個別指導塾の料金相場はいくら?

 個別指導塾の料金には、教材費、講習費、維持費など、授業料以外にかかる費用もさまざまあります。そのため、以下の料金相場を参考にして、しっかりと費用を見積もるようにしてください。

小学生の場合

 小学生の料金は、週1回で10,000円〜15,000円が相場です。小学生の授業時間は中学生や高校生よりも短いことがあり(45分〜60分)、その分授業料も安くなっています。学年別の料金は、小6が最も高く、学年が低くなると安くなります。塾によって、小1から受け入れているところもあれば、小4から受け入れているところもあるので注意しましょう。

 また、公立校進学か、中学受験をするかでも料金が異なることがあり、さらに中学受験で難関校を目指す場合は料金が高くなるのが一般的です。そもそも、中学受験に対応していない塾もあるので、通塾の目的に合った塾選びをするようにしてください。

中学生の場合

 中学生の料金は、週1回で15,000〜20,000円が相場です。中学生では、苦手科目克服のために個別指導塾を選ぶ生徒が多く、集団塾と併用するパターンもあります。学年別の料金は、中1は安く、中3が高くなります。

 カリキュラムには、学校の教科書準拠のコース(定期テスト対策も実施)、難関校受験を目指すコース、中高一貫校に通う生徒向けのコースなどが用意されていることがあり、難関校受験や中高一貫校向けのコースは料金が高くなることがあります。

高校生の場合

 高校生の料金は、週1回で20,000円〜25,000円が相場です。1対1の個別指導だと、30,000円程度の料金になることもあります。学年別の料金は、高1は安く、高3が高くなります。

 高校生は、通っている高校によって学習内容や進度が異なる上に、進学希望先も幅が広いため、オーダーメイドカリキュラムを採用している個別指導塾がほとんどです。ただし、最難関校や医学部を受験するコースでは、授業料が高くなることがあります。別途、レベル別の映像授業を用意している塾も多数あります。

授業形態・タイプによる料金の違い

 個別指導塾には、さまざまな授業形態やタイプがあり、比較的安価で個別指導を受けられる塾から高額な塾まであります。

安価な個別指導塾の授業形態・タイプ

 安価な個別指導としては、「オンライン指導塾」「自立学習塾」が挙げられます。これらの塾では、上記の相場よりも安い料金で個別指導を受けられることがあります。

 オンライン指導塾は、校舎・教室を構えなくてもよいため固定費がかからず、受付スタッフなどの人件費や清掃などの維持費もかからないので、その分授業料を安く抑えることができます。

 自立学習塾は、生徒の学習管理が主な業務の塾です。生徒は映像授業やテキスト・プリントを使って学習を進め、わからないことがあれば講師が質問に答えたり、学力が身についているかをテストで確認したりする授業スタイルなので、講師の人件費を削減できます。また、個別指導塾でありながら、多人数の生徒の授業をオープンスペースで一斉に見ることができるので、授業料が安くなります。

一般的な個別指導塾の授業形態・タイプ

 一般的な料金の個別指導塾としては、以下で紹介する明光義塾やスクールIEなどの大手個別指導塾が挙げられます。一般的な料金の個別指導塾は、「1対2〜4の個別指導」「苦手克服や教科書準拠のカリキュラム」「1コマ80分〜90分」などが主流の授業形態・タイプで、料金は上記の相場程度です。大手個別指導塾の他に、個人経営の塾でも同じような授業形態・タイプを取り入れていることが多く、料金も同程度であることが多いようです。

 大手の個別指導塾では、塾オリジナルの模試を実施していたり、オリジナルテキストを購入する必要があったりすることも多く、これらの費用が追加でかかることがあります。

高額な個別指導塾の授業形態・タイプ

 高額な個別指導塾として、「1対1の個別指導」「講師のランクを選べる」「最難関校・医学部受験向け」などの特徴が挙げられます。

 1対1の個別指導は、1対2〜の個別指導に比べて高額になります。また、講師を指名できる塾では、講師のランクによって授業料が高くなることがあります。さらに、中学受験で御三家を目指す場合、最難関校や医学部受験向けのコースを受講する場合にも、高額になることがあります。

おすすめ個別指導塾の料金

 数多くある個別指導塾の中から、代表的な個別指導塾を6つピックアップして、塾の特徴や料金を紹介します。

明光義塾

 明光義塾は個別指導塾の草分け的存在で、教室数・生徒数でNo.1(日本能率協会総合研究所2024年4月調べ)を誇る大手個別指導塾です。明光義塾のカリキュラムは完全オーダーメイドで、入塾時のカウンセリングをもとにカリキュラムを策定します。入塾してからも、2か月に1回のペースでカウンセリングが行われ、必要に応じてカリキュラムが改訂されるので、生徒の学習状況に応じた指導を受けることができます。

 指導形態は、講師1人に対して生徒は3人まで。授業は、明光義塾のオリジナル教材を中心に学習を進めます。例えば、中学生のオリジナルテキストは、問題ごとに10段階の難易度が設定されているため、基礎レベルから応用・発展レベルまで、生徒の学力に応じた問題で演習することができます。明光義塾では、オリジナルテキストの他にも、オリジナルノートや講習用教材、学習の振り返りに活用するノートなど、独自の教材を採用しているのが特徴です。

 明光義塾にかかる費用は、次の通りです。

【授業料以外にかかる費用】

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項目 費用 注意事項
入会金 11,000円 キャンペーン利用で無料になることがある
初回諸経費 4,400円 初回のみ
教室維持費 3,630円 毎月支払う
教材費 ※要問い合わせ 受講する教科や学年によって異なる
模試・テスト代 ※要問い合わせ 別途必要
※出典: 明光義塾公式サイト。教室によって費用が違う場合がある。
2024年12月時点。表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

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学年 週1回 週2回 週3回
小1〜小4(45分) 7,150円 14,300円 21,450円
小1〜小4(90分) 12,100円 22,000円 30,800円
小5(45分) 7,150円 14,300円 21,450円
小5(90分) 13,200円 24,200円 34,100円
小6(45分) 7,150円 14,300円 21,450円
小6(90分) 14,300円 26,400円 37,400円
中1・中2 15,400円 28,600円 39,600円
中3 16,500円 30,800円 42,900円
高1 16,500円 30,800円 44,000円
高2 17,600円 33,000円 47,300円
高3 18,700円 35,200円 50,600円
※出典: 明光義塾公式サイトの授業料シミュレーション

スクールIE

 スクールIEは、やる気スイッチグループが運営する大手個別指導塾で、全国に1,200以上の教室を展開しています。スクールIEでは、入塾時に個性診断や学力診断を実施していて、その結果をもとに生徒のやる気を引き出す指導を行っています。

 スクールIEの指導形態は、1対1の個別指導と1対2の個別指導から選ぶことができます。カリキュラムは生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドで、難関校対策や定期テスト対策など、要望に合わせてカリキュラムを調整してもらうことができます。

 基礎教材の他に、スクールIEオリジナルのテキスト「夢SEED」を作成するのも特徴です。夢SEEDは、学力診断をもとに生徒一人ひとりに合わせた内容で作成されるため、効率的に苦手を克服して成績アップを目指すことができます。また、スクールIEの「やる気スイッチプレミアムクラブ」会員になることで、5教科10,000本以上の映像授業が見放題になります。

 スクールIEにかかる費用は、次の通りです。

【授業料以外にかかる費用】

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項目 費用 注意事項
入会金

11,500円

または23,100円

小4まで:11,500円

小5から:23,100円

維持管理費 ※要問い合わせ 入会時期によって異なる
基礎教材費 ※要問い合わせ 受講する教科数や入会時期によって異なる
別途教材費 1,500円前後 講習会に使う教材で、1冊およそ1,500円
※出典: スクールIE公式サイト。2024年12月時点。
表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

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<1対2>
学年 授業時間 週1回 週2回 週3回 週4回 週5回
小2〜小4 45分月謝 8,100円 16,200円 24,300円 32,400円 40,500円
小5 60分月謝 10,790円 21,560円 32,340円 43,130円 53,900円
小1〜小5 90分月謝 16,170円 27,150円 38,150円 47,350円 58,960円
小6 60分月謝 11,230円 22,440円 33,660円 44,890円 56,110円
小6 90分月謝 16,770円 28,300円 39,870円 49,720円 61,820円
中1・中2 90分月謝 17,340円 29,480円 41,580円 52,010円 64,680円
中3 90分月謝 17,910円 30,630円 43,300円 54,300円 67,550円
高1 90分月謝 19,080円 33,530円 49,110円 62,400円 77,990円
高2 90分月謝 20,220円 35,820円 52,610円 67,060円 83,830円
高3 90分月謝 21,390円 38,150円 56,040円 71,640円 89,540円
※スクールIE帝塚山校の料金。2023年11月時点。以下同。
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<1対1>
学年 授業時間 週1回 週2回 週3回 週4回 週5回
小1〜小4 45分月謝 10,400円 20,790円 31,190円 41,580円 51,980円
小5 60分月謝 13,860円 27,720円 41,580円 55,440円 69,300円
小1〜小5 90分月謝 20,790円 36,390円 52,010円 65,830円 82,060円
小6 60分月謝 14,690円 29,370円 44,060円 58,750円 73,430円
小6 90分月謝 21,960円 38,720円 55,440円 70,490円 87,780円
中1・中2 90分月謝 23,100円 41,010円 58,940円 75,070円 93,610円
中3 90分月謝 24,270円 43,340円 62,370円 79,730円 99,330円
高1 90分月謝 26,010円 48,540円 71,610円 92,400円 115,500円
高2 90分月謝 27,150円 50,820円 75,110円 97,070円 121,330円
高3 90分月謝 28,300円 53,160円 78,540円 101,640円 127,050円
<理社国コース(少人数指導)>
学年 1科目 2科目 3科目

個別週2回以上

+集団3科

個別週3回以上

+集団3科

中1・中2 3,700円 7,400円 11,100円 8,810円 5,500円
中3 4,620円 9,240円 13,860円 11,000円 6,610円

ITTO個別指導学院

 ITTO個別指導学院は、47都道府県に1,200以上の教室を構える大手個別指導塾です。ITTO個別指導学院のコースには、「スタンダードプラン」と「フリープラン」の2つのプランがあります。

 スタンダードプランは、講師1人に生徒3人の指導形態で、学校の教科書(5教科に対応)に沿った内容で学習します。フリープランは、1対1の完全マンツーマンから1対3まで(兄弟姉妹・友達のみ可)の個別指導が選べ、カリキュラムはオーダーメイドになっています。

 フリープランを受講する生徒は、ワンランク上のスキル・経験・知識を備えた「SS講師」を指名することができます(別途指名料が必要)。また塾生は、ITTO個別指導学院オリジナルの模試が無料で受けられます。

 ITTO個別指導学院にかかる費用は、以下の通りです。今回は三軒茶屋校(東京都世田谷区)の料金を例として挙げていますが、地域により料金が異なる可能性があるので注意してください。

【授業料以外にかかる費用】

項目 金額 備考
入会金 13,200円 入塾時のみ
年会費 16,500円 年1回、入会月に支払う
教材費 ※要問い合わせ 受講する教科や学年によって異なる
※2024年12月時点。表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

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<スタンダードプラン(講師1名✕生徒3名)>
指導回数 週1回(月4回) 週2回(月8回)
指導時間 50分 80分 50分 80分
小4 9,790円 14,190円 18,370円 26,840円
小5 9,900円 14,410円 18,700円 27,280円
小6 10,010円 14,520円 18,920円 27,500円
中1 10,120円 14,850円 19,250円 28,050円
中2 10,670円 15,400円 20,240円 29,370円
中3 11,000円 16,060円 21,010円 30,580円
※出典: ITTO個別指導学院三軒茶屋校。以下同。
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<フリープラン(月4回受講の場合)>
講師✕生徒数 完全マンツーマン 講師1名✕生徒2名 講師1名✕生徒3名
指導時間 50分 80分 50分 80分 50分 80分
小4 14,410円 21,010円 10,670円 15,400円 9,350円 13,530円
小5 14,520円 21,230円 10,780円 15,730円 9,460円 13,640円
小6 14,630円 21,340円 10,890円 15,840円 9,680円 14,080円
中1 14,850円 21,450円 11,000円 16,060円 9,790円 14,190円
中2 15,510円 22,660円 11,770円 17,050円 10,120円 14,850円
中3 16,280円 23,650円 12,320円 17,820円 10,670円 15,400円
高1 19,140円 27,830円 14,410円 21,010円 12,430円 17,930円
高2 20,900円 30,360円 15,510円 22,660円 13,420円 19,580円
高3 22,990円 33,330円 17,160円 25,080円 14,960円 21,780円

ナビ個別指導学院

 ナビ個別指導学院は、東北から九州までの44都府県に、700以上の直営校を運営している個別指導塾です。指導形態は、講師1人に生徒2人までの個別指導で、1コマ80分の授業(教室によって異なる可能性がある)を行っています。

 小学生は算・国・英、中学生は数・英・国、高校生は数・英の教科に対応しています。また、中学生は定期テスト前に理・社のテスト対策を受けることができます。

 ナビ個別指導学院の特徴は、学校の授業の先取り学習を行う「予習型」の塾であることです。そのため、ナビ個別指導学院では学校の学習内容をコンパクトにまとめた授業を行います。予習型の授業をしているため、学校の授業がわかりやすくなるのがメリットです。

 ナビ個別指導学院にかかる費用は、次の通りです。

【授業料以外にかかる費用】

項目 料金 備考
入会金 22,000円 入塾時のみ
諸経費 2,980円 月額料金
教材費 ※要問い合わせ 教科や学年によって異なる
※出典: ナビ個別指導学院「入会のご案内」より。2023年2月時点。
表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

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学年 週1回 週2回 週3回
小1〜小4 10,800円 21,500円 32,200円
小5・小6 12,600円 24,800円 37,300円
中1・中2 12,600円 24,800円 37,300円
中3 16,800円 33,300円 49,900円
高1 16,800円 33,300円 49,900円
高2・高3 17,700円 35,300円 52,900円
※出典: ナビ個別指導学院公式サイト。2024年12月時点。

個別教室のトライ

 個別教室のトライは、株式会社トライグループが運営する個別指導塾で、「家庭教師のトライ」や「トライプラス」と同じ系列の塾です。教室は、全国に約650の直営校を展開しています。

 個別教室のトライは、完全マンツーマンの塾です。カリキュラムはオーダーメイドで、生徒の目標や授業回数に応じたカリキュラムを作成してもらえます。

 個別教室のトライは、担当する講師のランクで授業料が変動する料金体系になっているのが特徴です(講師については以下で解説)。費用は、入会金と授業料・講習費のみで、教室維持費や教材費がかからないため、わかりやすい料金プランになっています。

 また、映像授業「Try IT」を利用することができるので、苦手の克服や受講科目以外の学習にも役立ちます。個別教室のトライにかかる費用は、次の通りです。

【授業料以外にかかる費用】

項目 費用 注意事項
入会金 11,000円 キャンペーン利用で無料になることがある
※出典: 個別教室のトライ公式サイト。2024年12月時点。
表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

<講師のランクによるコースの違い>
コース 講師ランク 解説
プロコース トライ認定プロ講師 豊富な指導経験や難関入試での合格実績があるプロ講師
セレクトコース 指定講師

ある程度の指導経験や指導実績がある社会人講師

(詳しくは、教室長に確認のこと)

スタンダードコース トライ認定の講師 学生講師や指導経験が少ない社会人講師
コース 対象学年 月謝(週1回) コマ単価
120分 150分 180分 120分 150分 180分
プロ 全学年 68,530円 84,590円 100,210円 15,785円 19,800円 23,705円
セレクト 全学年 44,330円 54,010円 63,690円 9,735円 12,155円 14,575円
スタンダード 中1・2 30,690円 37,070円 34,650円 6,325円 7,920円 9,460円
中3 33,770円 40,810円 48,070円 7,095円 8,855円 10,670円
※出典: 個別教室のトライ「入会案内」。個別教室のトライ 天王寺駅前校の料金。2023年10月時点。

代々木個別指導学院

 代々木個別指導学院は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県に約80の校舎を運営している個別指導塾です。代々木個別指導学院の指導形態は、講師1人に生徒2人までで、1コマ80分の授業です。カリキュラムはオーダーメイドで、生徒の能力や個性に応じた学習プランを立ててもらえます。

 代々木個別指導学院では、一人ひとりの才能を最大限に引き出せるような指導を心がけており、安易に解答・解法を教えることはせず、自分で考える力や勉強の仕方が身につくような指導を行っています。使用する教材も、生徒の学力や要望に合わせて講師と相談しながら選択することが可能です。

「ワンランク上のめんどうみ」をキャッチコピーとする代々木個別指導学院では、中学生で5教科をまとめて受講するコースがあり、およそ3教科分の料金で5教科の授業を受けられるのも特徴です。

 代々木個別指導学院にかかる費用は、次の通りです。

【授業料以外にかかる費用】

項目 費用 注意事項
入会金 20,000円 入塾時のみ
その他費用 ※要問い合わせ 教材費、維持費等が必要で、学年や地域によって料金が異なる
※出典: 代々木個別指導学院チラシ。2024年1月時点。表は税込料金。以下同。

【授業料(月額)】

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科目 1科目 2科目 5科目
小1〜小3 ※要問い合わせ ※要問い合わせ
小4〜小6 7,850円 15,700円
中1 10,150円 20,300円 28,350円
中2 10,700円 21,400円 29,450円
中3 11,250円 22,500円 30,550円
高1 14,900円 29,800円
高2 15,450円 30,900円
高3 16,000円 32,000円

個別指導塾の費用内訳をチェック

 個別指導塾では、授業料以外にもさまざまな費用がかかります。一見授業料が安くても、多様な名目で費用がかかると、支払う総額では高くなってしまうことがあります。入塾の際には、授業料だけでなく、授業料以外に費用がどれくらいかかるのか、内訳をチェックしておきましょう。

 また、以下で紹介する費用は、「諸経費」としてまとめて徴収されることもあるため、内訳が不透明な場合には注意してください。

入会金・入塾金・登録料

 入会金は入塾時にかかる費用で、相場は10,000円〜25,000円です。入会金にプラスして、入塾手続きの事務手数料として登録料がかかることもあります。

年会費

 年会費は、年度の更新時に支払う費用です。年会費がない塾もあります。

教材費

 教材費は、塾で使用する参考書や問題集、ノートなどの教材を購入する際にかかる費用です。通常授業のテキストの他に、講習用テキストの購入が必須だったり、演習用テキストの購入を勧められたりすることがあります。教材費に、プリント印刷代などを含んでいる塾もあります。

模試費

 模試費は、模試を受ける時にかかる費用です。オリジナルの模試を実施している塾や、外部模試を受けることがカリキュラムに組み込まれている塾もあります。

テスト費

 テスト費は、「月例テスト」や「理解度チェックテスト」などを受けるためにかかる費用です。塾生は無料でテストを受けられる塾もありますし、テストを行わない塾もあります。

施設管理費・教室維持費・設備費

 施設管理費は、教室の賃貸料、電気代、水道代、清掃代など、施設の維持にかかる費用です。

事務手数料・システム手数料

 事務手数料は、塾生データの管理、指導報告書の作成、入退室管理システムの利用、受験情報などの提供、成績管理などにかかる費用です。

季節講習費

 季節講習費は、主に学校の長期休業中に行われる講習(春期講習、夏期講習、冬期講習)の受講でかかる費用です。受講を任意にしている塾もあれば、原則受講を課している塾もあります。季節講習費は、短期間でまとまった金額が必要になります。

特別講習費

 特別講習費は、通常授業や季節講習の他に行われる講習(正月特訓、日曜特訓、志望校別対策講座、適性検査対策、教科別特訓、受験直前講座、面接対策、小論文対策など)の受講でかかる費用です。特に受験生は、特別講習費が高くなる傾向があります。

その他

 その他にも、明細書の発行で手数料がかかったり、塾生専用の映像授業を見るための費用が発生したり、塾生用アプリの利用料が必要だったりと、さまざまな費用がかかることがあります。

個別指導塾の費用を安く抑える方法

 個別指導塾は、集団塾よりも費用が高くなりがちです。できるだけ費用を抑えるためには、以下のポイントをチェックしてみてください。

キャンペーン

 各塾では、「入会金無料」「夏期講習授業料20%OFF」「友達紹介」などのキャンペーンを実施していることがあります。キャンペーンを利用することで、費用を抑えたり、図書カード・ギフトカードがもらえたりします。

割引特典

「兄弟・姉妹割引」「特待生割引」「ひとり親家庭割引」など、適用条件に当てはまれば割引特典を利用することができます。特待生割引には、授業料が最大で無料になる塾もあるので、費用をかなり安く抑えることができます。

自治体の助成事業

 自治体では、「塾代助成事業」「習い事応援事業」などの事業を行っていることがあります。助成事業では、塾代・習い事代として毎月5,000円〜1万円程度の助成金を受け取ることができます。自治体によって申請基準や対象者が異なりますので、お住まいの自治体のホームページなどで確認してください。

無料体験授業

 多くの個別指導塾では、無料の体験授業を実施しています。無料の体験授業を受けることは、塾選びに役立つと同時に、実質的に授業料を減額できるため、費用を抑えるのにも役立ちます。

指導形態

 1対1の個別指導よりも、1対2〜の個別指導のほうが総じて料金が安くなります。授業中心の学習スタイルなら1対1のほうが質の高い授業を受けられますが、演習中心の学習スタイルだと、実際に受ける指導の時間はほとんど変わらないこともあります。そのため、演習中心の塾なら、1対2〜の個別指導を選んだほうがコスパがよくなります。

教材

 授業で使う教材以外にも、家庭学習用教材の購入を勧められることがあります。しかし、あれもこれもと購入してしまうと、消化しきれないことも。必要な教材を選定して購入するようにしましょう。

個別指導塾を選ぶ際のポイント

 個別指導塾には実に多くのタイプがあり、どの塾に通わせたらよいか迷ってしまうこともあるでしょう。個別指導塾を選ぶ際には、次のポイントを意識してみてください。

通塾の目的

 まずは、何のために個別指導塾に通うのかをはっきりとさせることが大切です。

 塾には、生徒の苦手をフォローする「補習塾」もあれば、受験対策を中心に行う「進学塾」もあります。また、中学受験に強い塾もあれば、高校受験に強い塾もありますし、地域密着型で地域の受験に強い塾や、全国展開で受験情報が豊富な大手塾もあります。通塾の目的に合った個別指導塾を選ぶようにしましょう。

指導方法

 学校の先取り授業を行う塾もあれば、演習中心で間違えたところだけを教える塾、授業を行わない自立学習型の塾もあります。自立学習型の塾のほうが料金は低めに設定されていることが一般的ですが、ある程度自走力のある中学生や高校生でないと、自立学習型の塾を使いこなすのは難しいでしょう。

授業形式

 授業形式には、オンライン型の塾と対面型の塾があります。オンライン塾は比較的低価格で授業を受けられ、通塾時間を削減できるのがメリットです。対面型の塾は、集中できる環境で授業を受けられたり、自習室が利用できたりするなどのメリットがあります。塾までの通塾時間や生徒の個性に合わせて、どちらの授業形式にするかを選んでください。

 また、対面型の塾の場合、1対1の個別指導か1対2〜の個別指導のどちらがよいかを考える必要があります。1対1のほうがきめ細やかな指導を受けられますが、その分料金は高く、1対2〜は料金は低めですが、実質的な指導時間は短くなります。前述の通り、コスパのよい指導形態を選びましょう。

オプション

 無料のオプションが利用できる塾がおすすめです。定期テスト対策が受けられたり、授業のない日でも自習室が使えたり、定期的に面談をしてくれたり、映像授業が視聴できたりと、塾生が利用できる無料のオプションが豊富な塾を選ぶと、お得に通塾することができます。中には各種オプションが有料で、費用がかさんでしまう塾もありますので注意してください。

講師

 個別指導塾では、講師との相性も重要です。講師の希望を伝えれば、希望に合った講師を探してくれる塾が多いので、講師の性格や指導歴など、外せない条件を伝えるようにしましょう。また、体験授業を受けて、どのような授業をしているのかを体験してみることも大切です。

成績保証

 個別指導塾では、「前回の定期テストからプラス20点」などの成績保証が付いているところがあります。適用条件は塾によってさまざまですが、成績保証が付いている塾では、成績アップのための十分な指導が期待できます。もし成績が上がらなければ、無料で補習をしてもらえることもあるので、安心して通い始められるでしょう。

個別指導塾の選び方の注意点

 塾選びで後悔しないために、個別指導塾を選ぶ際には以下の点に注意しましょう。

年間にかかる費用を試算してもらう

 授業料が安い塾でも、授業料以外でさまざまな費用がかかり、想定よりも高額になってしまうことがあります。授業料の他にどのような費用がかかるのかの説明を受けるとともに、年間でどの程度の費用が必要なのかを試算してもらうことで、料金に対する不安や不満を減らすことができます。

在籍している講師を確認する

 個別指導塾は、講師の指導力が生徒の成績に大きく反映されます。そのため、どのような講師が在籍しているのかを確認しておくことが大切です。例えば、学生講師よりも社会人講師に教えてもらうほうが、保護者も安心することが多いようです。

 また、「無料で講師を交代できる」という塾でも、生徒が通いたい時間に対応できる講師が限られていることもありますし、学生講師は途中で辞めてしまうこともあるので、どのような講師に教えてもらえるのかをよく確認しておきましょう。

教室の雰囲気を体験する

 個別指導塾は、オープンスペースに個別のブースがあり、そこで指導を受けることがほとんどです。そのため、他の生徒の話し声が気になって、授業に集中できないという生徒もいます。塾の中には、生徒が学習しやすい環境にこだわっているところもありますので、実際に足を運んで、教室の雰囲気を体験するようにしましょう。

いつでも相談できるか

 困った時に、いつでも相談できるかどうかも大切なポイントです。例えば、自習中でも講師に質問したり、家庭学習の仕方を相談したり、受験情報を提供してもらえたりと、学習やカリキュラム、進路などに関していつでも相談できると安心です。

コース・カリキュラムの変更ができるか

 学校の予習・復習をするために入塾した生徒でも、受験期になると志望校に特化した対策をしてもらいたくなることがあります。そのような場合に、年度途中でもコースやカリキュラムの変更ができるかを確認しておきましょう。

通塾が負担にならないか

 個別指導塾では駐輪場を設置していない塾も多く、自転車で通塾する生徒には不便なことがあります。また、電車で通塾する場合でも、駅から離れていると大変です。週に2回か3回塾に通うのであれば、できるだけ交通の便がよい塾を選ぶとよいでしょう。例えば、通学路上に塾があれば、気軽に自習室に通うこともできます。

個別指導塾に関するよくある質問

 個別指導塾選びでわからないことを解決できるように、個別指導塾に関するよくある質問をまとめました。

  • 集団塾と個別指導塾では、どちらがいいですか?

     集団塾と個別指導塾には、それぞれメリットとデメリットがあるので、生徒の学力や性格に合わせた塾選びが大切です。

     

     集団塾は、個別指導塾に比べて料金が安く、講師の当たり外れが少ないのがメリットです。志望校合格のためのカリキュラムがはっきりしているので、そのカリキュラムについていくことができれば、十分に合格する学力を身につけられます。また、切磋琢磨する環境が自然と作られるので、モチベーションアップにつながることもメリットです。

     

     個別指導塾は、オーダーメイドのカリキュラムを作成した上で、わからないところはわかるまでじっくりと解説してもらうことができるので、自分のペースで学習したい生徒に向いています。特に苦手な科目を克服するために塾を探している生徒には、個別指導塾がおすすめです。時間割の融通も利くので、部活動で忙しい生徒にも向いています。
  • 週に何回通うのがいいですか?

     週に何回通うのがいいのかは、生徒の学力や目標、受講科目などによって異なりますが、個別指導塾では週1〜2回通う生徒が多いようです。ただし、季節講習や定期テスト期間、中3や高3などの受験生は、自習室の利用も含めて週3〜4回通う生徒もいます。週に何回通うのがいいか迷ったら、体験授業や学力診断テストを受けるタイミングで、教室に相談してみるとよいでしょう。
  • 推薦入試や総合型選抜にも対応していますか?

     塾によって、対応しているところと対応していないところがあります。専門塾と呼ばれる塾では、「数学専門」「私大文系特化」など、決められた科目のみに対応しているところがあります。また、高校受験に対応している塾でも、授業は英数国のみ、理社は映像授業で受けるような塾もあります。

     

     その塾がどのような受験方式に対応しているかは、各塾のホームページやパンフレットで確認してください。
  • 子どもに合う個別指導塾を見つけるには、どうしたらいいですか?

     子どもに合う個別指導塾を見つける方法としては、複数の塾の体験授業を受けるのがおすすめです。いろいろな塾の体験授業を受けることで、それぞれの塾のよさがわかり、子どもに合う塾を見つけやすくなります。複数の塾の体験授業を受けてみて、親子で納得してから入塾することが大切です。
  • 現在、個別指導塾に通わせていますが、転塾するかどうか悩んでいます。

     転塾したい理由として、「講師との相性が合わない」「授業料が高すぎる」「学力が伸びない」「塾のシステムに不満がある」などが挙げられます。転塾すればこれらの問題を解決できることもありますが、転塾が必ずしも成功するとは限らないことに注意しましょう。

     

     転塾すると、入会金や諸経費などの費用が新規でかかったり、一からカリキュラムを作り直したり、指導方法が違いすぎて子どもが困惑したりと、さまざまなデメリットも想定されます。どうしても転塾させたい場合でも、まずは他の塾の体験授業を受けたり説明を聞いたりして、納得した上で転塾することが大切です。

まとめ

 今回調査した個別指導塾の授業料の相場は、小学生で10,000円〜15,000円、中学生で15,000円〜20,000円、高校生で20,000円〜25,000円になっていました。ただし、塾では授業料以外にもさまざまな費用がかかりますので、入塾前に費用の詳細を確認し、年間の費用の見通しを持っておくことが大切です。また、塾によってコースや教材、オプションなどもさまざまですので、授業料に限らずしっかりと比較して、納得した上で入塾するようにしましょう。