「高校での探究活動」への評価を強く押し出す関西学院
年が明けると、大学入学共通テストを皮切りに2025年度の大学入試がいよいよ本番を迎える。新学習指導要領が高校でスタートして初めての入学者選抜。共通テストでは新たな科目として「情報」が加わる。また、同指導要領が自ら学ぶ力を付けるための教育(探究学習)に重きを置くことから、出題される問題も、より読解力や思考力が問われる内容に様変わりする見通しだ。30年間続いた「大学入試センター試験」が「大学入学共通テスト」に変わったのが21年度。そこから「入試改革」が始まり、25年度入試は改革の「本丸」と目されている。
入試改革を推進する文部科学省は、一連の改革を「高大接続改革」と呼ぶ。高校と大学の「接続口」である入試を変えるにとどまらず、高校で培った探究する力を受験勉強で断絶することなく、より本質的な大学での学び(研究)につなげようとする試みだ。
これを受け、大学側は「学校推薦型選抜」「総合型選抜」(旧AO入試)といった多面的評価による入学者選抜を一般選抜に先んじて実施し、その入学者割合を徐々に拡大してきた。とりわけ、22年度からは「高校の授業で行う探究の成果を評価する」探究型の総合型選抜(第3回参照)を実施する大学も目立っている。そして、「高校での探究活動を評価する」姿勢を極めて明確に打ち出し、評価対象となる探究活動の定義を具体的に公表しているのが、関西学院大学の「探究評価型入試」である。
同大学の25年度入試総募集定員は、全学部・全入試を合わせて合計5710人。23年10~11月に実施された24年度の「探究評価型入試」には78人が合格している(25年度の結果は後日公表)。同入試は、21年度まで実施していた「探究(課題研究)評価型入学試験」「スーパーグローバルハイスクール対象入学試験」「スーパーサイエンスハイスクール対象入学試験」の三つの入試を統合・発展させたもので、22年度からスタートし今回で4度目となる。