進学しても後で変えても後悔のない志望校選び

 中橋さんは、まず前提として「志望校は変わるもの」だといいます。だからこそ、志望校が決まり切っていない高1生や高2生に向け、「後から変えても損が少ない」「そのまま進学しても後悔しにくい」大学を選んでおくのが有効だとします。高3生は早めの決定が必要ですが、高1・高2生でも今のうちに無難な志望校を定めておく意味は大きい、という考え方です。

文系は首都圏の国公立大学を軸に考える

高校生に志望校にしてほしい大学ランキング文系
現時点で高校生に志望校にしてほしい大学とは?

 中橋さんが文系で挙げたのは、①千葉大学、②東京都立大学、③明治大学の3校です。文系については、まず原則として国公立大学を志望校に置いてほしい、と強調。また、文系は「首都圏にいること」が重要だと見ており、その流れで千葉大学・東京都立大学が挙げられます。千葉大学は大学の規模が大きく、入学後の発展性があるという点を評価。東京都立大学は、学部によっては共通テストの科目数を絞れることがあり、後悔しにくい選択肢だということです。

 一方、私立大学で無難な志望校と挙げたのが、明治大学です。小林さんは、全体的に同意し、上智大学も候補として追加します。上智大学はTEAPスコア利用方式に少し面倒な面があるものの、英語をしっかり伸ばす方向性は将来にもつながる、と示唆されています。高1生・高2生なら、英語重視で狙う選択肢として悪くない、という提案です。

理系は調整のしやすさや研究環境に注目

 中橋さんは、理系では①東北大学、②筑波大学、③東京理科大学の3校を紹介します。中橋さんが、コスパが良いと話すのは東京理科大学。問題は難しいものの、理科1科目で受験しやすく、旧帝国大学とほとんど差のない評価がされている、と説明します。もし届かなければMARCH、さらに下のレベルへと調整しやすいことも、志望校に置きやすいポイントとして挙げられます。

 また、国公立大学で中橋さんが推しているのは東北大学と筑波大学です。東北大学は、現実的な良問に取り組みながら実力を伸ばせる目標として紹介されます。後で志望校を変えるにしても、幅広い大学を選びやすいという意味でおすすめ、とのことです。さらに、方向性が近い大学として、筑波大学に触れます。問題の質の面でも研究の実績面でも良いとして、本気で研究をしたい人に向く大学として勧めます。

 3校に対し、みんなにおすすめというには「ちょっとレベルが高い」と異を唱える小林さん。中橋さんは、選定で迷った候補として、広島大学・九州工業大学・名古屋工業大学の名を挙げます。一方、小林さんは、電農名繊(電気通信大学・東京農工大学・名古屋工業大学・京都工業繊維大学)を付け加えています。

難易度だけでなく地域も視点に置きたい医学部

 医学部で中橋さんが選定したのは、①新潟大学、②信州大学、③日本大学です。日本大学は、志望校に迷ったら置いておきやすい無難な大学として紹介。難易度が真ん中あたりで、上下への調整がしやすいのが理由です。

 国公立大学では、信州大学や新潟大学が挙げられます。ここで重視されているのは、自分が都市でも地方でも働けるかどうかを判断する機会を大学時代に持っておきたい、という視点です。中橋さん自身、千葉大学在学中に駅から徒歩約1時間のクリニックで3週間の住み込み実習を経験し、それがよい学びになったと振り返ります。地方医療の現場を知る機会は、将来の適性を考える上で意味がある、という主張です。

 小林さんは、雪国での生活の不安に言及します。冬場の暮らしや雪下ろしに慣れていない受験生にとって、大学の難易度や実習環境だけでなく、生活面の相性も無視できない、という指摘です。その流れで、比較的過ごしやすそうな地域の熊本大学・長崎大学も、「みんなに勧める」という意味では候補になりうる、と話が広がっています。

まとめ

 小林さんは、最初の志望校は「仮」で問題なく、受験勉強を始めた後、志望校との距離感や学習の進捗に合わせて、具体化したり、変更したりするのもよい、とまとめています。最初の志望校の置き方が、その後の勉強の進めやすさにもつながるのかもしれません。(次ページに解説動画あり)