ということです。

一般入試枠や二極化の影響を受けるGMARCH

 双方の意見が分かれるのが、一般入試のGMARCHです。中橋さんは、推薦入試が増える中で、一般入試の枠が絞られて負荷が高まっているのでは、という問題を提起して、第4位とします。

 一方、小林さんは、MARCHは「普通に入りやすい」と述べます。根拠として挙げるのが、受験生の二極化です。以前は「何がなんでもMARCH」と突撃してくる層が多く、確実に取りたい層はそうした受験生を押しのけて合格を取る必要があったといいます。ところが、今はその突撃組が減り、きちんと勉強した人が複数校受ければ合格を取りやすい構図になっている、という主張です。

受験生の質が変わってきた芝浦工業大学

 ランキングの第3位に、中橋さんが取り上げるのは芝浦工業大学です。上位の受験生が現実的になってきたことで、志望動機や層が変わってきた点を強調します。以前は、第一志望での受験やMARCHの併願といった立ち位置。しかし、より上位の国公立大学や東京理科大学を志望する層が「芝浦工業大学も行きたい」と考えるようになり、受験生の質が上がっている、ということです。

 小林さんも、女子枠の導入など取り組みの話題にも触れつつ、一般入試で合格を取るのが意外と難しくなっている、と述べます。保護者世代が抱くイメージとは、現状が変わってきている、と注意も促しています。

上位私立大学の共通テスト利用の厳しさ

 ランキング第2位で語られる論点は、上位私立大学の共通テスト利用の難しさです。以前から高い得点が必要だったものの、そのうえ現在は共通テスト対策を私大受験と並行する大変さが増している、と中橋さんは話します。どちらかというと国公立大学の上位層が枠を取っている部分がある、とのこと。

 小林さんは同意し、私立志望の人の共通テスト利用が、以前の「保険」という意味合いから、今は「受けはするけど厳しい」という感覚に変わっている、と詳しく説明します。むしろ国公立大学の上位層が、浪人回避や受験コストの観点から共通テスト利用を使い、少しランクを下げてでも確実な合格を取るための出願先になっている、と指摘。私立大学志望の人にとってはかなり厳しい現実だといいます。

入試問題がハードになっている東京大学

 中橋さんがランキング第1位に挙げたのは東京大学です。大学入試が二極化・三極化している中、平均的なレベルが下がっている一方で、上位は果てしなく上がっている、と述べます。その煽りを最も受けているのが東京大学という構図です。難しい問題をスピーディに解く必要があり、本当にハードだと感じるそう。

 小林さんも、東京大学の難化は疑いようのない事実だと語ります。少子化や倍率を根拠にした反論に対しては、「入試問題を見ろ」とのこと。合格点自体はそれほど変わっていないとしても、同じ得点を取るための難しさが増しているのが理由です。やるべきこと、積み上げる量が増え、大変になっている、と強調します。

暗記だけでは合格しにくくなった早慶文系

 ランキング外の補足として、小林さんは早慶の文系を挙げます。理系は元々高難度で変化が少ないのに対し、文系は昔より入りにくくなったという感覚だそう。私立3科目型で「詰め込めば届く」という以前のイメージが薄れ、今はそれだけでは足りない、と伝えます。共通テスト利用の動きもあり、総合力や運用能力を備えた受験生が合格している印象が強い、という話です。

まとめ

 受験を倍率だけで考えることは危うく、今の入試で増している難しさは変化しています。国公立大学の多科目化、共通テスト利用や受験生の質の変化など、難化の理由はさまざまです。最後に、受験生には周囲の大人の助言を聞きつつも、入試問題や難易度を実際に自分で確認して、志望校を選定することが大切だと助言しています。(次ページに解説動画あり)