東大と科学大は前年比減、早慶は7%増
一方で、東京大学の一般選抜志願者数が8421人(前年比1011人減)と、この20年間で過去最低を記録した。共通テストの得点による「第一段階選抜」(いわゆる足切り)ラインを引き上げたことが主な要因と考えられる。
2024年10月、東京工業大学と東京医科歯科大学が合併して生まれた東京科学大学は、25年2月が再編後初の一般選抜となった。工学系の募集定員を減らしたこともあって、志願者数は前年比(東京工業大学)93.3%の4320人。東大、科学大という都内の国立最高峰2大学が、前年比志願者減という結果となった。
これに対し、早稲田大学の一般選抜志願者数は9万5938人で、前年比107.3%。慶應義塾大学は4万132人で前年比106.7%と、私大最難関の両大学は、共に志願者増。
早稲田に関しては、政治経済、社会科学、国際教養、人間科学、スポーツ科学の各学部の一般選抜で共通テスト受験が必須となっている。さらに、政治経済学部では数学が必修であるほか、他の文系学部でも数学の選択を可とし、国公立志願者の併願を促したことが志願者数の増加につながったと考えられる。
大学入試に詳しい識者は「積極的に推進してきた入試改革が功を奏し、入試の『早慶戦』では、今のところ早稲田がリード」としながらも、慶應も27年度の一般選抜で経済学部の「小論文休止」を発表するなど「黙って見ているわけではない」と予測する。