「年内基礎学力テスト」が2026年度から容認へ
だが、何といっても2025年度入試最大の話題は、首都圏の大規模私立大学による初の「基礎学力テスト型」学校推薦選抜の実施だった。
総合型選抜や学校推薦型選抜は、一般に年内に試験が行われ合否が決まる。年明けに実施される一般選抜とは異なり、事前の志望理由書提出のほか、試験当日の小論文や面接試験、プレゼンテーションなど、個別科目の学力検査以外の課題で評価が行われる。受験機会が増えるのは良いが、いわゆる「受験勉強」では対応できないため、その分受験生や教員の準備負担が増える面もある。
ところが、大東文化大学は24年11月に、東洋大学は12月に、「基礎学力テストのみで合否が決まる公募制の学校推薦入試」の実施に踏み切った。特に、毎年全入試合わせて10万人の志願者を集める東洋大学の「年内」「2科目の基礎学力テスト」のインパクトは絶大だった。
近畿圏の私立大学では、もはやスタンダートと呼べるほど、以前から「年内の基礎学力テスト推薦」が定着しているのだが、首都圏大規模大学での初導入を機に、文部科学省はこれに「待った!」をかけた。同省の「大学入学者選抜実施要項」によれば、2月以前の「個別学力検査」実施はルール違反となるからだ。事の次第は、前回を参照していただきたい。
実施要項を議論する同省の「大学入学者選抜協議会」は25年3月、多くの私立大学で2月以前に基礎学力テストが実施されている実情に合わせ、今年9月以降の総合型選抜、学校推薦型選抜での基礎学力テスト実施を容認するとともに、併せて面接や小論文による「多面的評価」を求める方針を示した。各大学はこれにどう対応するのか。26年度入試の詳細発表までの時間は迫っている。