探究活動の「定義」を具体例とともに公表

募集要項
探究活動の定義を分かりやすく公表 出所:探究評価型入学試験要項 2025年度(関西学院大学)

「探究評価型入試」の募集要項を開くと、1ページにはアドミッション・ポリシーのほか、関西学院大学による探究活動の定義が赤文字で強調されている。いわく、「内容がアカデミックであり、社会的背景を含む活動」がそれに当たる。その上にある表には、三つの具体的な「例」により、探究活動に「該当しない活動」と判断される場合と、「該当する探究活動」と認められる場合が説明されている(上の募集要項抜粋委参照)。

「例」によれば、「該当しない活動」には、「大会で好成績を収めた」「雑誌やテレビで取り上げられた経験がある」「修学旅行訪問地の事前調べ学習を行った」ことが挙げられている。対して「該当する探究活動」では、成功体験の有無や単なる課題の遂行ではなく、自身の経験から新たな課題を発見し、その課題の解決への取り組みを問う内容となっている。

 端的に言えば、天性や経済的境遇に恵まれたからこそ発揮できる“華々しい成果”よりも、むしろ、失敗を別のチャンスに変えていけるくらいのたくましい探究力が求められているようだ。探究評価型入試を担当する、同大学入学センターの三原智幸氏は、「探究評価型入試が求めているのは『一芸』ではなく受験生の『主体性』です。『成果』よりも、どのように主体的に探究活動に取り組んだかの『プロセス』を評価します」と述べる。

 応募した受験生の探究活動は、大学などの機関と連携した探究活動や、英語での論文を成果物として作成するなど、実に多種多様だった。志望学部の学問分野と応募時の探究活動のテーマには関連性は問われず、合否判定でもそのことによる有利・不利はない。

「探究評価型入試と一般選抜では求める学生のタイプが異なる」と三原氏は言う。探究評価型入試では「学力プラス主体的に行動できる力」を備えた受験生を募っており、実際、同入試で入学した学生には、ゼミや研究室などでもリーダーとなるタイプが多く、大学に多様性が生まれる雰囲気づくりにも貢献しているようだ。