コロナ禍でも回復傾向にある学校

 20年前後を底に受験生を増やしている「回復型」は12校あり、こちらも共学校と女子校で半々である。女子校の典型例は三輪田学園(第1回午前A)で、200人(1.72倍)、134人(1.35倍)、144人(1.64倍)、152人(1.71倍)、190人(2.00倍)のように順調に回復しており、実倍率は2倍に乗せた。

 一方で、回復基調にあるものの、18年水準までは戻していない女子校としては、湘南白百合学園(4教科)がある。173人(1.37倍)、158人(1.32倍)、151人(1.94倍)、116人(1.30倍)、138人(1.48倍)と、21年の落ち込みが大きい。実倍率は「山の字型」であり、23年に勢いをつけられるか。文京学院大学女子(ポテンシャル〈1〉文京方式)、相模女子大学(教科型第1回)、捜真女学校(A)も同様で、23年にさらに上乗せすることができるか、注目しておきたい。

 共学校の「回復型」の典型例は、日本大学第三(第1回)である。129人(1.57倍)、112人(1.27倍)、101人(1.23倍)、130人(1.57倍)、133人(1.36倍)とVの字を描いている。人気が衰えない日大系列では、同じ「回復型」の日本大学第二(第1回)が193人(2.03倍)、163人(1.79倍)、174人(1.93倍)、203人(2.23倍)、202人(2.32倍)と実倍率が2倍を大きく上回っていることを考えると、かなり受けやすい状況にある。

 公立校では、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属も、22年に少し緩和したものの、5倍台の実倍率を維持している「回復型」である。

「安定型」の学校は意外と少なく、7校しかない。典型例は京華女子(第1回2科・4科型午前)で、61人(1.61倍)、64人(1.42倍)、65人(1.41倍)、64人(1.36倍)、61人(1.45倍)といった具合で、受験者数は60人台、実倍率は1倍半前後で推移している。

 人気難関校の豊島岡女子学園(1回)は、初回入試が2日に設定されているため、1日難関校の併願先として安定した人気を誇っている。1018人(2.57倍)、1000人(2.54倍)、986人(2.45倍)、1006人(2.45倍)、999人(2.41倍)で、受験者数は1000人前後、実倍率は2倍半前後となっている。

 最後に、コロナ禍の2年間で受験者数が概ね緩和傾向にある学校を見ていこう。

 20年前後にピークを迎え、21~22年は低下気味で逆Vの字を描く「山の字型」には、「逓増型」でありながら22年に大きく落とした学校も含む24校が該当した。うち女子校が13校ある。
 
 コロナ禍直前の20年が受験者数のピークだった学校が多い。共立女子(2月1日)は、396人(2.64倍)、454人(3.05倍)、529人(3.31倍)、398人(2.54倍)、328人(2.17倍)と、コロナ禍で勢いをそがれた典型といえる。東京メトロ東西線や都営地下鉄新宿線経由で、東京東部や千葉方面からの受験生も多かったことから影響を受けている様子がうかがえる。江戸川女子(一般4科第1回)も同様だ。