新課程「共通テスト」目前、現役志願率は過去最高
2025年度の「大学入学共通テスト」は、1月18日・19日に実施される。21年を初年度として今回で5回目。志願者数は、前身の「大学入試センター試験」から起算して32年ぶりに50万人割れを記録した24年度よりも3257人増え、49万5171人となった(大学入試センターの発表による)。
50万人台には戻らなかったものの、45.5%に当たる42万5968人が現役生で占められており、現役志願率は、センター試験が始まった1990年以降で過去最高だという(同)。そもそも少子化で35年前と比べると18歳人口は大幅に減った。そこへ来て、私立大学を中心に総合型選抜や学校推薦型選抜などの「年内入試」に注力する大学が増えたことで受験生の現役志向が高まり、反動から既卒受験生の割合は縮小している。
ここ数年の新型コロナ禍の影響による経済的理由から、(共通テスト受験が必須である)地元の国公立大学への進学志向が高まったこと、私立大学でも共通テスト利用方式を選択する志願者が増えたことなども、現役志願率を押し上げた要因と考えられる。
文部科学省は、大学入試改革を推し進める上で、入学者選抜における「学力の3要素」(※)の多面的な評価を標ぼうする。30年間続いたセンター試験を、名称から内容まで根本的に見直したその取り組みには、共通テストへの移行が入試改革の旗印としていかに重要視されていたかがうかがえる。
当初のもくろみでは、国語や数学の問題に記述式を導入する、英語では民間資格・検定試験を利用して、「読む」「聞く」に「書く」「話す」を加えた4技能評価をする計画も検討されたがいずれも実施初年度から断念、現在に至っている。
※学力の3要素:「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」