国公立校と私立校で事情が異なる「逓減型」
概ね受験者数が減少傾向にある「逓減型」の13校のうち、国公立校が7校と半分を占めている。
男子の場合には、実倍率が4倍に向けて逓減していったことを指摘したが、女子の場合は緩和しても5~6倍台にとどまる学校が多い。千代田区立九段(区分B)、東京都立の桜修館、大泉、小石川、白鷗、南多摩と神奈川県立相模原が当てはまる。それだけ女子受験生にこうした公立一貫校はまだまだ人気があるということだ。
「逓減型」の残りは、女子校が4校、共学校が2校となる。大妻(第1回)は、308人(2.43倍)、306人(2.62倍)、279人(2.58倍)、266人(2.58倍)、258人(2.53倍)と、実倍率2倍半前後を保ちながら、受験者数がじわじわ減っている。十文字(第1回)も同様に1.3倍程度の実倍率を保ちながら受験生は少しずつ減っている。2日の鎌倉女学院(1次)は、491人(1.79倍)、475人(1.70倍)、418人(1.49倍)、429人(1.45倍)、377人(1.34倍)と、22年に急落している。何か、てこ入れ策が必要な状況にありそうだ。
その点、頌栄女子学院(第1回)は、320人(2.83倍)、272人(2.57倍)、241人(2.32倍)、228人(2.17倍)、252人(2.29倍)と22年に少し上向いた。「回復型」に転じるかもしれない。
最後に、二つの共学校を見ておこう。広尾学園(第1回)は、329人(6.58倍)、307人(5.90倍)、295人(5.36倍)、267人(5.68倍)、254人(5.29倍)と年々緩和傾向にある、それでも実倍率5倍台と狭き門である点、姉妹校の広尾学園小石川に流れている点を考えれば、まだ許容範囲といえるかもしれない。
一方で、1日午前に1回だけの入試を行う創価には課題がありそうだ。かつては創価学会員の子弟が殺到して高倍率を維持していたのだが、189人(3.26倍)、188人(3.03倍)、160人(2.71倍)、132人(2.40倍)、137人(2.14倍)とじりじり緩和、実倍率2倍割れも視野に入ってきた。どこに受験生を求めるか、考える時期に来ているのかもしれない。